ペルソナ5ロイヤルのゲームの感想

はじめに

 ペルソナ5ロイヤルをSteamで購入して、2周、そいでもって、アニメ版もあったなぁと思って、アマプラで一気見した感想です。面白くもあり、感慨深くもあり、現代RPGとしてはすごくよくできていて、それゆえにアニメの何とも言えない、体感の違いがありました。

 もちろん、ネタバレも含みます。

面白かったかどうかというと

 まぁ、面白くなかったら、ゲーム2周+アニメ一気見なんてしてません。ということで、個人的に現代を舞台にしたRPGとしては、完成度の高さは圧倒的ですね。

 ペルソナシリーズは、4とこの5のみ遊んでて、少し3を知っています。

 ペルソナ3は銃が印象的でした。メガネで田舎が印象的な4から、そういう点で5は3へも目くばせしつつ、完成度高く仕上がってきましたね。

 4で田舎が舞台となりつつも、街が歩けるように進化し、5では都会にもどってさらに発展しました。街での生活というのを感じながら、非日常をめぐり、戦う相手がどんどんと巨悪になっていき、そして4ではやや唐突だった神への挑戦もかなり順序だてされたように思います。

 そうした物語を何度も楽しませてくれるのは、何周も繰り返してペルソナを強化していける要素につきますね。自分なりの最強のペルソナを考えて試行錯誤しながらぐるぐると何週もしていけて、沼だなぁと感じました。

 次の周でもペルソナ辞典に強化・カスタムした状態で登録して呼び出せるので、ちょっとずつ全体の傾向を見て、攻略しやすいようにカスタムしていくこともできます。

 とはいえ、5ロイヤルはネオ・カデンツァによる味方全体への回復とフルバフが、わりと強く、それでいて、入手も容易なので、気づいてしまえばついつい頼ってしまいますね。

 ノーマルで遊んだのでわりとライトに楽しみつつ、サクッっとそれっぽくかっこよく戦った感を体感させてくれた気がします。

 一つ微妙なのは、RPGあるあるの道中のパズル要素です。これは頭を使う部分が全く違うのが出てくるうえに、唐突で、スタイリッシュにカッコよくとは相反する気がしますし、面白いパズル要素かと言われると、敵と戦いながらのマルチタスクでパズルに集中できないので、微妙な感じがしました。

 RPGは道中の仕掛けや謎解きはあるあるなんですが、ちょうどよいモノとそうでないもの、人それぞれ感じ方は違うのでしょうが、僕もゲームを作っているので、ちょうどよさって何なんだろうと思ったりします。

 そういうのを排すれば、ただの一本道だったり、単調な迷路になってしまうので、どうしたもんなんだろうなと。

 というわけで、ゲームとして、大満足しつつ、それゆえに、個人でやっているゲーム制作が少しおろそかになってしまいました。

 ひさしぶりに、ゲームに熱中したような気がします。

僕はどう予想し、騙され、楽しんだのか

 ロイヤルから、情報はほとんどなく、少しペルソナ5のアニメを数話見て忘れたころに遊んだので、いろいろ予想は当たりつつも外れて一喜一憂しながら楽しめました。

 完全にやられたのはアケチですね。「射殺せ」のセリフから、それ裏切り者のセリフだよって、ジャンプ漫画のブリーチを知っていたのでよぎりつつも、気のせいだろうとスルーしてしまいました。

 というのも、マルキが怪しすぎです。会話の中で痛みなんて最初から感じない方がいい、というのがあり、あ、これやばいやつだ、と感じてたら、双葉とマルキのやりとりで、察しの良さ感がさらに怪しさに拍車がかかってました。

 後でロイヤルの新キャラだと知ったときには、アケチに騙された後の2周目で攻略サイトみてからです。

 で、やっぱり最終の黒幕マルキだったのは、サイトでは見ずに分岐情報だけみて、ゲームで知って驚きとともに、やっぱ胡散臭いと思った通りだったのが的中していて楽しかったです。

 とはいえ、アケチには完全に騙されてました。そのうえで、マルキがオールバックでラスボス登場ですから、やっぱりブリーチじゃないか、って心の中で叫んでました。メガネでくせっけのキャラがボスとしてオールバックですからね。

 だいぶ戻ると、世界観が徐々に大きくなりつつ、政治家がコープにあること、政治ネタが若干出てくることから敵が政治家っぽいのはなんとなく、ファンタジーRPGだったら、いわゆる国王との対峙という雰囲気ですよ。

 とはいえ、よくある展開のRPGって、ラスボス倒した後のラストダンジョンが特別に無限の塔みたいなのがでて遊べる感じが多いのに、メメントスというそれらしきものが最初から登場しています。それも、モルガナという主要キャラクターをからめて。

 というわけで、メメントスの攻略も物語に絡んでるんだろうか、と思ってたら、政治家では結局終わらずとなって、なるほど、と納得していました。

 とはいえ、まさかベルベットルームの主が偽物で、4でお世話になったあの声に合わせた本物が出てくる展開には、これまでのシリーズを遊んでいた人にとってのご褒美として、本当にうまく作られてるなぁと感激していました。あの声を聴いたとき、まさに、あ、偽物だったのかと納得させられる確かな理由が、分る人にはわかる。

 あと、今回は4と異なるのか、ロイヤルだったからか、重要な分岐はサポートが付いてましたね。

3学期編

 実は1週目では3学期編は行けませんでした。マルキを疑いすぎて、コープ上げず、完全に分岐の失敗はそこだけで、ヴァイオレットとアケチは上げてたんですけどね。

 ただ、結末が違うので、2周目でのルートでよかったと思います。

 また、テーマも面白いですね。「全てがハッピーエンドの夢の世界」か、それとも「個々がイタミを乗り越えてもがく世界」か。そして、前者はよくよく考えると1人の生贄が必要であるというもの。

 そういう1人の生贄、願いによって、世界が平和でありますようにというのは、神道の日本らしいテーマですね。一生を神道の願う長としてささげるありかたを良しとするかどうかというのは、わりと日本の根幹に対する懐疑だよなぁと思ったりします。

 夢の世界、夢の競演という点なら、これはファンサービスな位置づけだなとも感じていました。そう、まさに夢や忘却、よくある完結した物語に少し足されるちょっとした夢ですね。

 なんとなく、アケチとやっぱり共闘したかった、という願いが入っているんだろうなぁという雰囲気は察することができたので、なんとなく読めた反面、最後の最後にアケチのチラ見せはズルい終わり方です。

 テンポとしては3学期編があると、どうしても悪神を倒した爽快感が薄れますし、寂しさが残るので、本筋という感じがしませんでした。1週目はそのまま3学期編を知らずにプレイするのが正解で、既に遊んだことのある人のための見てみたい物語を整合性をとりつつ、その寂しさを残した終わり方になっている気がします。

アニメの不満点

 映像化としては、原作に忠実でうまく落とし込まれていて、しっかりネタバレしないように特番として分離されてるのがなによりよかったです。

 そういう反面、ゲームと近い体感ができるものか、バトルの強さの理由付けは、とりこぼしているというか、あきらめているように感じました。

 ゲームを遊んで体感することは、コツコツ頑張って攻略することや、あ、選択肢ミスったかも!?と焦ったりさせらられたことです。そういったものは、アニメではどうやったって体感させられません。

 また、バトルの強さの理由付けは、忠実に再現したがゆえに、雰囲気で盛り上げるといった感じになっていて、ロジカルな要素はありません。バトルマンガ好きなので、どうしてもこの辺は気になってしまいます。

 どうしてこの敵にはこれだけ強く、それでいて主人公たちはどうして勝てるのか、また、苦戦するのか、激戦となるのか、圧勝するのか、この辺はコツコツキャラクターを成長させるRPGというゲームが元であるがゆえに、アニメでは表現しようがないんだろうなと。

 例えば、ダイの大冒険なら、アバンストラッシュのさらに上の技としての魔法との組み合わせのギガストラッシュや、アバンストラッシュ自体の応用であるクロス、そしてダイの強さの根源である竜の紋章が2つだったり融合したりと、バトルとしての発展がありましたし、敵も同様です。

 少し視点を変えるなら、二股をかけるかどうか、そんなところで悩めるのがゲームの良さでもあります。そういう葛藤や、そしてかけてしまった後の背徳感もありません。

 ただ、ペルソナ5を確かにアニメ化したらこうなるだろう、十分だろうとも思ったりしています。

好きなキャラクターについて

 僕としては、祐介と双葉この二人ですね。声のせいもあるかもしれませんがどちらも個性的でイイ。アニメではこの二人のやりとりがカットされているのが悔やまれます。

 双葉はメガネっ子で天才でハッカーで隠者で妹属性ですからね、うん、本当にいいキャラだ。

 そうそう、後で実はメガネっ子でしたー展開もあるすみれもいいですね。本当によくできています。最初からメガネっ子と、実はメガネっ子、両方用意されているなんて。

さいごに

 たまにはゲームで熱中したいなぁと思って手に取った作品で大当たりでした。どうも、最近は、懐かしのーリメイクだったり、やや自分に合わないものにチャレンジしがちで遊びきれないことが多かったので、夢中になれてていいですね。noteも書いてしまっていますし。

 個人でゲームを作ってもいるので、こういう配慮しとかないとダメなんだなぁとか、さすがにこんなゴージャスにはできないよなとか、物語を煮詰める技術は僕にはないなぁとか、戦闘中に会話イベントってやっぱりあった方がいいよなぁとかいろいろ違う面でも感じさせられました。

 ゲームシステムと物語や世界観のつながりがしっかりあって、看守の双子の合体が非常に印象的でした。

 そしてイゴールの声、あの安心感は本当にずるい。

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