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伝える難しさ

   昨年末より、約12万字ほどの文書を、誰もが理解しやすくするために、半分ほどの文書にまとめ直す作業に没頭していました。

専門用語が多いので、社内外の数人の専門家に協力頂いての作業になり。
その際に気付いたのは、伝えることの難しさでした。


説得力とは、多少ともニュアンスが違ってくるのだと実感させられました。

会って話して説明する分には、伝わるようであっても、文書だけとなると理解しがたいという意見も多かったのです。

文章力があるかないかと、説得力があるかないかとは違う。専門性が強くなればなるほどに、伝える難しさは増すように感じました。


年末ギリギリに、約65000字にまとめて、なんとかオーケーが出て肩の荷が下りたのですが。


年末年始の休暇に入り、いつもであれば客にあふれる我が家も、新型ウィルス騒ぎから、ここ数年は静かなお正月となっていまして。

約2ヵ月間、夜お風呂からあがると自室で机に向かっていた癖のようなものがついたのか、何かしようかなと気分としてなったように思います。


姉と一緒にエステに行って、肩が石のようですと解されると、気持ちよくなりすっかり寝入ってしまう呑気ものの私ですが。帰宅してから、ああそうだわ、こんどは逆をやってみよう!と思い立つ始末。

伝わらない、通じない、思いとはまるで逆に受け取られる。

ビジネス文書であれば、伝わらない、本意と逆に受け取られたならば、これは問題であるのでしょうが、創作であれば、それは許される。

あちこちバラバラにかき散らしていた、掌編を、1つにまとめてみようかと考えたのですが。

これがまたなかなか大変な作業。
主人公や主な登場人物の名前に限らず、キャラクターそのものを変更し、物語の中でのドキュメントを細かく変更し。
多少とも、ふくらませて。


30近いバラバラの掌編を、
約10万字の作品に集約。

元旦から、自分の文章に向き合いつつ平行して読んでいたのは、「ルイス・キャロルの図像学」。

2000年発行ですので、20年以上前のものですが、アリスファンとしては、非常に意義ある作品で、数回読み返しています。

不思議の国のアリスは、沢山の作品があり、女の子は1度は読んだことがある作品。


論理的であること。
伝えるには、論理的であること。

ルイス・キャロルは論理的であったのです。

バラバラに書き散らしてあった自分の掌編を1つにまとめる作業には、上記の螺旋図を頭におくと、すらすらと進められたようにおもいます。

推敲して削って文書をスリム化する作業と、推敲して削り、訂正しふくらませつつ、1つの長編小説とする作業は、逆のようで、根底は同じだったのかなと、

2つの作業を終えてみて、感じています。


「抜群の説得力」・これは私への評価には必ずつく言葉でして、
自分は伝える能力があると自負していたように思いますが、錯覚していたことに気付かされました。


説得力はあっても、伝える能力には欠けていた!


4日前より、大雪になって、除排雪で疲労困憊している北海道ですが、まだまだ遠い春を待ちながら、

今年は、一年終えた時に、充実した年だったと思えるように、時間を大切に暮らしていきたいと考えています。