Unity事変?


はじめに

 Unityが混乱してるので、2023/09/19時点での僕なりの感想とか見解をまとめておこうと思います

 現状としては、Unityは、ライセンスの変更を告知後、強い反発を受けて改める方向で社内協議中であるという情報が出ました。

概略

 Unityの開発会社自体の経営面で、何かしら手をうつ必要があった、というのは違和感はないです。

 致命的なのは、「さかのぼって計算した支払い」、「どう計算するのか不透明なインストール数を基準とする」、「古いUnityのバージョンでも、新しいライセンスを適応」という3つが悪い印象を掛け合わせてしまった気がします。

 とくに、後ろ2つは印象が悪いですね。

 「どう計算するのか不透明なインストール数を基準とする」は、いってしまえば、ライセンス自体がいい加減なもの、ちゃんと考えられていないものであることを表しています。つまり「Unityの開発のトップはいい加減な組織だ」と喧伝してしまっているわけです。これは、値上げの印象以上に、悪いです。舵取りするところが信用ならないわけです。

 「古いUnityのバージョンでも、新しいライセンスを適応」は、以前までは古いバージョンは、古いライセンスで使えましたが、それがひそかに撤回されています。つまり、無理やりユーザーに新ライセンスを使わせつつ、事前の変更告知をしていないことに、悪意を感じてしまってもしかたないですよね。

 また、インストール数基準となったことで、一定からの費用が激増するわけですが、現在の記事をみていると、利益に基づいた上限を設定する話がでているそうです。

 僕としては、ビジネス的に値上げ自体は仕方がない気もします。反面、ユーザーに対する不誠実さ、ちゃんとしたライセンスを設定できない頭のわるさも感じます。

僕について

 僕自身はHSP、Dxライブラリ、C#+OpenTK、Unity、Akashic Engine、Golang+OpenGL(go-gl)、などなど、わりといろいろ変遷してますね。

 ちゃんとミニゲームでも作れるなという実感ができはじめたのがボイゲジャムあたりからで、それの第一作は C#+OpenTK でした。UnityでのWebビルドが遊んでもらいやすそうだなぁという印象と、その当時はまだニコニコでWebビルド版がアップロードできるアツマールがあったので、少しずつUnityでミニゲームを作っていました。

 とはいえ、大きなゲーム作ろうとしたときに迷いました。今、早期アクセスでSteamで販売している「アザリスの迷宮」は Golang+OpenGL です。というのも、1年~3年くらいの中規模であればまだいいのですが、もう少しロングスパンで考えてしまっていたので、環境面での右往左往はなるべく減らしたかったというのがありました。残念なことに、それは少し当たってしまいました。

 どの環境を使うにしても、そういったリスクはあるし、無くなったゲームエンジンも数多く見てきました。

 古くさかのぼれば、デザエモンというシューティングゲームツクールや、古いRPGツクールも触って遊んでいたこともあります。そうしたものが果たして遊び続けられる状況にあるかというと、そんなことはありません。

 昔SRPGが作れるというフリーのエンジンがありました。VB6で動いてたものです。そうしたものが、古くなって、動かなくなっていく、また、開発者さんも別の方向に去られるというのも見てきました。

 Flashもそうですね、作ることはありませんでしたが。なので、ずっと続いていくものの方がごくまれである、という考えを僕は1つもってます。

次は何がおすすめ?

 ま、よくこんな話も上がりますね。UE5だったりGodotだったり。

 たぶん、この話をするのはまだ早いかなぁと思うし、それと、もしするにしても、次に盛り上がるべきゲームエンジンはきっとたくさんの本が販売されます。

 盛り上がれば、それらの情報は本にもなり、ネット上にもあふれるでしょうから「大変な思いをしたくないぜ」という人は、様子見をしてもいいと思います。

 僕は、突っ走るタイプなので、Godotで遊んでます。

 Godotは日本語の本は1冊くらいで、かなり入門者用で個人的にはおいしくなさそうでした。また、バージョン3とバージョン4で格差があり、ChatGPTは情報が錯綜しているのが現状です。

 あと、何がおすすめかは目的にもよります。就活やプロ向けの方向で考えているのか、作りたいゲームはリッチな3Dなのか、個人の趣味の範囲なのか。ここらへんさっぱり抜いて「これだ!」と断定するのは疑問です。また、Unityも現状どうなるか決まっていませんし。

 統合環境でなければ、HSP、PixiJS、Siv3D、Ebitengin、Dxライブラリなど、選択肢はいろいろあります。

 もちろん、それらがUnity級の描画力や各種性能はないとは思うのですが、目的によっては、十分だったりします。

 EbitenginはGo言語のゲームモジュールですね。2Dに限定ですが、比較的新しい言語というのが独特です。

 HSPは、古くからあるBasic言語をもとにした手軽に実行ファイルのあるゲームが作れるプログラミング言語です。3Dも使えることと長期的に保守・発展されている実績が特徴です。

 UE5もインストールしてみたんですが、C++に抵抗感があり、少しだけってなってます。平面の透過スプライトもきれいに影が表示されるので、奇麗にやりたいなら向いているでしょうが、Unity以上に敷居は高いきがします。

世代ギャップ?

 世代のギャップみたいなのが少しある気がしてます。長年ゲームを作ってきた人にとっては「それでもUnityあってどれだけ助かってるか」「時代によって環境は変わるなんて当然じゃ」みたいな意見もあるかと。

 1つは、ゲームをDirectXやら低レイヤーから組んだり、統合開発環境まで作るたいへんさを知っていたりすると、視点が変わるんでしょうね。また、ゲームの統合開発環境の先駆けになってくれたUnityに対して、思うところがあるのでしょう。

 1つは、VB6、Flashしかり、コンシューマーやらPC、スマホといろいろ変遷を見てきた人たちからすると「ま、終わらないものはない」で、だからこそ、乗り換えについては騒ぐほどでもない、という意見です。

 反対に、ここ数年で流行ってきたインディーズゲームや、個人の趣味や就職にむけての勉強から入ってきた人にとってはイメージが変わってきます。

 というのも「あって当然のインフラ」という信頼がありましたし、その技術は証明書にもなったわけです。それが、崩れるのは非常に困ります。

 これから学んでいこうという人たちにとっては、その学び先が分かりませんとなるのは非常に厄介です。

移行は簡単なのか?

 別のゲームエンジンや開発言語のモジュールにうつるのは簡単かというと、わりと難しいものです。

 音楽で例えるなら、ピアノを習っていたとしましょう。そこからトランペットに切り替えるのはなかなか大変ではないでしょうか。

 楽譜は読めるし、音感もついている、リズム感もある、けれど思ったように音が出せない、そんなもどかしさが最初ずっとついてまわります。

 ゲーム制作でもそうでしょう。「Unityだったらこうやったらできるなー」が「いったん調べて、悪戦苦闘してできるかどうかが分かる」の連続です。なまじ、開発したことのある人には、ゴールが見えているだけしんどいかもしれません。

 とはいえ、どれを選んでも0からというわけでもありません。楽譜が読めるように、ゴールがイメージできるように、活かせる技術もとっかかりはあります。そんな感じです。

 UnityとGodotで比較するなら、なんとなくヒエラルキーとノードの構造は似ていますし、インスペクター周りも近いです。シーン移っても残したい情報はどうしたらいいかなー、なんて課題はUnityで経験済みだったら、0からより習得しやすいです。

 似たような話としてはイラストレーターさんの左手デバイス事情みたいなのがあります。昔G13という左手デバイスがありましたが、無くなっちゃいました。感覚的に操作できるまで慣れちゃってた人には困りものですね。

今後

 Unityのライセンスが、透明性のある、ほどほどのものになるとしても、今回の衝撃というのは収まらないと思います。

 今、この渦中にある、困惑や問題に直面している人々にとってはマイナスの印象が色濃いと思います。

 ですが、長い年月が経ってふりかえってみると、これをきっかけに新しいゲームエンジンが生まれたり、注目されたりして、また、違う発展の契機になるかもしれません。

さいごに

 まぁ、何とかなるぜ的に書いていますが……ペルソナ風RPGを作ろうとしていろいろやっていたので、わりと影響はうけてたりします。それも、シェーダーグラフなど新しいことを覚えていろいろやっていましたし。

 あと、OpenGLからVulkanにのりかえられるか本買ってみました。やばいです。用語がさっぱりわからん。

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