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胃カメラで「オエっ」とならずに、楽に受ける方法

こんにちは、内視鏡技師エンドーです

総合病院の内視鏡室で看護師・内視鏡技師をしています

主な仕事は、内視鏡介助、管理、スタッフの指導です


今日は、胃カメラの時に、喉元でオエっとなる理由、それを少しでも楽にする方法について書きたいと思います

これを知れば、胃カメラへの苦手意識が、少しはマシになるかも・・・?


胃カメラで「オエっ」となる理由は?

胃カメラって、えづく感じが、とても苦痛ですよね。

『えづく』ことを嘔吐反射と言います

では、そもそも、どうして、胃カメラで喉元を通る時に嘔吐反射が起こるのでしょうか?

それは、胃カメラの通り道にある咽頭蓋にカメラが触れるためです

本来、胃カメラが喉を通過する場所は、咽頭蓋の対側(反対側)なのですが、喉の奥が狭いと、咽頭蓋にカメラが触れてしまいます

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(↑本を見ながら描いてみたのですが、わかりにくかったらごめんなさい・・・)

胃カメラで嘔吐反射が強い人、そうでもない人がいるのですが、喉の構造には、個人差があって、喉の奥が狭く、曲がりが強い人は、カメラが通ることを苦しく感じます

さらに、苦しい、怖いという気持ちから、喉元に力が入って狭くなり、さらに苦しくなる悪循環になります


どうしたら嘔気反射がマシになるのか?


まずは、しっかりと咽頭麻酔をすることです

施設によって咽頭麻酔の方法は異なりますが、リドカイン(キシロカイン)を使用して、局所的に喉元をしびれさせます

多くは、スプレーまたはゼリータイプを使用しているので、出来るだけ喉元の奥に行くように口の中で薬を転がします

ただ、このリドカインは、匂いは甘いですが、味は苦いです・・・


また、先ほども書いた通り、喉元に力が入ることで、さらに胃カメラが入れにくくなり、嘔気反射を誘発します

ですので、力まないことが大切です

首、肩の力を抜いて、ゆっくりと複式呼吸をします。喉や肩に力が入らないように、力を抜くことを意識します。

胃カメラが喉の奥を通る時には、匂いを嗅ぐ体勢(少し顎を突き出す)をとります。この体勢をとることで、喉の奥の空間が開き、嘔気反射が起きにくくなります。

目を閉じると、喉元に意識が集中してしまうので、目は開けたまま、遠くを見るようにします。正面に内視鏡画面がある時は、見るようにお薦めしています。

また、唾を飲んでしまうと、むせてしんどくなるので、唾液は飲まずに、全部ダラダラと横に流します。咽頭麻酔をしているので、唾液が飲み込みにくくなっています。


一旦、恐怖心から力が入ってしまうと、パニックになって、息ができないと感じ、検査が完了できないこともあります。また、嘔気反射が収まらず、胃カメラでの観察に時間がかかることもあります。

恐怖心が強い時は、鎮静剤の使用もお薦めです

検査中の意識はあっても、脱力して検査を受けることができるので、嘔気反射が起こりにくくなります


まとめ

嘔気反射がマシになる方法は、以下の3つです

1、咽頭麻酔をしっかりとかける

2、意識して力を抜いて、喉の奥を広げる

3、鎮静剤の使用を検討する

胃カメラは、定期的に受診していただくことで、胃がんの発症を予防したり、早期発見して治療を行うことができます。しかし、恐怖心も伴う検査ですので、不安があれば、医師、看護師に相談して、納得のいく検査を受けてください。


この記事が、皆さんのお役にたてば嬉しいです。

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