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近衛兵みたいと思っていた君へ。
私はこれまでのことを思って、あまりにもたくさんの、素敵な人に出会ってきたのだと気付きました。
だから、他に書くことがない日は、そんなみんなへのファンレターを、ここに書きたいと思います。
*
君は、中学3年生のとき同じクラスだっただけで、私のことをどう思っていたかもわかりません。
私があのとき、いちばん大好きだった人の、その隣に、君はあの一年間ずっといました。
君の素敵なところ
君はいつも人に公平です。明るくて、優しくて賢明な君は、そう望めばきっとクラスの中心にいました。
私は君が、あまり大人数に混ざろうとせず自分の世界を築き上げていた、絵本の王様のようだったあの子の側にずっといた訳を知らないけど、
でも、クラスの中心人物というだけですこし萎縮してしまいがちの私は、それだけで素敵な人だ、というふうに思えました。
絵本の世界の近衛兵なんだと、私は思っていました。
君の好きなところ
君の好きなところはたくさんあります。
どうしても、私がオタクになってから出会った良すぎるものだから、オタクじみた話になってしまうけれど。
君の、足首が好きでした。
テニス部で、短い靴下で、その細くて、それでいて健康的な足首が好きでした。
君がたまに眼鏡を掛けるのが好きでした。
白くて、たぶん日焼けは赤くなるタイプだと思うけど、その肌に黒縁がよく似合う。
理知的な瞳が、レンズ越しにきらきら光るのが好きでした。
君がモテるみたいな話は聞いたことがなかったけど、きっと複数人に好かれていたんだと思います。
あのとき私は君が学年一のイケメンだと思っていました。今もわりと、アルバムを見返していて、そう思う。
さいごに
君が今も眼鏡を掛けることがあるのか、とか、日陰にいる子のそばにずっとついてるのか、とか、テニスを続けているのか、とか、私は何も知らない。
私立高校に進学したらしい、くらいしか、進路についても知らない。
でも君はきっと、私が素敵だと思った君のままでいると思います。
私は人とお話しするのが極端に苦手だったから、君は私について、ものすごいオタクだということくらいしか知らないと思うんだけど。
また会うことができたら、あのとき素敵だなと思っていたよ、って伝えたいなと思っています。
P.S.
君の腕時計の反射光が私の目に入ったとき、遠くからそれに気づいて、ジェスチャーで謝っていたときの悪戯っぽい笑い顔。
一生忘れない。
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