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つれづれ!『光る君へ』19回

月日の流れるのは早く、自分のイベントなどしているうちにまだ19回を進んでいるつれづれ!でございます。
イベントというのは、源氏絵巻を見ながら源氏物語をお喋りして、香りを楽しむという会なんですけど、しゃべっている私が一番楽しい、っていう誰得イベントw
かつて、お姫様たちは絵巻をひろげ、それを囲んであれこれお喋りしたものだそうで、「物語絵巻」っていうのは、絵とそれにあわせた文章が書いてあるものなんです。
絵パートと文章パートが交互になっていて、それをくるくる巻いてあるのが絵巻物。現代でいう絵本?と言われればそうかもしれないけど、そうともいえない。でも、そうかもしんない。(なんなんだ)
特徴としてはこんな感じ。
①文章パートを詞書(ことばがき)というんですが、それに全文書いてあるわけではなく、イイ感じのダイジェストとなっています。
②対象年齢は基本的に成人女性(成人後の教養のテキスト的に使われてた時代もあり)
③読み聞かせ(みんなで絵巻物を囲んで、読むのが得意な女房が朗読。黙読は基本的に明治以後の習慣と言われています)
と書き出してみると、現代の「えほん」とそう変わんないと言えるのでは…
ともかく、そんな感じで絵巻物を囲んで、この模様があるからこの巻なのね!トークとか、浮世絵の描かれ方にああだこうだ言ってみる、とか、江戸時代は見立てが進みすぎて、この表現がなんなのかまったくわからん・・・が、この巻の模様が入ってるし!
とかわいわいしまして、姫様気分でした。(わたしだけかもしれませんけど)

さて、本題。19話になりまして、中関白家推しのみなさま心を強く持って生きてまいりましょうね…!

関白になりたいか、と問われて陣の定めに出たいから、なりたくないよ!と言ってましたけれど、確かに関白にはなってないんだよね
伊周と道長が大モメにモメていましたけれど、これも小右記なんかに載っていますね。けれど、内容が民に利するか利さないか、みたいなことで喧嘩したとは書いてない、はず。
だけど、実資は小右記に「とてもみにくい争いだった」と書いてたよね…!
そして、除目に口出しする女院。
これも実資が困ったもんだ、と書き残している。
ていうか、実資ってほんと、苦言おじさんなんだよね。なんでも一回文句いいたい人…でも、「あのひとはこうだから」って言って許されるひと。稀にいるあれですね!!!

公任が出世競争辞める宣言していました。「参議のままでいい」
十分やろ!!!ととなりの斉信じゃなくてもつっこむよね。斉信は、なにせ忯子(花山天皇最愛の女御)のおとうとだからさ。そりゃあ出世にひびくよね。そして、ここでも父が子の若いうちに亡くなると、出世コースからはずれるアレが発揮されとりますな。
それをうらやむ斉信。だよね。だってあんなことするんだもんね(怒)
斉信もイケメンで有名だが、忯子をはじめ姉妹たちも皆美人。
モテモテですね。

行成の書をみなほしいと言われていましたね。
それはほんとう。
先日五島美術館で展示されていましたね。以前トーハクで行成フェス(違)をしていた時、行成が書いた白氏詩巻が出ていましたが、これには跋文がついていて、そこに孫?玄孫?が物売りの女からこれを購入した、と書いています。
つまり、ほぼ同時代的に「行成の書は売れる」ものだったということですね。
行成は『光る君へ』でも描かれている通り、口下手?で気が利かなくて?という感じでイマイチ宮廷でぶいぶい言わせます!みたいなキャラではないわけですが、中宮の取次(本来中宮とただの貴族が直接話し合うなんてとんてもない時代ですから、貴族の人はそれぞれ定子になにか言いたいこと(陳情とかご機嫌伺いとか)があるときはそれぞれ取次…担当の女房がいて、それが行成は清少納言だったんですね。って説明長い)
として清少納言を使っていて、清少納言が実家(少納言はお兄さんたちがいたけれど、父親の家を相続しています)に帰省していても用事があるから宮中戻ってきて!!って連絡してくるやつだったんだ。
ある夜、物忌みかなんかでやってきた行成はほぼ夜通し少納言たちとしゃべっていました。そして、帰った後
「今日は、残りおほかる心地なむする。夜をとほして、昔物語も聞え明かさむとせしを、鶏の声にもよほされてなむ」
という後朝に見立てた手紙を送ってきます。こじゃれた定子サロンにふさわしいノリです。
すると機知にとんだ当意即妙なやりとりが身上の定子サロンの清少納言ですから、
「いと夜深くはべりける鳥の声は、孟嘗君のにや」
とまあこのくだりは、「史記」の孟嘗君のネタ(鶏の声真似をして、開門させてピンチを脱出)をニヤニヤしながらやりとりする、という話ですね。
それで最後出てきたのが百人一首に採用されているあの歌。
「夜をこめて鳥のそら音にはかるとも世に逢坂の関はゆるさじ
心かしこき関守侍り」
私の守りは固いもんね。と。それに対して行成は
「逢坂は人越えやすき関なれば鳥鳴かぬにもあけて待つとか」

あなたの守りはゆるゆるでしょwと返して「それはさすがに下品」と返事もしなかった。という一連のやりとりがあるんですね。
で、何がいいたいかというと、この行成からの手紙を少納言は即定子に献上します。(下品じゃないほう。でも結局下品なほうもみせちゃうんだけど)
そんな風に行成の書はアイドルの写真集(?)のように使われていたわけですね!

あと、御堂関白記、書き始めましたね。

ききょうさんはまひろを連れて宮中に行きますが、「ワタシには夢があります!」(これはむかし高畑充希がやってたドラマの決め台詞だったね…)
とかいうけどそれはない。それはないが、ドラマ上、為時の出世はまひろの功績になっていたが、お父さんの知識が豊富だから、って誰かちゃんと思い出してやれよ(道隆たちの漢詩パーティーやってたろ!!)
為時本人も「右大臣様とまひろは…」ってなってて、かわいそうが過ぎるのだった。
自信もって!父!!
そういえば「男であったら」と帝にまで言われてましたね。男であったら帝には会えてないんじゃね?身分的に。
まあいいけどね。ドラマだから。
越前行きを好奇心の塊ふうなまひろは大変喜んでいましたが、実際にはいやでいやでしょうがなかったようですよ。

そして、長徳の変…

※倫子は漢字も完璧に読める。
ではまた!!

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