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ワンマン経営の欠陥とは?

日本の中小企業の大多数は、ワンマン経営によって成り立っているのではないでしょうか。それはもちろんワンマン経営ならではの良さがあるからです。
特に、創業期においては、意思決定のスピードが直接業績に反映されるため、社長が一人で意思決定をして、組織を統率した方が理に適っているとも言えます。
また、ワンマン経営の会社では、従業員の中に「社長から悪い評価を受けたらクビにされる」といった強い緊張感が生まれるため、それが仕事の正確さや生産性に繋がるという利点もあります。
このように、ワンマン経営ならではの利点がある一方で、ワンマン経営には重大な欠陥も幾つか潜んでいます。
 
欠陥その1.後継者が育ちにくい
 
社長がたった一人で全ての経営判断をする会社においては、経営視点を持った幹部社員は育ちにくくなります。幹部社員であっても、ただ社長の指示命令に従うだけの忠実な部下になりますし、ごくたまに自分なりの意見を具申したとしても、社長から却下されてしまうことが多いため、「余計なことは考えない方がいい」という思考停止パターンに陥ってしまうのです。そんな環境からは、次代を担う有能な後継者は育ちません。
 
欠陥その2.従業員に主体性が生まれない
 
ワンマン経営の会社においては、軍隊組織のように上意下達の指揮命令系統が確立されるため、「指示された通りに仕事をこなすだけ」「上司命令には逆らえない」といった風土ができあがり、自分の頭で考え、積極的に提案し行動するといった主体性は、極めて生まれにくくなります。受け身の従業員ばかりの会社は、その成長に限界があります。
 
欠陥その3.新規事業やイノベーションが生まれにくい
 
組織が大きくなるにつれて課題も山積してきます。いくら優秀な社長であったとしても、たった一人ですべての問題解決をすることなどできません。また、目の前の問題に忙殺されてしまうと、新規事業の創造やイノベーションなど、社長本来の仕事に時間を割けなくなってしまいます。未来を創造するリーダーがいなくなった会社には、未来はありません。
 
欠陥その4.経営判断にミスが生まれやすい
 
ワンマン経営の会社では、ほとんどの従業員が社長に対してYESマンになってしまうため、社長の経営判断に対して健全な批判をしてくれる存在がいなくなってしまいます。社長がいかに優秀であっても、常に正しい経営判断をできるというわけではありません。客観的な視点から「NO」と言ってくれる従業員がいなくなることは、非常に危険な状態だと言えます
 
このように、ワンマン経営には、利点と同時に幾つもの重大な欠陥が潜んでいます。まずはその点を冷静に認識することが、永続性のある会社を作る第一歩なのではないでしょうか。

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