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詩「日回りの庭」

母犬の傍
映写機回る
向日葵の庭
映された像は
明るさにぼけて
視認叶わず
フィクションが
湧出しない
妻猫が庭へ忍び込み
母犬へ骨をくれてやる
母犬じっと骨を見
母犬じっと骨を見
向日葵は首垂れ
私は項垂れ
雲は浮わつく
――近頃は目のない
人が増えたもんだ――
母犬は私を見
妻猫は鳴きもせず
塀を軽々飛び越えた
スマホが熱に浮かされ
やむなく水に浸した

母犬と半割り
西瓜を食した
種を庭に吹き
皮も放り投げ
映写機も回り
夜をただ待つ
――西瓜の子たちに
墓作ろうか――
――その映像がいま流れている
分からない?――
母犬がそうやって吠えると
思ったが
私をじっと見るばかり

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