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応援団の指導

 体育部主任をやってきた私は、運動会が好きです。(好きですが、意義ややり方には、疑問視する点がある…!)最近は、運動会好きの教員だからこそ運動会が苦手な子どもたちの立場に立って、指導をすることを心がけることを大切にするようになりました。
 そんな私は、運動会では、出発・準備・放送など、色々な仕事をしてきましたが、思い返すと、他の仕事と兼任しながら10年以上連続で応援団の担当をしていました。多分キャラクター的なものが影響しているのでしょうか。そんな応援マンの私の「応援団の指導」について紹介していきます。


1.近年の応援団と意義

 近年、コロナの影響や、午前中に終わる時短により、「応援合戦」をカットしている学校も多いと思います。本校は、2年前から応援団が復活しました。(リレーも今年度から復活!)ネットでも「応援団はやらなくてもいいのではないか?」という声も結構多く目にします。

「自分はそうは思いません!」

(あばれるくん風に)


私の考える応援団の意義は以下の3つです。

 

①やる気のある子が集まってくる主体的な集団である。


②ぼくも私も「ああなりたい」憧れの対象になる。


③応援団でこそ、輝ける子がいる。


 なぜか私自身が、小学3年生のときの応援団の記憶が残っているんです。小学校の記憶は数少ないのですが、その数少ない記憶の中に、3年生のときの記憶が残っているというのはすごいことだと思いませんか?


2.応援団の募集

 応援団をクラスごとに選出してもらうのですが、各クラスの担任の先生の机上に以下のような応募要項を配ります。

○応募条件(オーディションの際に、読み上げてください。)

  • 運動会を盛り上げる気持ちのある人

  • しっかりと話を聞く人

  • 練習に一生懸命取り組む気持ちのある人

  • 恥ずかしがらずに、(声を出そうとしたり)、ダンスをしようとしたりする人

  • 運動会で、ほかの仕事(放送・保健・リレーの選手など)に決まっていない人

  • 応援団以外の勉強もきちんと頑張る人

(6年生はさらに)

  • 団長になる可能性があります。団長は6年生から出します。団長に関わらず、人任せにしない人 

  • 3・4・5学年をまとめたり、ひっぱったりする人

○選出までの日程

  1. 〇月〇日(〇)に、応援団について告知 目安です。学年でそろえれば早くても可(リレーの選手以外 委員会で仕事がある人以外で、いついつにオーディションをするよ。)

  2. 〇月〇日(〇)までにオーディションをする。

  3. 〇月〇日(〇)までに、応援団名簿提出 厳守

  4. 名簿に名前を記入し、○○まで提出してください。


 ○選出方法の例

  •  何人もいた場合 →オーディション形式 名前と簡単な応援をさせてみる。必ず事前に告知し、練習をする時間をあげてください。伏せて手を挙げる方法、PCのアンケート機能などを使い、選ばれなかった子への配慮を忘れずに。

  • 一人だけ落選する場合 →オーディションにすると、「だめな子を選ぶ」みたいな感じに・・・。この場合は、学級や児童の様子に応じた配慮を

  • 立候補がいない場合 →応援団の役割、意義などを語ってください。やりがいがあることを伝えれば、出るかもしれません。


3.応援団の指導

テーマは2つ。

①教師も子どもも無理のない練習


  1. 「練習は昼休みだけ」(4週間)(16日間)

  2. 「練習は絶対に延長しない」

  3. 「授業最優先の大原則」

 この3つを守っています。担当の先生の負担はもちろんあります。昼休みだけにしているので、子どもが来る5分前には、準備をしてきたらすぐに練習できるようにしています。中休みはクラスの子どもと過ごしますし、昼休みの練習の後は5時間目には遅れないようにいきます。これが崩れてしまうのならば、応援団はないほうがいいと考えています。

  1. 団結式、団長、副団長決め

  2. やりたい応援を考える、物を配る、太鼓、応援旗持ち決め

  3. 応援歌の振り考える

  4. 流れを教える

  5. 「2・3・4」「3・3・7」の振りを考える

  6. 通し練習

  7. 動画撮影

  8. 入退場

  9. 通し練習

  10. 通し練習

  11. 徒競走応援練習&通し練習(係打ち合わせ45分)

  12. 通し練習

  13. 通し練習

  14. 通し練習

  15. 通し練習

  16. リハ(前日準備45分)

各15分です。これで完璧に仕上がります。なにせ、やる気のある集団なので。後半は、ほうっといても団長や6年生が練習を進めます。コロナ前は、副団長中心にやる寸劇があったのですが、今はプログラムの時間の都合上カットです・・・。現在は、副団長のセリフも設けるようにしています。


②子どもがやりたい応援をやる。


  1. 「セリフは団長が考える」

  2. 「どんな応援をするかは団長と副団長中心に考える」

  3. 「振りは子どもたちが考える」

 一方的に教えても、楽しい応援団になります。しかし、やる気のある子どもの集団が考えてやりたいことやれば、すごい力になります。「教える日」と「考える日」を明確に分けて設定すれば、やる気のある子どもたちは、6年生を中心にどんどん振りを決めます。一緒に担当している先生は「短い時間でこんなの無理と思ってたけど、いけるもんですね。」といつも言ってくれます。具体的にいうと、団長にこんな種類の応援があるんだけど、(セリフ例一覧を見せる)どれがやりたい?と選ばせます。また、応援歌の振り付け、2・3・4拍子の振り付け、3・3・7拍子の振り付けは子どもが決めます。

4.ふり返り

 近年は、ふり返りはフォームで行います。QRコードを配っておき、フォームで回答してもらいます。応援団の頑張りや達成感を感じた子どもたちの姿や一言は、担任の先生に伝えたいと思っています。フォームで回答してもらえれば、簡単に担任の先生にも共有できます。



以上、応援団の指導を極めた?応援マンの実践例でした。

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