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再生歯内療法:リバスクラリゼーション(Revascularization)

リバスクラリゼーションとは?

リバスクラリゼーション(Revascularization)は歯の神経(歯髄)がう蝕や外傷などの原因で死んでしまった(壊死)した歯根の未完成永久歯(若年者が対象)に対して、抗菌剤による根管内の消毒と意図的な出血によって硬組織を誘導・形成させ、歯根の長さと厚みを増加させ、成長させる新しい治療法です。

さらに最近では、歯髄の壊死を伴った歯根の完成永久歯(成人が対象)にもこの方法が応用されており、これをリバスクラリゼーションの最終的な目標とすることが国際的な潮流となりつつあります。

もし、リバスクラリゼーションによって歯根の完成永久歯の感染根管を患者さん自らの硬組織で置換するという治療ができるなら,革新的な治療法となるに違いないですね!

リバスクラリゼーション vs アペキシフィケーション

このような背景から、若年者が対象となる歯根の未完成永久歯の歯髄壊死(感染根管)の症例で、歯科医師のみなさんはリバスクラリゼーションアペキシフィケーション(水酸化カルシウム法 or MTA法)のどちらを治療法として選択しますか?

私のクリニックにも歯根の未完成永久歯の「根管治療依頼」で患者さまが多くみえます(下顎小臼歯の中心結節の破折で歯ぐきが腫れた症例がほとんど)。

そんな時、「歯内療法専門医」はどのようなことに注意して治療法を選択するか、臨床的課題は何か? "note" したいと思います。

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