肛門vsわたし 痔との戦い

それは3日前のことだった。トイレから出ると肛門に違和感がある。

「ああ…やっちまったなァ。」

ため息をついて薬箱を漁りプリザエースのストックがないのが分かると、財布を掴んで家を出た。

痔を発症したのは花も恥じらう10代の乙女だった時だ。それから数年たち現在に至るまで年に2回のペースで痔は飛び出して忘れてくれるなと存在感をアピールしに来るのである。そんなアピールはいらない。

思えば痔になるのは必ずストレスがたまっているか座りっぱなし生活を送っているタイミングだ。はじめて発症した時はちょうど受験勉強を始めた頃だし、その次は大学入学して気合を入れて教養科目を大量に受講して一日5時間は座学で授業を受けている時だ。ついでにコロナ渦の2020年は外出が減り座ってパソコンおよびテレビばかり見ていたので3回ほど痔になり自己ベスト記録を更新した。

そして今回の痔は重要な資格試験を控え勉強で座りつづけ、試験勉強のストレスで大量の辛い物が欲しくなり痔持ちが食べるべきではないものを大量に食っていたために起きた。

具体的には毎食飲んでいる味噌汁にタバスコを3振り入れ、白米にはキムチをたんまり乗せていた。コンビニで辛子明太子おにぎりを購入し、おやつはカップ入りトッポギまたはチリトマトヌードル。そして毎日座りっぱなしもしくは電車移動で立ちっぱなしである。睡眠不足も加わっていた。

改めて書いてみると「自分超絶バカじゃん。」という感想しか出てこない。明日のことなんか一ミリも考えたくないというのが丸出しである。

肛門は業火に包まれ三日三晩燃え上がり、その様子はさながらソドムとゴモラ、もしくは明暦の大火や富士山の宝永大噴火を思わせる荒ぶりを見せたのである。ときおり消火剤としてプリザエース軟膏を投下したところ肛門は少しずつ静まりだし現在は恐らく残り火がチロチロ燃えている程度にまでおさまった。

そして軟膏を塗ろうとトイレに行くたびに高田純次氏の名言集みたいな本を立ち読みしたときに書いてあった「手鏡でいぼ痔覗けば赤いバラ」という一文が頭をよぎるのであった。

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