見出し画像

結構役に立つ認知療法の知識③:認知のゆがみ 心の読みすぎ

心の読みすぎ
根拠なく相手の行動、態度、発言を元に
その人がどう思っているかを決めつけてしまう
思考パターン。
どちらかと言うと
心を読みすぎてしまう時は
悪い方向にばっかり読んでしまいがちです。

例えば、東京オリンピックの前には
中止を求める声もある中で
ある選手は

オリンピックの話が出ると、
自分の悪口を言われているんじゃないかと
疑心暗鬼になった
朝日新聞 2021年11月23日

あのような状況ではこの選手のように
考えた選手は他にも多くいて、
パフォーマンスへの影響も
相当あっただろうと思います。

心の読みすぎ
日本人は特にやりがちな考え方です。
もともと、“阿吽(あうん)の呼吸"などと言って
はっきり言わずに相手に伝わることを
求める社会であり、最近では特に
空気を読む、読まない等の表現もある位ですから
自然とみんな心を読もうとする傾向が
身に付いているともいえます。

さらに、アスリートは競技をする上で
対戦相手の思考や動きを察知したり、
味方との連携プレーのために
上手く使う必要があります。

ただ、プレー中に言葉なしで
連携できるのはそれだけ日々
練習を積んでいたり、
一緒に過ごす時間が長かったり
競技の枠があるからであって、
それ以外の場面でも同じように
正確に相手の考えを読めると思わない方が
いいと思います。

私自身、心理カウンセラーというと
自分の心を読まれるんじゃないかと
警戒するアスリートも結構いて、
「そんな心が読めたら苦労しません!」
と思いっきり否定することがあります。

結局のところ、
他人の心の中をのぞくことはできないのです。

相手が自分に対して
悪感情を持っていると思ったら、
勝手に自分の頭の中で
心を読みすぎて、
事実とかけ離れたほうに
解釈していないかと
見直すことが必要です。