見出し画像

個別面談 私の流儀

今回のテーマは「個別面談」です。そろそろ個別面談の時期ですね、うちはもう終わりましたが。個別面談って個別なので、他の先生の個別面談を見ることってほとんどないですよね。先生方も自分なりのやり方を模索しながらやってきていると思います。私もそうで、自分なりのやり方を年々模索してきました。「私の流儀」なんて偉そうに書きましたが、私なりのやり方についてまとめてみます。


⓪面談は、「保護者の方とじっくり話ができる貴重な機会」と捉えて臨む。

  1. 忙しい中、予定を調整してきていただいたことに感謝。

  2. 「何かを伝える」よりも「保護者の方の話を聞く」ことを大事に。

  3. 印象ではなく、成果物や具体の姿で伝える。

 1はとても大切なことだと思います。「本日はお忙しい中ありがとうございます」とまずは、伝えるようにしています。

 2は保護者によって違うと思います。「言いたい保護者」と「聞きたい保護者」がいると思うので、まずは話していく中でどちらのスタンスなのかをつかむようにしています。短い時間だからといって、いきなりマシンガンのように学校の様子を伝えることは控えています。




①予定の組み方


 予定を組み方も大切ですよね。


  1. 兄弟関係を気にする。

  2. トラブルがある保護者同士を違う日にする。

  3. 保護者の方の弟・妹の送り迎えや仕事の事情に配慮する。

  4. 長くなりそうな場合、後ろを一つ空けておく。

 1は、当たり前ですね。人数の多い学年から順番に予定を組むとなっている学校が多いと思うので、自分の学年調整日までに、兄弟がいない子は子どもが日程希望用紙を出してきた瞬間に、書き込んでいきます。

 2は、万が一、廊下で会うと大変だからです。そんな一触即発な状況はそうそうないと思いますが。

 3は、だいたい希望用紙に書き込まれていますね。予定を組むときにも配慮しますが、完成したときに、もう一度確認します。希望を出したのに配慮されていないと、保護者からの信頼を失ってしまいます。児童クラブとの兼ね合いも気にして、個別面談後に迎えに行けるように配慮するとよいです。

 4は賛否両論あると思います。あける場合とあけない場合があるかもしれません。話が無駄に長くなってしまいそうな方の場合、あえて次を入れることもありますが、伝えたいことや話したいことがたくさんある場合、空けておくと、次の方を待たせなくて済みます。


②準備

 私は、すべてパソコン内で準備をします。職員系パソコンを教室に持っていき、それを見たり、メモしたりしながら話をします。これのいいところは、時間やこの後の順番を、話を聞きながらさりげなくチェックすることができるところです。

 まずは、日頃の様子を学習面と生活面に分けてメモをしておきます。テストの点数はひまわり先生などで管理しているので、分析データをエクセルで出力しておき、メモのファイルと一つにしておきます。家庭環境調査票に書いてあることや、前回の面談のメモなども一覧で見られるようにしておき、「この前おっしゃっていたあの件はどうですか?」と聞くようにします。また、具体物を見せるときは、電子黒板にすぐに映せるように準備をしておきます。

 廊下には椅子の準備と、掲示物や成果物などを展示しておく場合もあります。

③座り方

 自分のお子様の席に座っていただき、私は教師席からPCを持って、安心な距離をとって座ります。そのとき、正面に座らないようにします。ななめに座ると圧迫感がなくてよいです。

④話す内容


  1. 家庭での様子、気になっていることを聞く。

  2. 学校での様子を伝える。(学習面→生活面)

  3. 他に何か気になることはありますか?

  4. クロージング


 1.家庭での様子、気になっていることを聞く。

 まずは聞く姿勢を見せます。最近の家庭での様子はどうですか?学校でのことはおうちで話していますか?この前の電話でお話しした件は、あれからどうですか?と。聞きたい派の保護者の方は、反応は薄いので、その際は2に移ります。話したい派の保護者の方の場合は、話してくれたテーマと関連させながら、さりげなく2に移ります。

  

 2.学校での様子を伝える。(学習面→生活面)

   

 学習面は、PCにまとめてあるデータをもとに伝えていきます。授業中の様子、特にがん   ばっていることや課題と支援の状況、テストの点数から分かる得意なこと、苦手なことなどを伝えていきます。印象ではなく、具体的な姿や発言、点数をもとに伝えるようにしています。ここをもっとがんばったらもっとよくなる!というところも伝えています。

 生活面は、友人関係、係活動や会社活動での頑張り、休み時間の様子、忘れ物がないかなどを中心に伝えます。こちらも具体の姿で説明できるようにメモをしておきます。全員分の休み時間の行動には、自信がもてないので、あらかじめ「生活アンケート」を書いてもらい、参考にします。休み時間にだれと何をして過ごしているかはかなりの保護者の方が気にすることが多いので、「わかりません」で済ませないようにします。

 よくあるパターンがこちら。


(例1)家でだらだらしてばかりいます。

 学校で頑張っている子の保護者でも、こういう相談をしてくる場合があります。私は、その場合、「学校でも家でも頑張るのは、難しい。学校で頑張って、家では甘えるのは普通のことで、それが逆になったら危ない」ということを伝えています。その子が学校で、平均以上に頑張っているときは、学校で頑張っていることを伝え、保護者を安心させて、「学校で頑張っているので、たくさん褒めてあげてください。」と強調して伝えます。学校でもダラダラしている場合は、学校での支援の状況を伝え、家庭と学校で協力して同じ考え方で支援していける方針を確認します。



(例2)いつも家でゲームばかりしているんです。

 ゲーマーの私としては、得意分野です。それがマインクラフトだった場合は、マイクラの良さを力説します。ゲームのやりすぎで、睡眠時間やお勉強の妨げになっている場合は、家庭でのルールを確認します。ない場合は、ルールを子どもと共に決めることをすすめます。このときに、一方的にルールを決めるのはNGで、子どもと共に決めることが大切なことを伝えます。また、そのときに、そのルールが守れない場合はどうするかも一緒に決めます。睡眠時間や勉強時間は絶対になくてはならないもの。子どもの健全な成長のために、ゲームとどう向き合わせるかは親の責任であると柔らかく、「自身の娘もそうなんですよ」と共感しながら伝えます。


(例3)自主学習を進んでやらないんです。

 これからの時代、宿題ではなく、自主学習をする力が大切であることを力説します。子どもがいやいややっているのならば、それは自主学習ではないということを柔らかく、そして、担任のせいっぽく説明します。そして、その子がどういう興味があり、どういう内容でやっていくかを保護者と一緒に考えます。学校での様子や今まで見てきた自主学習の引き出しを開けまくり、時間内に、保護者の方に「こうやっていけば大丈夫」と安心させれば成功です。


(例4)友人関係の相談

 これが一番多いでしょうか。「おうちでどう言っていますか?」というスタンスで話をとにかく聞きます。そのあと、学校での様子や指導の状況を伝えます。これはかなり場合によりますが、大事なことは安心してもらうことだと思います。聞くだけではだめで、保護者から聞いたことや日頃の様子を踏まえて、これからの指導の方針を伝えます。また、何かあったらすぐに担任までお伝えくださいと加えます。



(例5)テストの点数が・・・

 インプットだけでなく、アウトプットをすることが大切なことを伝え、おすすめの勉強方法を伝えます。これも学校と家庭で協力して支援していくことを確認します。

⑤終わり方

 時間が来たら、「他に何か気になることなどありますか。」と聞くと、だいたい「あとは特にありません。」となることが多いで、「なければこれで、終わりたいと思います。貴重な時間をありがとうございました。また何かございましたら、連絡帳や電話でお知らせください。残りの学校生活もよろしくお願いします。」という旨の決めセリフと言い、終了です。おしゃべりな方の場合は、「あ、あとー」と永遠に続く場合があるので、先に終わりの時間を伝わておくととよいです。

以上、エンチャントでした。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?