【詩】蝉葬送

 公園の大きな木の根元に、蝉の亡骸がたくさん集められている。

 いくつある?いち、に、さん、・・・、じゅう、・・・、いや数えるの大変なくらい。体が崩れて、羽根も破けて、一匹と数えてよいのか分からないのもいる。

 誰だこんなことをしたのだろう。見知らぬ幼子がふざけて遊んで集めたのか。玩具のように。いたずらか。少し不謹慎ではないか。

 いや、違うかもしれない。その幼子なりの思いがあって、死んで公園のあちらこちらに転がっていた蝉の亡骸を集めたのかもしれない。寂しくないように。一緒に天国に行けるように。

 木の根元がお墓のようにも見えてくる。このまま風にさらされて、時間をかけて亡骸は土に還る。雨も降るかもしれない。蟻もたくさんいる。蟻の巣に運ばれるのかもしれない。

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