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おすすめハラスメント:映画編

わたしは映画館にも年に1,2回しか行かないし、そんなに見る方ではないです。そんななかでも、円盤を持っていたり複数回見に行った数少ない作品を2つピックアップしました。

ジーザス・クライスト・スーパースター

イエス・キリストの最後の7日間を描いたロックオペラです。映画じゃない!って言われそうだけど一応映画化もされているので許してください。

JCSはもう曲がオシャレでかっこよすぎる。

『This Jesus Must Die』からの『Hosanna』の流れと、『Superstar』で死んでるくせに生きている頃よりイキイキして歌っているユダがちょっとクレイジーですき。シンプルに曲としても楽しい。
Spotifyで全部聴けるので曲だけでも聴いてください。

ユダのジーザスへの重すぎる想いが、推しが好きすぎたせいでアンチになり果てたおたくみたいで大好きなんです。太宰の『駆け込み訴え』と併せて好きすぎて、このおかげでわたしはキリスト教(というか聖書の物語)がさらに好きになってしまった。わたしは駆け込み訴えやJCS的な解釈が好きなんですが、ユダって実際のところなんでジーザスを裏切ったんでしょうね。

あとただのキリスト教映画ではなくて、現代社会への風刺や皮肉が込められているところも好き。

真夜中乙女戦争

とにかくきれいなんですよ。映像も出てる人も。

最後のシーンなんて綺麗すぎて、わたしの頭の中にはずっと「破壊思想。破壊とは、あわれで、哀れで悲しくて、そうして美しいものだ」と太宰治の一説がぐるぐるしていた。好きな映画の話をしているはずなのに二回も出てくる太宰ってなんなんでしょうか。

ところで、れんくんってなんであんなに儚くてきれいでかわいくて美しいんですか。中学生の時からかわいいし儚さはあったけど、それはそのままにどんどん美しくかっこよくなっててすごい。友達と映画館の帰りに「本当にかっこよく大正解の成長したよね……」としみじみしました。あの美しさをみんな見てほしいし全宇宙が見るべきもの。

でもれんくんとエライザの「絵画なの?美の暴力!」と言いたくなる美しさよりも、真夜中乙女戦争は、話が最高すぎる。こんな世界ゴミでしかないという憎しみに近い虚無と諦めにまみれて、でもどこかで何かを諦めきれない主人公、共感しかできなくて、ほんとうにとっても心にきて映画が終わった後しばらく立ちたくないくらいの余韻で「やっば、これすき……」しか言えなかった。「私が好きな人間は、私なんかを好きにならない」っていう原作にある言葉なんて「それな!」って5億回くらい言いたかった。

死ぬ気で働いて分かったことがある。人間いつかは死ぬ。しかもその日その日がいつになるか分からない。それがこの世で一番最悪なことなんだよ。幾ら広い家を手に入れたってどうせ最後は棺桶だ。タグ・ホイヤーを買ったってスマホで時間分かる。ジョンロブを買っても満たされない。ハリー・ウィンストンやらシャネルなんて女に買ったって自己満足に過ぎない。どんなブランドも所詮、鉄、革、繊維、布だ。筋トレしたって最後は人間、骨になる。上等なものを食べようが最後は下水だ。何のために生きているんだろうなと思う。でも花火だけは綺麗だよね。不思議だ

真夜中乙女戦争 p246,247

わたしは上の台詞がもう本当に大好きというか、わたしが思っていることを文字にしたみたいで「いやほんとそうだよ………」って一番思ったところだったんですけど、これをあの成河さんが言ってるのもキャスティングが完璧で、ため息しか出ない。

結局何をしたところで骨になる上にいつか地球もなくなるんだから、神がいないなら富も名声も功績も全部無駄。そもそも自分以外の人間が自分が思っている形で本当に存在しているのかもわからない。全員水槽の脳かもしれない。だから最終的に信じられるのは「われ思うゆえにわれあり」だけ。それなら自分が一番やりたいことをやるしかないんだ、っていうのがわたしの信条なんですけど、その「われ思うゆえにわれあり」的な部分が「花火だけが綺麗」と通ずるものがある気がして暗唱したいくらい好きな台詞。

とにかくきれいで厭世的で破壊的でだいすきな映画です。見てください。

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