医療に繋がってしまった在外邦人の記録
30過ぎてドイツ来てまで入院するとは思ってなかった。
昨日の夜から体調がよくなくて、今朝のセラピー中に諸々話していたらうわー、気がついたら救急車呼ばれて病院に着いていた。セラピー中にそんなパニックなったつもりはなかったけど、思い返すと確かに気分は低迷しており質問の答えも完全に鬱、生きるやる気なし、だった。しかしまあ人間みんなそんなもんじゃんね、毎日エネルギッシュにきゃぴっとバシっと生きられるわけではなくない、みんなわかってくれるよね、無表情で満員電車乗ってるきみ達とくに。
しかしみんなになくてわたしにあるのは過去の通院歴や入院歴であり、トラウマであり、つまりなんかしでかす恐れの大きさが違うのだ。
病院に着いてからは医者がでてきていくつかの質問に答えて、もうこのまま帰してはもらえないことに気がつく。これは先進国どこでも同じらしい。日独しかしらんが。それなりに元気で大丈夫なので帰してほしいとダダをこねると上級医が出てきてまたいくつか質問をされた。めんどくさいからとにかく薬飲ませたいなって雰囲気がぷんぶんしていて男だらけで威圧的なのも、日独おなじ。
ここで自分の意思で入院しないと裁判官を呼んできて強制的に入院させることになります、そうなると長いこと出られませんよ、と半ば脅されて任意で入院をすることになった。これも日本でもほぼ同じだね。いずれにせよ入院させられてしまう。
それから採血などして任意入院の承諾書みたいなのにサインをして、渡された小さなタブレットを飲んだら気を失うように数時間寝ていた。病棟には中央駅にいるジャンキーみたいな出で立ちの人間がウヨウヨしており、壁に向かってドンドンギーキャーやるのが聞こえる。あと「アッラー!」みたいな曲が定期的に流れてくる。
明日にでも出たい気持ちはあるけれど、数ヶ月ここできちんと治療したほうがいいのかもな、という気持ちもある。もう何年も真面目に生きてきたつもりだし通院も服薬もしてなかった、だから救急車呼ぶって言われたときはすごく怖くて、普通の世界に戻れなくなるんじゃないかって怖くて、泣いた。それなのに今はもうそんなことを考えている。入院に慣れすぎている。医療保護も措置も経験したし、ここへきて任意もやって全部コンプリート☆しかし任意入院とはかえってまた精神科のプロっぽいな。
なんで被害者ばっかり傷ついて時間も体力も精神力も削られて、加害者はのうのうと生きてるんだろうね。