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87 役割よりも人間をみてほしい

やりたかった仕事のポジションが空いた。これはやるしかないと思って、応募した。選考の結果、運よくそのポジションをゲットすることができた。会社では、諸々のサプライズとして、昇格の日まで内密にしておくように言われていた。三ヶ月くらいかかった採用で、ストレスの重なる日々だった。私は、早く解放されたかった。

とうとう発表の日、朝礼で昇格のお知らせの時間になる。発表された瞬間、周りがざわついた。思ったよりも歓迎されていてほっとしたが、問題はその後だ。周りの扱いが一気に変わった。私に対する親しみはどこへいった。一気にひとりぼっちになった気がした。なんだこの孤独感は。見た目が変わることよりも、役職が変わることの方がインパクトがあるのか。在宅期間中ダイエットしたときよりも、周りの扱いが違った。

人は、私が思っているよりもずっと、役職や肩書きで判断されているようだ。中身は何も変わってないのに、みんな役職に食いつく。私も、その役割演技を真っ当する。なんだかそのことに、少し寂しさを覚えた。役割演技は得意だ。だけど、期待に答えようと思いすぎて、作り上げて膨らんだ印象にとらわれて、虚像まみれになってしまうのは、もう辞めたいと思った。キラキラした私のこと、みんなは好きかもしれないけれど、できるだけ、私が私のままいられるような、ちょうどよさを探究していきたい。

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