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顎の骨が砕けるかもしれない

皆さん、労働は好きだろうか。Yesの方は、あなたには稀有な才能があるのでぜひその才能を捨てないで欲しい。なぜなら、勝手な統計上この世の290%の人間は【労働は悪】、【働かずして金が欲しい】と思っているからだ。Noの方は、いつか一緒に酒でもコーラでもピルクルでもなんでもいいので、乾杯しよう。労働なんて百害あって一利なし、まず第一に健康に悪い。

なぜ健康に悪いかというと、労働のせいで私の顎の骨が砕けそうだからである。別に職場の人間から頻繁にアッパーや右ストレートを顎に叩き込まれているとかそういうわけではない。

舌で歯を触った時に「お前の奥歯、穴、あいてない?」といつしかのふかわりょうさんみたいになったことがある方もいるのではないだろうか。私も先日右下、左下の両方の奥歯がどう考えても、ふかわりょうさん案件だったので虫歯か詰め物がとれたんだろうと思い近所の歯医者に行って来た。結論からいうと虫歯でも詰め物がとれたのでもなかった。優しげな歯医者のおじさんは悲しそうに「寝てるときに食いしばりすぎて、上の歯が下の歯にささって穴があいたようになっている。ストレスがある人に多いけど何か辛いことはあるのか」と聞いてきた。思い当たることしかなかったのだが「そうですね…、ストレスか…、あるかもしれませんね」と一応濁しておいた。ここは歯医者でそういうクリニックではないからだ。

さらに一応念のため虫歯でないかどうかの確認のためレントゲンを撮ってもらった。レントゲンの結果をみたところ、どうやら私の顎の骨は上下ともに大変もろいらしく、食いしばり続けた結果、下顎がちょっとヤバいとのことだった。歯槽膿漏や、歯肉炎とかではなく歯茎よりも先に顎が崩壊して歯が抜けるかもしれないという。実は私は幼少期からあまり固い食べ物を食べてこず、三十路を超えた今でも主食は豆腐なので顎の筋肉を使用する機会がほとんどないのだ。たまにキャベ千(キャベツの千切り)を食べた翌日は必ず顔面が筋肉痛になるくらい、顔の筋肉および顎を使用していない。歯医者さんいわく、このガラスの顎が連日の激しい食いしばりにより危機に晒されているという話だった。

さらに悲劇的展開は続き、右上の奥に親知らずが根をはっているのだが、コイツのせいで上顎の骨が奥歯をしっかりと支えることができておらず、それが耐震強度がアネハ物件ほどの顎になっている一因でもあるとのことだった。「それなら顔が腫れるとかどうでもいいので抜いてはくれんだろうか」と打診してみたが、「写真を見る限り完全に埋まりきっている。もしかしたら鼻の骨と繋がっている可能性もあるので、口腔外科でCTをきちんと撮ってから抜いたほうがいい。ウチでは無理だ」との回答だった。

紹介していただいた口腔外科はちょっと遠いので面倒なことになったな、と思っていると「なるべく早くした方がいい」と畳み掛けられたので、とりあえず早急に口腔外科の予約をとりますと嘘をついて帰って来た。そもそもが、私の顎がガラス細工のごとく脆いのが問題なのだが、上の歯が下の歯に食い込むほどのストレスの原因など一択。労働だ。なぜかというとそれ以外にストレスを感じることなど何もしていないからである。

これが先月の話で、今現在全く口腔外科の予約もとっていないし、めんどくさいから鼻の骨と繋がっているとかどうでもいいので同じ歯医者で抜いてくれないかと思っている。

もし、親知らずをこれから抜く予定がある方がいたら先にお伝えしておくと親知らず歯抜いている間は全く痛く無い。過去2度ほど親知らずを抜いている最中に口内を鏡で見せてもらったことがあるのだが、歯を抜くって大変なんだなぁと思ったが痛みはなかった、安心して良い。ただ、ウシジマくんのキャラしか使わなさそうなでっかい木槌とペンチが出て来たりするし、でっかいペンチで健康な歯(親知らず)をひっこぬいている歯医者の姿はその手の拷問のプロっぽいので怖がりな方は術中の口内を観察したりしない方がよい。

どうでも良いと思うが、今日も今日とて私の顎は崩壊と存続の激しいデッドヒートを繰り広げている。これは紛れもなく労働のせいなのだが、実は5月から無職が確定しているのでもうしばらく耐えれば勝ちなのだ。ただ、そうなると顎どころか生活が崩壊する可能性が出て来ているため、現在はどっちに転んでも地獄という状態である。仕事なんてものはあっても地獄だし、なくても地獄なのだ。皆さんも顎を大切にしてほしい。

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