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星を掬う(読書記録)

母娘の絆の物語。
母に捨てられ、元夫からの暴力に悩み自分の人生は底辺だと思い期待もせず希望も見出せず生きていた千鶴。
自分が不幸なのは母のせいだと。強く思い続けている。
母も最愛の娘と再会できたが、素直に受け入れられずにいる。さらに認知症という病気に悩まされているせいか千鶴との距離はなかなか縮まらない。
それでも4人での同居生活に置いて千鶴の心に変化が起こる。

痛みや苦しみ、自分の不幸を人のせいにするのは簡単。
でもそれはよく考えてみれば、ただ逃げているだけで、根本の問題は自分にある。
そんな事に気づかせてくれた。
さらに母の我が子に対する思い。
母も一人の人間である。その為自分を大事にする思いももちろんある。それでもやっぱり『母』という人は違う。
必ずどんな形であれ我が子に想いを馳せ、我が身を削るのを厭わない。ありがたい存在なのだと思った。我が子に対する想いをうまく表現できる人、そうじゃ無い人。我が身を削る大小はあるにせよ。
母が子を思う気持ちはどんなものより尊く美しい。
そんな事を思った読書だった

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