Self liner notes #05 uta ballade
随所でぼやくが、めちゃくちゃ歌の上手い人が、滔々と、ちょっと日和った言葉を使えばエモい歌詞を、どっちかというとマイナーキーが多くて、、、私のバラードに対する眼差しは偏見で満ち溢れている。
要は、羨ましく、妬ましいのだ。人の心を掴むキャッチーさがあって、曲として一定の重みがあって、丁寧に扱わなくてはならないような、ただしいいバラードに限るのだけど、バラードというだけで一定のシード権を得ているように思える。
偏見を重ねに重ねた結果、いつしか「バラードさん」の声が聞こえてくるようになった。よく話を聞けば、あの子も決して楽ではなかった。能天気なシーンからほど遠く常に一定の緊張感が拭えないし、不用意な言葉も行きすぎてはいけないし、アップテンポで気分を上げていくこともできないし、バラードという容れ物に、人間のモッサリしたものが注ぎ込まれがちなのだ。バラードには妬みしかないが、バラードさんには思わず寄り添いたくなった。
バラードさんの嘆きを歌うのであれば、モリモリの歌唱力も、艶のあるメロもそんなに盛らなくてはいいのではという勝手なルールを許してくれる包容力があるような気がした。いけない、こうして私もバラードに甘えている。
emmaのバラードという痛々しさを拭うために、プロデューサーからのアドヴァイスもあり何年かライヴで歌っていたものを録音では更にキーを下げた。最初はチェッと思ったりしたが、やってみると心地が悪くない。
野太いギターが欲しかったので、このアプローチは大変気に入っている。ライヴでギターと共に演奏できるときは、そのギターは限りなく好き勝手やって欲しい。
ライヴは
2023/06/10(土)
open 18:30 / start 19:00
コチラ→ emma mizuno LIVE「Amorphous 404」
配信アリます。
CDはここでも買えます←クリック
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