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私たち似てる

 血液検査に呼ばれて別室に入ると、よく日に焼けてがっちりとした体格の看護士さんが僕を見てまず「ちゃんとご飯食べてる?」と聞いた。「食べてません。」と正直に答えた。医者も看護士も、会うとまずそれを確認するのが、職業柄なのか分からないが僕には優しく感じられた。
 腕を見せるとどっちがいいかと聞かれて、本当にどっちでもよかったので「どちらでもいいです。」と答えた。採血で腕を選ばれたことはあっても選ばされたことはあまりなかった気がする。右腕になった。ゴムのチューブで腕を締めると余計に血管が浮いて、簡単に切れそうだなと思った。
 それから針を刺す様子まで凝視する僕に「見るの?」と言って彼女は笑った。「え、はい。」採血の針を見ない、という選択肢が僕にはよく分からなかった。

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