無職日記0日目.

俺はいつか臆病な道を選んであなたを悲しませたの?
エレファントカシマシ『笑顔の未来へ』


タイトルからあるように、俺は無職である.とはいえ、今日無職になった訳ではない.職を捨ててもうすぐ3ヶ月になる.今の現時点を正確に説明するためには、大きく分けて、なぜ俺は無職になったのか、無職になってから3ヶ月もの間なにをしていたのか、なぜ急にこのような日記を書き始めたのか、の3つを説明しないといけないことだろう.だが今日は、現在読者は俺ひとりであることを踏まえ、とりあえず1番最後の「なぜ急にこのような日記を書き始めたのか」に焦点をあてて書こうと思う.

自由を求めて無職になったはいいものの、俺は実に堕落した生活を送っていた.確かに無職になれた最初の頃の俺は張り切って生活をしていた.今まで行ったことのなかった図書館に行ったり、インドアだったくせに旅行に行ったり、職にすがってころにしていなかったことをしようと、意気込み実現していた.だが2月の最初に四国に旅行して帰ってきて以来、俺は堕落した.家からほとんど出ることもなく、家でも動画やスマホを布団やyogiboの上で見るだけの植物のような生活だった.職に縛られていたときにすら通っていたジムに関しては1日も行くことがなく、運動もしなかった.酒を飲み、タバコを吸い、食べたいものを食べるためだけに過ごしていた.たいして養いを必要とするわけでもないのに、揚げ物や甘いものを頬張り、惰眠を貪っていた.

俺にはしたいことがたくさんある.俺には自分のルールもたくさんある.それらを実現するために何年も金を稼ぎ、そしてやっと職をやめたところだった.にもかかわらず、スマホの小さな世界を眺めながら堕落していく俺自身を見るのは、もう疲れた.思考しようが無思考だろうが、観察者は行動に勝らない.俺はしたいことをしたい.まずそれをすることから始めたい.当然ながら、上に書いたことは俺の直観である.だが直観を大事にすることを自分自身に科し、周囲にも偉そうにも語ってきた俺としては、この直観を実践に移さないことにはなにも始まらないだろう.理屈を言うために、理屈を捏ねたような表現になったが、まあ端的に言うのであれば「俺はやるぞ」と言うことである.

この日記は、無職の俺がしたことを書く場所である.「なにもしない」ということをしないためである.したこと、やったこと、やることのために、無職の俺は生きる.そのことを記していきたい.とりあえず、半年、8月の末ぐらいまで、続けることを目標にしたい.

今日の俺は、堕落にも昼間に起き、ダラダラとyoutubeを見て、ウクライナの情報をかじった.プーチンの顔が、急に人や歴史を超えた存在のように感じられて、畏怖してしまう.なにもない俺の無力さや弱さが浮き彫りになってしまう.俺は強いものにこそ立ち向かわなければならない.

それから図書館に行き、新聞を読む.キセリョフの発言、「世界にロシアが存在しないならば、何のための世界か」に再び足がすくむ思いになる(*1).すでに始まっている暴力に、物理的にも精神的にも遠くに存在している自分自身を発見する.だが負けてはならない.俺は負けや逃亡を正当化するために生きるのをもうやめないといけない.

図書館で予約した本を受け取る.家に帰り、これで堕落を最後にしようと思い、ビールを2缶と唐揚げとうどんを食べた.最後の晩餐ののち、村山彩『あなたは半年前に食べたものでできている』を流し読みする.運動の重要性、食事を運動後の栄養補給として捉える点が強調されていた.俺は、半袖に着替え走りに出かけた.外で走るのは1年ぶりぐらいだった.街は寒くなく、空気は心地よかった.この感覚を取り戻したい.


*1 27日夜のロシア国営テレビ番組で、著名司会者のキセリョフ氏が「ロシアの潜水艦は500発以上の核弾頭を発射し、米国と北大西洋条約機構(NATO)諸国を破壊できる。原理は『世界にロシアが存在しないのなら、何のための世界なのか』だ」と述べた。(産経)



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