「明六一揆」論(2):自供書
『備前・備中・美作百姓一揆史料』(第5巻)所収「北条県史」は,明六一揆についての北条県の公式記録であり,騒擾顛末と処刑の部からなっている。騒擾顛末は「騒擾顛末御届」「騒擾ニ付殺傷破毀焼亡取調」「元魁筆保卯太郎之口供」と事後処理記録からなっている。処刑の部は臨時裁判所の取調口供と申渡書,及び「処刑之義ニ付御届書」を収録している。
実際に殺害に関わった者たちの思いを「自供書」より推察することで農民の意識を分析できる。
この各人の「自供書」に共通するのは,なぜ部落を襲ったのか,襲