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半透明な黒い塊り

が、手を繋いでくれたらいいのに、
走りたくなったら解いて後ろを歩いてくれたらいいのに、肩車して街を案内してくれたらいいのに、キッチンで歌ってくれたらいいのに、枕元でレオレオニや、エーリッヒフロムを朗読してくれたらいいのに、わたしが泣いたら抱き締めてくれたらいいのに!
と思った時、求めているものが、たぶん父性であって、見える父性は恐ろしいから半透明であってほしいことに気がついて気持ちが悪かった。


父性とか正義が怖い。
それらが湿度を帯びた時、もう直視できない。

最近は、夢の中のお父さんみたいに優しい友達が沢山、沢山じゃないけど、できて、
ひとりの時に心配してくれたり、
落ち着かない時に諌めてくれたり、
知らない街を案内して目的地まで送り届けてくれたり、不安な時に電話をくれたり、
かわいい暖かい服をプレゼントしてくれたり、
ガムを買ってきてってお願いしたらハイチュウを買ってくれたり、

そういう優しさが黒い塊りの透明度を下げてくれるから、1人でだってスキップできます。

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