ストレス緩和行動の話(エニア話ではないです)

エニアでは無いけども、精神周りの話ということで書いています。

以下の記事を見ると、私のことを書いているかのようです。

小田嶋:どなたかが書いていてなるほどと納得したんですが、「自分がうつになったときに『テトリス』だけはできた」というんですよ。生産的なことは仕事も家事も何もできなくなっていたときに、「テトリス」だけできたと。
(略)
「ソリティア」や「マインスイーパ」を2時間でも3時間でもやっている人は、それに似た状況に入っているんじゃないですかね。
Y:そうか。やりたくない仕事、解決できそうもない不安に対して、直面して考えるのが嫌だから、自分のプロセッサーの処理能力をそっちに食わせちゃえ、みたいな。

あの人の酒席に付き合うかどうかの判断基準
元アル中と下戸が語る、酒と依存とお仕事と【後】
(2018/03/30 山中浩之 日経ビジネスオンライン)
』 より

鬱だとは思わないけども、こんな症状を何と呼ぶのでしょうか?
私自身が、こんな感じなのですが、
自分の処理能力を、あえて無駄に消費させる行動のことを。

『冗費行動』とか『空費行動』とでも、名付けましょうか。

冗(じょう)には、“不必要”とか“むだ”という意味があるそうです。

「直面して考えるのが嫌だから、自分のプロセッサーの処理能力をそっちに食わせちゃえ」
「『ソリティア』や『マインスイーパ』を2時間でも3時間でもやっている人 」

「テスト勉強の前になると、片付けをする」行動もこれに似たものなのかも知れません。

何かをしなくてはいけないことは決まっていて、事態には直面していて、本来ならそこにリソースを使わなくてはならないのだけど、その何かをすることはストレスで、
だから、別の何かでリソースを消費する必要が出てくる。

リソースは、資源・資産の意味。ここでは処理能力という資源を指しています。
より丁寧な説明は以下のリンクから
https://kuguru.jp/7954#i


この行為は、
「ストレスになりそうなとき、別の何かを行なうことにより、そのストレスを(積極的に)緩和する」
行為だともとれて、

それは、少し前に話題になった「PTSDをテトリスで食い止める」という話とも、なんだか関連しているような気もします。


話は一応終わりですが、
ここからは、「PTSDをテトリスで食い止める」話の説明をします。

まず用語の説明

PTSD
Post Traumatic Stress Disorder :心的外傷後ストレス障害
PTSDは、とても怖い思いをした記憶がこころの傷となり、 そのことが何度も思い出されて、恐怖を感じ続ける病気です。

PTSDでよく見られる症状には次のようなものがあります。
・突然、つらい記憶がよみがえる
・常に神経が張りつめている
・記憶を呼び起こす状況や場面を避ける

http://www.mhlw.go.jp/kokoro/know/disease_ptsd.html
テトリス
落ち物パズルゲーム


「PTSDをテトリスで食い止める」という話の詳細(部分)

交通事故にあった71人の患者を被験者として、半分には事故から6時間以内にテトリスをプレイしてもらうという実験を行っています。実際にテトリスをプレイしてもらった後、1週間の追跡調査が行われ、その間交通事故に関する記憶のフラッシュバックがあるかどうかが調べられました。その結果、テトリスをプレイした被験者はプレイしていないグループと比べて1週間で事故のことを思い出す回数が平均62%も少なくなったことが明らかになっています。ホームズ教授によれば「テトリスをプレイしたグループのフラッシュバックは、2日後にはほとんどゼロまで下がっていた」とのこと。
「テトリスをプレイするには想像力と洞察力が必要です。脳は同時に2つのことを行うことができないため、(PTSDの形成が)中断されることとなります」
https://gigazine.net/news/20170330-playing-tetris-reduce-ptsd/

交通事故にあった後に、あえてテトリスをすることにより、恐怖を記憶に刻み込むためのプロセッサーの処理能力を無駄に消耗させているというわけです。

そういえば、猫も「叱られると毛づくろいを始める」という話がありますよね。
あれも、現実に直面したくなくって、『冗費行動』を起こして、プロセッサーの処理能力を無駄に消耗させて、ストレスを感じなくさせているのかも知れませんね。

2018/04/01追記
ストレスがかかり始めたら、積極的に『冗費行動』を取るのは「あり」なのではないでしょうか?
そうしたほうが、後々トラウマになることが無さそうです。
まあ、怒られている最中に『冗費行動(ゲームをし始める、何かをいじって人の話を聞いていない、など)』を取ったら、不真面目に見られる可能性は高くなるのですが・・。

2018/05/13追記
追記1.
山口達也と非生産 2018.05.07 by 田房永子』にあった、この記述も同じ『冗費行動』なのでは?

息子の看病以外は何も手が着かず、だけどその現実をずっと直視していると頭がおかしくなりそうなので、スマホのパズルゲームをすることにした。私はゲームには一切興味が無くしないのだが、唯一、つわりの時期と流産の手術を待っている時間だけパズルゲームをしていた。私にとってゲームは「しんどくて何もできないが時間の経過を感じるのもつらい」というストレスフルな時にやる癒やしのアイテム、ということになっている。人によって、ゲームという存在の持つ意味は違うと思うが、私にとっては「非生産で非合理なもの」である。何も生産できない、生活が前に進まないというストレスを感じた時にゲームをすると、脳が癒やされる感じがあり、「ここ(地球)にいてもいい」と思えるのである。

追記2.
311の福島の災害が起こった後、「補償金をもらった人が、そのお金を持ってパチンコに行き、無駄にお金を浪費している」という問題があったことを思い出しました。
あの頃は、スマホが今ほど普及していなかったので、ストレスをごまかす『冗費行動』としてパチンコという「非生産で非合理なもの」にお金を使っていたのかも知れません。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?