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【短編小説】金の切れ目が縁の切れ目なのか

#短編小説 #一次創作  

 今日も僕はコンビニでパートとして午後三時間三十分まで働いている。名前は園田海斗そのだかいとといい、二十四歳。僕はバツイチで子どももいる。子どもはひとりで、女の子。元妻が引き取っている。離婚した原因は、僕の経済力のなさらしい。結婚してもパートで勤務していて、正社員になろうとはしなかった。もちろんパートより正社員のほうが給料はいいし、ボーナスもでる。じゃあ、なぜ正社員になろうとしなかったかというと、僕はからだがよわい。すぐにつかれてしまう。だから季節の変わりめになるとかならずと言っていいほど調子が悪くなる。今は春。調子が悪くなる時期なので不安。どこが具合悪くなるかというと、メンタル面。だから、あまり長時間働くとつかれて具合が悪くなってしまう。先妻は僕のそういうところを理解してくれなかった。そこが残念。ほんとうは別れたくなかった。また、実家くらしにもどるのも嫌だったし。子どもとだって離れたくなかった。だから、捨てられたのも同然。でも、仕事は高校を卒業して辞めずにいまに至る。僕が自慢できるのはこれくらい。
 僕は身長が低く痩せている。でも、女友だちからはイケメン君と呼ばれている。そうよばれて悪い気はしない。むしろうれしい。でも、男友だちにそうよばれていることを話すと、
「それをまともに受け取るのは、おめでたい証拠だ」という。そう言われてムカついたのでこう言ってやった。
「おまえがそう言うのはイケメンじゃないただのひがみ根性だ」と。
 その友だちはだまっていた。図星でかえす言葉がないからだろう。まあ、あまり調子に乗るのも考えものだけれど。だから僕もあまり調子にのっちゃいけない。気を付けないと。あと、男友だちも女友だちからも言われるのは、
「海斗君は温厚でやさしいよね」と。
 これまたうれしいことを言ってくれる。こういう友だちはたいせつにしたい。
 このひとは僕より一歳年上で二十五歳の吉田圭吾よしだけいごさん。彼は結構かわいがってくれる。呑みに行ったかえりにラーメンをおごってくれたりと、いろいろお世話になっている。彼は既婚者で子どもは二人いる。たしか、三歳の女の子と二歳の男の子がいるはず。僕は子どもが好きなので覚えている。
 僕もいずれは子どもをつくりたい。それにはまず相手をみつけないと。そこからだ。以前、吉田さんに女の子を紹介してもらったことがある。でも、引っ込み思案で内気な僕は、気のつよい彼女はむいていないと感じた。やさしくて物静かな女性が合うかもしれない。吉田さんの奥さんには数回会ったことがあるけれど、気のつよい奥さんだと思った。吉田さん夫妻と僕の三人で会って食事をしたとき奥さんは先だってしゃべっていた。僕なんか会話にはいるすきがなかった。
 吉田さんの職業は牧夫だ。地元の山間にある牧場でサラブレッドを飼育している。でも、通勤は車で片道三十分くらいかかるらしい。既婚者だから結婚したのを機に家を買ったらしい。すごいと思う。家を買うだなんて、僕には到底できない。結婚した翌年に女の子を出産したようだ。さらにその翌年に男の子が産まれた。出産祝いをわたすのは経済力のすくない僕にとって痛い出費だった。これからも付き合いは続くと思ったので五千円ずつ出産祝いをわたした。
 僕はいつ結婚できるだろう。出逢いがない。マッチングアプリでさがすかな。そこまでしないとダメだろうか。そんなに焦ってはいないのに。まあ、ダメってことはないだろう。マッチングアプリがすべてではないから。
 今日は午前十時から仕事で正午に一時間休憩をとり午後三時半に退勤する。それだけしか働いてないのに疲れる。なんでこんなに疲れやすいのだろう。生まれもった体質なのか。もし、そうだとしたらすぐには改善の余地はない。僕の母は、うつ病らしい。僕はもしかしたら心の病にかかりやすい性格でこの世に生を受けたのか。はっきりしたことはわからないが、そんな気がする。でも、持ち前のイケメンで彼女をつくりたい。もし、可能なら吉田さんの奥さんに女友だちを紹介してもらえないだろうか。そのことをメールで送った。メールは夜にきた。
〈オスッ! 久しぶり! 訊いてみたら結婚していない友だちがひとりいるのでその子に訊いてあげる、と言ってるよ〉
 僕はそれを読んでどうなるかもわからないのにうれしくなった。
〈そうですか! ありがとうございます! よろしくお願いします〉
〈海斗はいつなら都合いいんだ?〉
〈夕食後がいいですね。夕ご飯を一緒に食べるなら話は別ですけど。何曜日でもいいですよ〉
〈そうか、わかった。つたえておくわ〉
 とりあえずはこのメールで終わった。
 どんな女性だろうと、胸躍らせた。外見がタイプであればなおさらいいけれど、問題は性格だ。やさしくて僕のことを理解してくれるやさしい女性がいいな。身体がよわいのは、すぐには言わずにようすをみる。いきなりそんな話をしても盛り上がらないだろうから。むしろ盛り下がる。それじゃあ、せっかくの出逢いも台無しだ。それだけは避けたい。僕のような気が弱い男は年上にひっぱってもらうような感じがいいのかもしれない。これから会う女性はいくつだろう、まだ訊いていない。年齢に関しては吉田さんに教えてもらおう。女性の年齢は訊きづらいから。早速、吉田さんにメールをした。
〈ちなみに紹介してくれる女性はいくつですか?〉
 メールはすぐにきた。
〈なんだ、年齢でどうするか決めるのか?〉
 そのメールで僕はあせった。
〈いやいや、そういうわけじゃないですよ。ただ、いくつだろうと思っただけで〉
〈そうか。二十七だよ。海斗には年上がいいかもな〉
〈そうなんですね。どうしてそう思いますか?〉
〈うーん、そうだな。気分を害さないで聞いてほしいんだけど、わりと気がよわいだろ、海斗は。だから、彼女になる相手にはひっぱってもらうほうがいいのかなと思ったのさ〉
〈吉田さん、僕もおなじことを思っているんですよ。さすが、ひとをみる目がありますね〉
〈いやあ、そんなひとをみる目だなんておおげさな。海斗とのつきあい、何年だと思ってる? 三日や四日じゃないんだぞ。それくらいわかる〉
 そのメールをみて、そういうものかなぁ、と思った。なのでメールはこう送った。〈そうですか〉と簡潔に。そっけないかな、と思ったけどもう送ってしまった。それからは返信メールはなかった。なにか思ったことがあればメールか電話をしてくるはずだから、大丈夫だろう。
 
 それから数日後。僕はかぜをひいて熱をだしてしまった。その日に吉田さんからメールがきた。数時間後にメールに気づいた。
〈俺の奥さんにメールがきて、あしたはどうか? という内容らしい〉
 なんてタイミングのわるい……。しかたないのでまた今度にしてもらうメールを送ろう。
〈こんばんは。申しわけないのですが、今日あたりから発熱してしまってまた今度でもいいですか? ほんとうにすみません。こちらから言っておいて〉
 しばらくしてメールはきた。
〈そうなのか、そいつは残念。しかたないな、体調不良じゃ。そういう事情で会えないということは奥さんに言っておくよ。体調よくなったら連絡くれ、また奥さんに頼むから〉
〈ほんとうにすみません。お手数かけます〉
〈まあ、気にすんな〉
〈ありがとうございます〉
 吉田さんはいい人だ。こんなにいい人だとは思ってなかった。悪い人だとは思ってないけれど。
 その夜、僕はなんかだるいと思い熱を測ってみると三十八・九度あった。これはやばいと思い母に話した。すると母はこう言った。
「うわっ、それは病院にいかないと! あんた自分で運転して行けそう?」
「いや、だるいし、フラフラする」
「じゃあ、私が送ってあげるから。用意しなさい」
「ジャンパー着ればそれでいいよ」
 母は黒いパーカーを着て財布とスマートフォンと鍵をもって、
「いくよ」
 僕を促した。だるい身体を起こし、僕はなにももたずに家をでようとしたとき、
「海斗。携帯もっていかないの?」
 と言われると、
「あ、わすれてた」
 そう言って自分の部屋に行き、スマートフォンをポケットにいれて居間に戻った。
 僕はグレーのスウェットの上下、Mサイズで家をでた。母は、ブルージーンズ履き、トレーナーを着ているようだ。
「準備はいいね? いくからね」
「うん」
 そう言って母と僕は家をでるときに、父と妹の園田真菜子に伝えた。
「病院に行ってくるね」
父は「ああ、気をつけてな」といい、真菜子は、
「お兄ちゃん、早くよくなるといいね」とやさしい言葉をかけてくれた。さすが僕の妹。優しい。ついてきてくれたら最高なんだけどなぁ。まあ、いいか。症状がうつっても困るし。
 夜間病院についてなんとか受付まで歩いた。こんなにつらい思いをしたのは初めてだ。待合室には僕以外にも数名きていた。やはり、季節の変わりめは体調を崩す人が多いのだろう。僕だけじゃないようだ。マスクをした看護師が近づいてきて、
「体温測ってください」
 と言われ脇に体温計をはさんだ。ピピッとなったので、体温計を見てみた。すると、三十九・二度とさっきより高い。
「検査しますね」
 と言われ、細長い綿棒を鼻の中へ突っ込まれた。少し痛い。
そして少ししてから呼ばれた。
「園田さん、園田海斗さん。診察室へどうぞ」
 医師の説明があった。どうやら風邪のようで、高熱なので点滴をうつことになった。母が心配して見にきてくれた。
「大丈夫?」
「大丈夫じゃない」
 マスクをした看護師がやってきて、僕の腕に針を刺し点滴を調整した。
「一時間くらいで終わりますので。お母さんはあちらの椅子に座ってお待ち下さい」
 そう説明を受けて看護師は去っていった。処置室の奥にはベッドが三つあって僕以外のベッドには患者がいた。どうやら点滴をうっているようだ。僕は目をつむった。だが、眠ることはできなかった。
 約一時間経過し、点滴もほとんど残っていない。僕はナースコールのボタンを押した。すると看護師がやってきた。手際よく僕の腕から点滴の針を抜き、注射シールを貼った。
「二、三分抑えていて下さい」
「はい」
 と返事をし、ゆっくりと起き上がった。まだ、フラフラする。看護師は、
「先生は解熱剤とかぜ薬を処方しておくと言ってましたよね?」
「はい。言ってました。ありがとうございます」
「会計は明日の日中以降にお願いします」
「はい」
 そう言ったあと、母のもとに行った。
「終わった」
「じゃあ、帰ろうか」
「うん」
 入ってきたところから出て、車に乗った。
 帰宅したのは午後八時前だった。家に入ると妹が出てきて、
「ずいぶん時間かかったね」
 と言うので、
「点滴してた」
「そうなんだ、なかなか帰ってこないから事故にでもあったかなとお父さんと話してたところだよ」
「ああ、それは大丈夫よ」
 母が答えた。そして父が僕に向かって話しだした。
「で、海斗はかぜか?」
「うん、そうみたい。点滴うってきたんだ」
 真菜子も心配してくれているからか、口をはさんだ。
「薬は?」
「解熱剤とかぜ薬はもらった」
 僕は元気なく言った。母も言った。
「起きてないで部屋に行って寝てなさい。あ、薬飲みなさいよ」
「うん。そうする」
 僕はかぜ薬を飲み、自分の部屋に行き、パジャマに着替えてベッドにもぐりこんだ。
 でも、時間が早いせいか寝付けない。いつもは深夜零時ころ寝ている。寝れないので起きて、読書をはじめた。ミステリー小説を途中まで読んでいたので続きを読みはじめた。でも、熱のせいだろう、頭がぼーっとして集中できない。身体もだるいし仕方ないのでだまってよこになって目をつむった。
 気がついたときには夜中の三時だった。あのまま寝たようだ。再度、熱を測ってみた。すると、三十七・五度まで下がっていた。僕はうれしくなった。でもまだ微熱がある。完治したとは言えない。これなら仕事にもいけない。仕方ないな。
朝になったら職場に電話しないと。店長いればいいけれど。それか、副店長か。
 今日も勤務時間は十時~十五時半まで。だからおそくても九時までには電話しないといけない。かわりのひとの出勤する支度があるから。
 まだ起きるのは早いと思いまた寝たのがまずかったのか、目覚めたのは九時三十分くらいだった。やばい! と思い慌ててまずは体温を測った。三十七・二度だ。微熱。すぐに、職場のコンビニに電話をした。
「もしもし、園田です。おはようございます」
『おお、園田君。おはよう』
「山澤副店長ですか?」
『ああ、そうだ。どうした?』
「実はですね、かぜ引いちゃいまして昨夜病院に行ったんですよ。点滴をうって薬をもらってきました」
『え、そうなのか。熱はあるのか?』
「熱はさがったんですが、まだ微熱があって三十七・二度あります。電話するのが遅くなって申し訳ないのですが、休みもらっていいですか?」
『確かに連絡してくるの遅いな』
「すみません。寝過ごしました」
『あ! 今日は売り出しの日だぞ! なんでこんなときに』
「ダメですかね? やすみもらえないですかね?」
『うーん……。店長に訊いてみるよ。もう少ししたらくると思うから自宅で待機していてくれ』
「わかりました」
 階下から母の声が聞こえてきた。
「海斗―! 仕事に行かないのー?」
 うわー、マジうざいわ、母に言われるのは。仕方がないので大きな声で言った。
「まだ、微熱あるからやすむかもー」
「あんたのコンビニからチラシきてるよー。いそがしいんじゃないのー?」
「わかってるよー」
 はぁー、嫌だいやだ。なので無視していた。すると、二階にあがってくる足音が聴こえた。母があがってきたのかな?
 すこし開いているドアから母がさけびながらあがってきた。
「海斗! すこしくらいなら仕事にいきなさい! 熱、何度あるのそのだ?」
 いやー、ホント嫌になる。うるさい。そう思っていたが言ってはいない。言ったらさらにヒートアップするから。
「三十七・二度だよ!」
 僕もつよい口調でいった。
「職場に電話したら店長がきたらどうするか連絡くれるってさ!」
「あら、そうなの。来い、と言われたらいきなさいよ。あてにされてるんだから」
「わかったよ!」
 母はひとの気もしらないで、そんなきびしいことばかり言っている。むかしからそう。小学生、中学生、高校生のころは微熱なら登校させられていた。そういう点では父のほうがやさしい。父は、
「熱があるならやすませないと」と言うが母は、
「そんなあまいこと言っていたらなまけものになるよ!」
 そう反論していた。
「そんなことないだろ」
「いやあ、そんなことあるわよ! 実際、私の友達が大切に育て過ぎて、すぐ仕事を辞めてしまう人間になってしまったらしいから!」
「そいつらと一緒にするなよ。家は家。友達の家は友達の家だろ」
「いやあ、おなじよ!」
 母は父と言い争そいになり、興奮している。でも、父は至って冷静だ。父のほうが大人なのだろうか。そのとき、僕のスマートフォンが鳴った。画面を見ると
店長からだ。僕はあわててでた。
「もしもし、おはようございます。園田です」
『さっき、電話くれたんだって?』
「はい、微熱がありまして」
『今日、売り出しだぞ? 知ってるだろ?』
「はい、それじゃあ、やっぱり休めませんよね」
『来てもらわないと困るな』
「ですよね、わかりました。行きます」
 僕の部屋にいる両親につたえた。
「仕事はいくから。店長にこないと困るといわれたからさ」
 母は急に笑顔をみせ、
「やっぱりそうでしょう。世の中そんなにあまくないのよ」
 父は真顔になり、だまってしまった。なんだか父がかわいそう。父の考えが否定されたみたいで。
 僕はベッドから起き上がり、ゆっくりと支度をはじめた。父は、
「だるそうだな」と言った。僕は、
「うん、微熱あるからね」いいながら「髪洗ってくる」トボトボとあるいて階下にある浴室へとむかった。途中で妹の真菜子とすれちがった。
「お兄ちゃん、どうしたの? 具合わるそうだけど」
「いや、大丈夫だ」
 真菜子は心配そうな眼差しで僕をみつめていた。
 
 十五時で上がらせてもらった。いつもなら十五時三十分までいるのだが。三十分早い。帰りに事務所に寄り、体温を測ってくれと店長に言われ、体温計を脇に挟んだ。三分後、ピピッと鳴った。見てみると三十七・五度と熱が来た時よりあがっている。店長に報告すると、
「売り出しは今日だけだから、明日はゆっくり休め」
 言われ、
「わかりました。お先に失礼します」
 覇気がない状態で帰宅した。
 家に入り、玄関で父とあった。
「大丈夫か? 熱はまだあるのか?」
「朝よりあがったよ。でも、明日は休みだから」
「そうか。ゆっくり休め」
 僕は居間に行かずに階段をのぼり二階の自分の部屋に行った。着替えることもせずにベッドに横になった。そして、すぐに寝入った。眠りが浅かったからか夢をみた。内容は、吉田さんの奥さんに紹介してもらった女性と手をつないで土砂降りのなかを歩いている。女性の顔はぼやけてみえない。僕も彼女もびしょ濡れになってベンチにすわった。そこで僕はプロポーズをした。けれど、
「あなたのような経済力のない男とは結婚できない」
 と言われたところで目覚めた。最初に思ったのが、金の切れ目が縁の切れ目かな、と思った。でも、夢だし。まあ、そういう現実も実際にあるけれど。でも、いやだなぁ、お金で縁がつながってるかきれるかなんて。
 今の時刻は十七時過ぎ。この話を家族に話してみよう。どういう反応をするか。階下に降り、居間に向かった。そこに入ると父とがいた。母は台所で夕食を作っているようだ。
「お。起きたか。熱下がったか?」と父。
「寝てたの?」と真菜子。
「体温計貸して」と僕。
「テーブルの上に上がってるよ」と妹。
 僕はそれを見つけて脇に入れて測った。
「三人に訊きたいことがあるんだけど、金の切れ目は縁の切れ目、てその通りだと思う?」と僕は言った。
「まあ、人によると思うが、金がないと現実問題生活出来ないからなぁ。一理あるかもな」と父は険しい顔つきで言った。
「それは嫌だなぁ。がんばってはたらけばいいと思うけどね」と真菜子。
「僕もそう思う。はたらけばいいって」
「でも、年とってたら採用されるかわからないぞ」父は言う。さすがだ、現実的。
「母さんはどう思う?」
 母は包丁をおいてこちらをむいた。
「そうねえ、お金がなくて別れるっていうのは、そこまでの縁でしかないということだと思う」
「なるほど。たしかにそうかもしれない」僕は言った。さすが母だ。
 吉田圭吾さんの奥さんが紹してくれる女性とは縁があるだろうか。実際会ってみないことにはわからない。
 体温計がピピッと鳴った。脇から取り出し見てみると、三十七度きっかりだ。さっきよりさがっている。それでも微熱はある。明日はゆっくりやすもう。あさってから元気に仕事にいけるようにしないと。例の女性とは縁があるかなあいかはわからないけれど、かぜが治ったら会わせてもらおう。楽しみだ。
 
                                終


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