最終話 あらすじ 『相撲部屋』
・設定
〇きいろ
堂島佐知子。
亡き親から相続したこの家の持ち主。
遠い親戚に預けられていたが、大人になり今度この家に住むことなった。 施設にいた本当のきいろは別にいる。
〇家
竹田が借り受け児童養護施設として運営していた。
子供たちが育ち、堂島も成人したので施設としての運営はキリの良いところで終えていた。
・プロット
3話終わりから。
ジェミ「堂島さん」
堂島、思わず目を見開く。
ジェミ「(堂島に近づきながら)きいろじゃないわね。あなた誰!」
堂島「……美しすぎる文房具販売員」
ジェミ「(スマホを突きつけ)知ってるわよ!」
堂島「あ、この人、美人ですねえ」
ジェミ「あなた誰って訊いてるの! 何者なのよ!」
堂島「ごめんなさい、騙してしまって。……わたしは堂島佐知子です。この家の持ち主です」
ジェミ「えっ……どういうこと? ここわたしの知ってる家じゃないの!? ここは知らない人んちなの?」
堂島「すこし前まではわたしにとってもこの家は知らない人んちでした」
ジェミ「意味わかんない」
堂島「きいろさんに成り代わっていたのは、この家のことを調べたかったからです。そしてジェミさんとお話をするためです」
ジェミ「……」
堂島「ジェミさんとふたりきりになれる機会を待ってました。正確にはアクさんとキャンさんに頼んで作ってもらいました。竹田さんも生きてらっしゃいます」
ジェミ「なに? なに?! 全然意味わかんないんだけど。この家の持ち主? きいろのフリして? わたしと? なんでよ……」
堂島、ポケットから鍵を取り出してジェミの眼前に突きつける。
堂島「この件です」
ジェミ、動揺。
堂島「あの部屋、開けましょう」
ジェミ「イヤよ。絶対にイヤ」
堂島「行きましょう」
〇暗室前
堂島、ジェミに鍵を差し出す。
堂島「開けてください」
ジェミ「イヤ」
堂島、服のお腹の中から封筒を取り出す。
堂島「失くしちゃうといけないから……これきいろさんからの手紙です」
ジェミ「……(封筒を受け取る)」
堂島「読んでください」
ジェミが封筒を開けると、2枚の手紙が入っていた(2枚目はきいろの近況を教え、ジェミや施設のみんなが元気にしているかを尋ねる手紙)。
ジェミが1枚目を読むと、そこには『ジェミちゃん、わたしが負けたんだよ。 きいろ』
ジェミが泣く。
暗室を開けると、中は真っ暗だった。
明かりを点けると、そこには土俵があった。
むかしジェミは地域のわんぱく相撲の横綱だった。
練習ですら負けず無敗を誇っていた。
しかしあるとき、練習中にきいろに負けてしまう。
土俵外に足が出たか出なかったのかの微妙な判定だった。
ジェミは泣き叫び、行司役だったアクを含め周りに当り散らす。
その中で花瓶を割ってしまう。
ジェミはわんぱく相撲に出ることを拒否し引退を決意するが、竹田が説得し強引に出場させるが、そこで負けてしまう。
体格的に優勢になりつつあった男子が出場したためだった。
ジェミは塞ぎこみ、アクもキャンも竹田も悔い、きいろは後ろ髪を引かれたまま里子へ。
相撲部屋は封鎖された。
その後、家に帰ることが決まった堂島が、竹田から相撲部屋があることを知らされる。
身寄りのない境遇は堂島も同じで、勝手に相撲部屋を閉鎖することはできないと、堂島はきいろと連絡を取ったが、きいろは海外にいた。
そこで堂島はきいろとして家に帰り、竹田やアクやキャンと協力してジェミのトラウマを払拭するべくひと芝居を打つつもりが、いろどり公園の前できいろがジェミに見つかったため、話がおかしなほうへ転がってしまった。
堂島「さあ相撲を取りましょう、横綱。じつはわんぱく相撲の審判員の方を呼んでます」
アクとキャンが審判員(伊藤修子さん)を連れて部屋に入ってくる。
ジェミ「ちょ、ちょっと待って! あなた、きいろじゃないじゃない」
堂島「きいろです! ユーチューバーのきいろです!」
堂島とジェミが八百長ではない相撲を取る。
ジェミ「ありがとう。これで自分から引退できる」
〇リビング
ジェミの引退記念パーティー。
きいろ「わたしが昔住んでいた家を知らない人たちに預けていて不安だったけど、皆さんに会って素敵な人たちに住んでもらえていたんだな、と分かりました。この家を守ってくれてありがとうございました」
乾杯。
(おしまい)
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