見出し画像

詩「すべてあらゆる舞台への歓喜」

ひとたび舞台にあがれば
すべては真実
照明は太陽にも月にも星にもなり
僕たちは両性も人も獣かすら問わない

ひとたび幕があがれば
私たちは感覚だけの生き物になる
姿などなくして透明な膜になって
世界をあまた受け取る器官に変わる

ひとたび僕たちの声があがれば
世界の暗闇いっぱいに響き渡る
それから楽の音ひきつれて
心のおもてがくまなく映る

ひとたび幕がとじれば
私たちそれぞれ諸手をあげて
新世紀の創世を祝福し
拍手の波に絶え間なく歓喜が泡立つ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?