私が蝶々なら君は水だから溺れる。

蝶々は泳げないんだよ。

君、ここに居るのにいないような感覚にさせてくれるからホントは超好き。ジトっとした首元で1番近いのに1番遠くて触れられない輪郭をなぞる時、生ぬるい風が少し冷たくなった足先に広がる宇宙を、また1つ2つと壊していく。私はそれを作り上げては破壊するんだよ。何度も何度も。
悲しそうな顔をしたら抱きしめ合えるから君も私もズルかったね。ちゃんと分かってる、何も言わないから何も言わないでいてね。エアコンの音だけが生きている部屋で君とダメになりたい夏。音を浮遊して共鳴する海で君と宝石を流したい夏。素敵でしょ?
点滅する信号機に急かされて走り出す瞬間を楽しめるくらいでいたい。それでもウケるねって笑いながら泣いているあの子を抱きしめたかっただけ。君の心の奥を捕まえては速くなる鼓動に気付かないふりをして、黒い心臓を飲み込んでいる。君に幸せに堕ちて欲しい私は、また私を演じて鏡を覗き込んだら知らない誰かに笑われちゃったから悔しい。その瞬間だけに生まれる感情に名前がなくてよかった。当たり前に狂ってる頭が私と君を繋ぐ唯一だから、本当より少し大きい愛で君を見ていたら赤に滲む青が生きている実感になる。正解なんか教えてあげない。
はやく空が飛べるようになればこのぐちゃぐちゃもキラキラって輝くのに!そしたら君のこと連れて太陽まで近付いて、眩しそうに嫌がる君を見てちゃんと君のこと知っていたんだって安心するから。

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