猫_本

死と出会い 7話 彼女の様子

今日は部活がある。昼休みに愛理からあんぱんをもらい一緒に食べた。えりちゃんの話をすると様子が変になった。なぜだろう。

#死と出会い #部活 #読書 #ぱん #様子が変

 今日、僕は授業が終わったら部活がある。

久しぶりのバスケの練習なので楽しみ。辛いトレーニングもあるけれど。

僕は、思っていることがある。

それは、バスケで大学に推薦してもらえないかということ。

まだ、顧問の宮崎先生には話したことはないけれど。


 今は昼休み。僕は、教室で読書をしていた。自宅から持参したミステリー小説で、とても面白い。そこに、購買に行くと言っていた愛理が戻って来て、僕のところにやって来た。

「あんぱんとクリームぱん買ってきた。どっちか食べたい?」
「いいのか?」
「うん、いいよ。そのつもりだったから」
彼女は僕の前で二個、ぱんを差し出し見せてくれた。

「じゃあ、あんぱんいただき! サンキューな!」
「なんもだよー」
僕は一旦読書をやめてあんぱんを食べ始めた。僕の前の席で愛理もクリームぱんを食べている。

「うまいな」
と、僕は笑みを浮かべながら口いっぱいにあんぱんを頬張らせている。
購買のぱんはどれも薄味であっさりしている。

「うん、おいしいね」
愛理は満面の笑みを浮かべながら答えた。

ふと、僕はあることが脳裏をよぎった。

「ここに雄二もいればなあ……」
「そうね……」
「前は三人で誰が買いに行くかジャンケンしてたよな」
「うん、懐かしいよね」
僕はあんぱんを食べたあとまた小説を読み始めた。

「秀一、相変わらず読書好きね」
「まあな。僕には読書とバスケしか楽しみがないから」
そう言うと、愛理は何だか残念そうな顔つきになった。そのことに気付いたけれど、僕は何も言わなかった。

愛理は僕の本を見ながら、
「ミステリー?」
と、聞いてきた。

「そうだよ。面白いよ。愛理は今、家で何読んでる?」
「私は恋愛系を読んでるよ」
僕も愛理も共通の趣味がある。雄二も読書は好きでファンタジーを好んでいた。

「そうなんだ。相変わらず恋愛もの好きだな」
「キュンキュンしちゃう」
言いながら愛理は笑っている。

「さあ、今日から部活再開だ!」
「そうだね。がんばってね!」
「ああ、がんばる!」
僕は思わず拳を握っていた。

「だいぶ、気持ちも落ち着いてきたし、絵里って子に会ってみようか?」
「え?」
愛理は驚いている様子だ。

僕は麗香先輩のことも気になってはいるが、高嶺の花だと思っているので半ば諦めている。

「まあ、会う気になったなら声かけてみようか?」
「うん、お願いできる?」
愛理は少しの間考えているようで、
「うん、いいよ。秀一の都合のいい日教えてね」
絵里ちゃんの話をしてから、愛理は少し元気がなくなった。どうしてだろう。

「部活のない日だな」
「わかった」
「今日、参加して日程表もらうから明日愛理に伝えるから」
うん、とうなずいただけで彼女は何も言わなくなってしまった。なんだかさっきから様子が変だ。だんだん気になってきたのでまた同じようなことがあったら聞いてみよう。






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