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FUJI優勝チョウ・ジアジュのドキュメンタリーフィルム公開

ひさしぶりのnoteです。今日noteを更新したのは、instagramのキャプションでは紹介しきれない話を聞いて欲しかったからです。今年のFUJIには、海外メディアの仲間がたくさん来ていました。そのなかで、ビデオカメラマンでジャーナリストの友人、Jack Yaoが撮影したドキュメンタリーが公開されたので、紹介したいと思います。

広大な富士山麓エリア、超高速レースをたった一人で撮影

Jackとは2年前のTHAILAND BY UTMB(現Doi Inthanon by UTMB)のAthlete&Mediaツアーで知り合いました。彼が撮影するドローンやムービーカメラ、大きなレンズを備えたカメラを駆使した動画はとても雄大で、人物にフォーカスした映像もまたショートフィルムのなかに内面を映し出すドラマティックさがあり大好きです。

前日、プレスセンターで地図を広げて、おすすめの撮影ポイントを伝える

富士山麓に遊びに来たことはあっても、Ultra Trail Mt.Fujiの撮影ははじめての彼。しかも優勝候補のチョウ・ジアジュを追いかけるとなると、大忙しです。前半は走れるセクションが多く、後半はアクセスが難しい山岳エリアになります。

日本の道路は細く込み入っていて、田舎道では日本人でさえ迷うほどです。過去3度取材した経験と今回のためにロケハンして得た情報を可能な限りシェアしました。日本の地名なんてどうやって覚えて検索するのだろうと思っていると、私が送ったgoogle mapの位置情報から座標を見て書き留めていました。さすが、世界中で撮影しているだけあるなと感心しました。

富士宮エイドに行くなら間に合わないからスキップかなと伝えた長者ヶ岳にも登場。藤巻翔さんと登山口で会って、一緒に登ったのだそう。タフだ。
杓子はさすがに間に合わないよ、でも35分で登ればいけるかもねハハと冗談めかして言ったら
まじで超高速で登ってきて、そして撮影した瞬間に駆け降りて行った。

最強ランナー、中国人アスリートたちの素顔

2019年のUTMFで圧倒的な強さを見せた中国人女子選手、シャン・フーシャオ。眼鏡姿の彼女のことを覚えていた人もいるでしょう。中国人アスリートのことを日本人はどれだけ知っているでしょうか。日本で名が知れているのはアメリカやヨーロッパの著名なレースで活躍する海外アスリートで、それでもほんのひと握り。日本人は海外選手のことを知らなさすぎる、いや、情報源が少ないのだと思います(わたしも同じく、無知すぎるので勉強中です)。

UTMBなどヨーロッパアルプスで行われるレースではなかなか結果を残せないアジア圏のアスリート達。それは気候やサーフェイス、食べ物の違いが影響しているのかも知れません。アジアのレースに目を向けると、中国人アスリートの強さは桁違い。とにかく「速い」これに尽きます。日本でエンデュランスについて語る時、しばしば「強い」という言葉が使われますが、強いのはもちろんのこと、兎にも角にもすんごく走るのが速いのです。

中国国内だけでなく、香港や韓国、タイ、インドネシアなどアジア諸国のビッグレースでは中国人がタイトルを総ナメです。昨年のDoi Inthanon BY UTMBでは、負け知らずの日本人アスリート達がたくさん参戦していましたが、何時間も離されたあの衝撃がどのくらい日本まで伝わっていたでしょうか。歯がたたないというのはこういうことを言うのでしょう。

中国からのアスリート、サポート、メディア。チーム力も彼らの強みです。

たいして英語が話せない私が言うのもなんですが、ジアジュもフーシャオもそれほど英語が得意ではありません。でも理解はしているとのこと。それゆえに他言語ではあまり口数が多くなく、そっけなく見えてしまうこともあるかもしれません。でもそれって日本人も同じ。また、レース中の血気迫る空気感はイカつくて、そのイメージを焼きつけられる人もいるでしょう。

今回のFUJIで「ジアジュ、案外気さく!」「フーシャオかわいい!」と言う声を聞きました。そう、彼らはすっごく気さくで優しくて、中国語ではとってもよく喋ります。エキスポではお買い物をして楽しんでいました。レースでの勇ましい姿は格好いいですが、サポートや仲間に会えば笑顔で「楽しいよ!」なんて話をしていたりもします。料理が得意だったり、日本のアニメが好きだったり、メディアツアーではレース前のみんなとのグループランにも気軽に参加します。

そんな彼らの素顔とアスリートとしての強さ、仲間想いなところ。それを日本人にも知ってもらいたい。わたしは「ライバルであり仲間である」と言うのはトレイルランニングの最も素晴らしいカルチャーだと思っています。

FUJI優勝にかける想い、仲間のためにも・・・

ずいぶん前置きが長くなりました。紹介する映像は、優勝したチョウ・ジアジュに密着したドキュメンタリーフィルムです。日本語の翻訳・意訳を手伝いました。中国語→日本語にした下書きをもらい(それだけでは半分以上の文章が理解できなかった、日本語って難しいのね)、それを中国語→英語にした英文字幕を見ながら日本語に書き換えました。中国語をそのままきちんと訳せてはいないかもしれませんが、そこはライターとしてストーリーや雰囲気を汲んで意訳とした部分もあります。

Drone and PhoneというYoutubeチャンネル(China Dailyの動画メディア)です。Jackがたった一人でレースエリアを駆け回り、山に何度も登り、4Kで撮影した映像は大きなテレビで見ても綺麗で迫力があります。Youtubeの字幕機能で日本語字幕をつけて見ることができます。2年前にレース中の事故で亡くなったリャン・ジンへの想い、川崎選手との攻防などが描かれています。

Drone and Phone
Zhao Jiaju|Inspiring Adventurer

イントロダクション:
国際トレイルランニング協会(ITRA)のアジアランキングで1位を獲得しているチョウ・ジアジュが、アジア最大の100マイルウルトラトレイルランニングレースである日本のウルトラトレイル・マウントフジに挑戦しました。
チームメイトであり友人でもあるリャン・ジンの叶わぬ夢を背負ったジアジュは、国内外の多くのエリートランナーとの競争にさらされながらも、タイトルを獲得することを決意しました。Drone and Phoneは、スタートからゴールまで彼を追いかけました。

スマホでも良いのですが、彼のプロ意識とこだわりが詰まった映像は、ぜひ大きなモニターで見てほしいです。

最後にクレジットを入れてくれました。うれしい、ありがとう!
自撮り以外の写真は全てタイ人フォトグラファー、Nadenによるものです。

jiaju zhao 赵家驹


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