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続・ただのレポ

無事にライブが終了した。

体内に不足していた水分を一気にチャージした所で、首にかけていたタオル、あとは空中で捕まえた銀テをくるくると小さく丸めてトートバッグへ突っ込んだ。

流れに身を任せ、ゆっくり出口へと向かっていく。ノロノロ歩きながら、ひとまずTwitterのタイムラインをスワイプ、スワイプ。

「最高だった〜!」と話した事もないFFさんが呟いていた。同じ会場内にいたのか。それな〜、最高だったよな〜と心の中で呟く。

流れに身を任せ数分、無事に体育館の外へと辿り着いた。一足先に会場を出たどこかの誰かが「寒い〜!!」と言っているのが聞こえた。寒いか...?(バグ)元々代謝が良いプラス激アツライブだったが故に、私の体感では涼しいに該当していた。もう、シンプルバグ。冷たい空気を一気に全身で受け止め、クーーールダウン。ハァー最高。

敷地内では「駅はあちらでーす!」とアナウンスしているスタッフがちらほら。私は物販に寄ってから帰ろうとしていたので、皆と同じ出口から出ずに物販コーナーへ向かう。えっと、ひとまずミニタオル。あとはラザニアシャーペン買おう。頭の中で買うものリスト(ゆうてそんなに買わないけど)を作る。

なんとなくそっち方面へ歩いて行くと、グッズを買いたい人達の流れが出来ていた。私もその流れに乗り、最後尾へと並ぶ。まあまあ人がいたので列に並んでPayPayの画面を開いて待つ。そしてここで私は冷静になった。さっき、Frozen My Loveと洗濯機あたりで「あとでロンTも買っちゃお!!!」と思っていたけれど、あれは一時の感情に過ぎないという事を、自分が1番よく分かっていた。

「ちょっと待て。果たしてロンTは本当に必要なのだろうか。夜寝る時はロンT着て寝たいから欲しいっちゃ欲しいけど、色は白がいいんだよな。いや、可愛いよ。可愛いけどな待て待て。」1人会議が始まった。

2列になってお待ち下さい〜の辺りまで来た。「いやー、どうしようかな」スマホの画面が何度か暗くなったので、適当にタップしてすぐQRコードを読み取れる様にしながら待つ。

ついに自分の番になった。

「えーっと、ミニタオル、でお願いします」

ここに来て!!?!たった600円の会計で!??終わるの!!??!いや!!!みんなもっと買ってるやろ!!???ともう1人の自分は叫んでいた気もするがフルシカトで支払いを済ませた。すまん。

までも、ね、デザインめちゃくちゃ可愛いからミニタオル。そんなこんなで私も駅へ向かい始めた。

本当は原宿駅から帰ろうとしていたのだが、やはりそこが一番近いということもあり、皆の流れは原宿だった。ちょ、混雑してるな。

「渋谷駅方面はあちらでーす!」とスタッフの声が聞こえたので、思い切って渋谷駅まで歩こうと決意した。いいね、やっぱこっち方面人少なくて歩きやすい。

前もこの会場へ来た事あるのに、渋谷までの道のりはよく分かっていなかったので、なんとなくで歩いて行く。歩道橋じゃないけど、なんかそういう感じの所を歩いていって、ついでに控えめな螺旋階段も降りてみた。目の前の人も渋谷方面行くっぽいし、行けそう。

ぐるっと階段を降りると、そこには薄暗い敷地内を煌々と照らす自販機が1、2台と、セブンティーンアイスの自販機が設置されていた。「えっ、アイス、アイスやん、、、食べよっと(え?)」身体の外側は冷たい空気で冷えたものの、まだ内側の熱が下がり切っていなかった。こんな寒い日に、セブンティーンアイス買って食べる事になるとは。私が選んだ味は、そう!チョコミント。いや、真夏に食うやつ!!!

ゴトン!とアイスが出てきたので、取り出す。そして外側の紙を剥がし、アウターの裾にアイスがつかない様に気を付けながら、そろりそろりとゴミ箱へ入れた。よし、早速いただきます。知覚過敏は最初の一口が重要だ。八重歯でアイスを素早く齧り取る。えーーー、うまいーーー!!!最高ーーー!!!いつ食べても美味しいが、ライブ後のアイスは格別だった。

立ち食いもあれなので、食べたまま渋谷駅へ向かうとしよう。一旦Googleマップを開いて、ちゃんと道も確認する。マップで示された方向に従うと、さっきまで同じ会場にいたであろう人達も歩いていた。みんな、いいな、誰かと来てるやん。いつもソロ参戦なので、たまに誰かと一緒に参戦するのもいいなと思ってしまう。

ちらちらマップを見つつ歩いていると、知っている道に出た。あー、ここね、となったのでスマホを閉じて、アウターのポケットに突っ込む。

そうそう、アイスはというと?そんなん一瞬でなくなった。あれはもはや飲み物。もう何の味もしないプラスチックの棒を咥えながら、軽快な足取りで駅へと歩いていくのだった。

※危ないので良い子はアイスの棒を咥えたまま歩かないでね!!!


おしまい

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