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右室梗塞に完全房室ブロックを合併!

シリーズ 救急隊の救急隊による救急隊のための心電図vol.17

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本日は右室梗塞に完全房室ブロックを起こした波形を簡単解説!!

この心電図は救急現場で1時間以上の胸痛を起こしていた傷病者のものになります。モニター心電図(Ⅱ誘導)の所見になります。

モニター心電図(Ⅱ誘導)だけでも3つのことが考えられます!

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1 心拍数の計算

以下のようにマス目を数えて心拍数を計算することができます。これを習慣化すると心電図を目にした時に徐脈か頻脈か数秒で判断することが出来ます。



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この記録用紙を見ると自動で計測され表示されているので、自分で計測しなくても良いかもしれませんが、できるとかっこいいですよ♪

2 P波のリズムがバラバラ

以下の赤い○の部分がP波です。QRSとのリズムがバラバラなので、完全房室ブロックですね。

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完全房室ブロックについてはこちらの記事を参考にして下さい。


3 QSパターンのST上昇

この心電図にはR波がありません!R波がない波形をQSパターンといいます。



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QSパターンが分からないとこの心電図ではST上昇が判読しずらいです。R波がなくなりQSだけが残っています。



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R波がないのは過去に心筋梗塞を起こして壊死した心筋が動かなくなっているからです。

QとSだけ残っていると考えて、S波の終わりとT波の始まりを点でみてみましょう!

ST上昇の詳しい判別については以下の記事を参考にして下さい♪


4 なぜ右室梗塞で完全房室ブロックを合併するのか?

それは右冠動脈が刺激伝導系に血液を送っているからです。


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心拍数を生み出している洞結節にエネルギーが行かなくなれば、徐脈になりさらにP波とQRS波がバラバラになる(完全房室ブロック)のも当然ですね♪

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モニター心電図からでもこれだけのことが分かります♪

一人で悩まず是非ライダーに相談して下さい♪分からない心電図を簡単解説します^^

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