エミリー・ディキンソンの詩
久しぶりにエミリー・ディキンソンの詩集を開いてみました。以前、ブログでも、ここnoteでも触れていたのですが、何度読んでも、どきっとしてしまいます。読むたびに、新しい感動があります。
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生前発表された詩は7作品のみ。
亡くなってから、1775作品と膨大な詩が発見されて、19世紀の奇蹟ともいわれた詩人。
ある程度は裕福な家庭で、家も大きかったようですが、33才から家にこもり、亡くなる56才まで続いたようです。
庭なども広かった様子ですから、それならば何とか納得できるのですが、きっと何かが彼女をそうさせたのでしょう。
1830年生まれで、1886年没。
アメリカの南北戦争が1861年からですから、ちょうど、エミリーが家にこもる頃と重なります、国の中の戦争ということも、繊細な神経のエミリーには耐えられなかったのではと、私は考えますが。
エミリー・ディキンソンの詩については、
ぜーんぜん、さっぱり何を言いたいのか分からない、という人と、すごい!と評価する人に分かれるようです。
私が最初にエミリー・ディキンソンを知ったのは、何かパンフレットか雑誌の切れはしだったはずで、ふと目にした詩でした。
「私は誰でもない人!あなたは誰?」でした。
作者名もなく、英語で書かれていたので、
しばらくは呆然とながめていた記憶があります。その後、アメリカの詩について詳しい先輩に訊ねて、
エミリー・ディキンソンの詩であると知ったのですが。
少しばかり衝撃的な詩だったはずです。
「私は誰でもない人!あなたは誰?」
私は誰でもない人!あなたは誰?
あなたもーーまたーー誰でもない人?
それならわたし達お似合いね?
だまってて! ばれちゃうわーーいいこと!
まっぴらねーー誰かであるーーなんてこと!
ひと騒がせねーー蛙のようにーー
聞き惚れてくれる沼地に向かってーー六月じゅうーー
自分の名前を唱えるなんて!
この詩集には50作の詩が載っていますが、
自然を題材にしたもの、蜘蛛などの生物を題材にしたもの、また、恋心かなと思われるような作品もあります。
家にこもるのが33才ですから、恋はあったのでは、または、女性ですから恋に憧れていたのではとも思われます。
ひとつひとつじっくり味わってみると、決して暗い詩ではないのですね。心は広く家から外に、まるで夢心地です。
今、この世界にエミリー・ディキンソンが生きていたとしたら、外部と接触せずに家にこもっていたとしても、パソコンなりスマホなりで世界へ向けて、発信していたのではと思うのですが。
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この詩集の中で、私が好きな詩は、
「心にはたくさんのドアがあります」という作品です。
心にはたくさんのドアがあります--
わたしにできるのはノックだけ
「お入り」とやさしくいってもらえないかと
懸命に耳をすませて--
拒絶にあっても悲しみはいたしません
わたしには糧なのです
どこかに至高の方のいらっしゃることが