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大腸ポリープ切除ってどんなことするの?

こんにちは、内視鏡技師エンドーです

私は、年間1万件の内視鏡検査をする病院の看護師・内視鏡技師です

主に、内視鏡の管理、スタッフの教育、内視鏡検査・治療の介助をしています

今日は、入院で切る、大腸ポリープ切除術について書きたいと思います

・そもそも、大腸ポリープってどんなもの?
・どうやって、内視鏡で切るの?
・治療中はどんな感じ?痛いの?

といった疑問にお答えします



そもそも、大腸ポリープってどんなもの?

大腸の粘膜の一部がイボのように隆起しているもののことです
組織にとって腫瘍性と非腫瘍性に分けられます

腫瘍性のポリープは悪性と良性に分かれます
良性のポリープは腺腫とよばれ、悪性になる前に切除します

非腫瘍性のポリープは炎症によるもの、過形成性のものがあります

ただ、大腸ポリープは自覚症状がないので、がん検診など、大腸カメラを受けないと、気づかないことが多いです

外来で通電しないで切除できるポリープもありますが、ポリープの根元に茎がある形もの、大きいものは入院して切除します
治療の「偶発症」のリスクが高くなるので、準備が必要になります


どうやって内視鏡で切るの?

大腸ポリープは、「スネア」と呼べばれる金属の輪っかをかけて、高周波装置で電気を流して、切除します

切るときの痛みはありません

出血が見られる、または、危険性がある時は、「クリップ」と呼ばれる金具で、血管や切断面を挟みます

このクリップは、大腸の中に残したままになります

とても小さいので、便と出てきても気が付かないかもしれません
はずれてしまっても、特に問題ありません



治療中はどんな感じ?痛いの?

先ほども書いた通り、切除すること自体に痛みはありません
ただ、大腸カメラをするときに、人によっては、痛みを感じることもあるので、その時は、痛み止めや、眠たくなる薬(鎮静剤)を追加します

治療中に、腸の中に空気を入れるので、時々、お腹が張ってくる感じもします。しんどい時には、可能な限り医師が、空気を抜いてくれます。


当院の検査の流れは、以下の通りです

1・検査用のズボンに履き替える
2・検査台で点滴をとって、「眠たくなる薬」と「腸の動きを抑制する薬」を、点滴から入れる
3・左向きになって、お尻からカメラを入れる
(気持ち悪いですが、フーと息をはいて、お尻の力を逃してくださいね)
4・合図があれば、上向きになり、膝を立てて、足を組む
5・ポリープが見つかったら切除する
場合によってクリップもする
6・治療が終われば、看護師が声をかけます
検査台が下がるまで、お持ちください

治療に伴うリスクは、切除した部分からの出血と、深く切りすぎて腸に穴が開いてしまうこと(穿孔)です

ほとんどの場合は、クリップで、出血した箇所や、穴を塞いだりできますが、場合によっては、外科手術が必要なこともあります



大腸カメラの時に飲む腸管洗浄剤(下剤)は、大変ですが、腸の中がキレイになっていると、ポリープの見落としのリスクも少なくなりますし、ポリープも切りやすくなります

内視鏡治療は、経験した人によって「しんどかった」と言う人もいれば、「知らない間に終わってた」と言う人もいます

個人差があり、一概に「楽」「しんどい」とは言えませんが、医師も看護師も、できるだけ楽に内視鏡を受けていただけるような工夫をしています

不安があれば、医師・看護師に聞いていただいて、納得の行く内視鏡治療を受けてください



この記事が、大腸ポリープ切除を受けられる方の参考になれば嬉しいです



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