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【日本小児はり学会】オンライン講習会大成功の仕組み

※有料記事ですが、本文は無料で読めます。


日曜日、日本小児はり学会 第8回特別講習会 専門性向上セミナー③
「夜泣きこそ小児はり -83例の実際から-」がZOOMで行われました。

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この特別講習会は、年に一回、だいたい関西で開催しているもの。
今年はコロナの影響と、会員さんからの意見や外部の協力もあって、初めてのオンライン開催が実現し、関西以外の地域からもたくさんの参加者が集まりました。

これって、ほんとにすごいことですよね。

講習会の内容を感想レポートとしてまとめてもいいのですが、今回は敢えてそうせずに、どうしてこのイベントが大成功をおさめたのか、という点に着目して、このイベントの裏方を務めたわたしの視点から書いてみたいと思います。


①発信を「どこに」届けるか

日本小児はり学会は、毎年の講習会の開催情報を、会員向けのメール、会誌、学会ホームページ、facebookなどで告知されています。

わたしも、当然自分も参加するつもりだったので、おそらく4月ぐらいにはTwitterなどの各種SNS、そして自身が運営する小児はりオープンチャットにて告知を開始したと思います。

今年5月12日の時点で、参加者は34名。
例年であれば、会場のキャパシティにより参加人数には制限がかかりますが、今回はなんといってもweb開催。
もっともっと多くの人たちに知ってほしいし、参加してほしい。

ちなみに運営の佐藤先生によれば、「例年は会員の割合が最も多い」とのことでした。ということは、参加者を増やすには、会員外の人たちに向けて発信していく必要があります。

できれば、いままで「関西だから行くのやめとこかー」とあきらめていた、関西方面以外の方々に届けられたら一番うれしい。さらに、いままで学会になんて参加したことないわ、っていう学生さんや鍼灸師さんにも参加してもらえたら最高。

わたしの発信するターゲットは、そこでした。


②ひとりひとりと仲良くなることの大切さ

5月13日。まずは、小児はりオープンチャットの皆様向けに、「交流を目的とするZOOM」を昼と夜の2回、企画しました。

このZOOMの目的は2つ。

・オープンチャット参加者(鍼灸師・鍼灸学生含む)が顔を見てお話する
  ➡あわよくば、もっと仲良くなれたら嬉しい
・参加者がZOOMを使うことに慣れる

わたしは、とにかく「小児はりに興味がある」という共通項だけで、オープンチャット参加者さん同士がもっともっと仲良くなれると思ってるんですね。

で、仲良くなるとどんな良いことがあるかっていうと、
・個人を知ることで、その人の考えや大事にしているものに触れられる
・情報が入りやすくなる(教える・教えられるの交流がスムーズになる)
・何かをしようと思ったとき、協力してもらいやすくなる

みたいなことが挙げられると思います。

情報の拡散って、シェアボタン、リツイートボタンを押せば簡単にできますけど、自分が「これはほんまに良いものやわ」と思ってないと、なかなか拡散しにくいじゃないですか。

ぜんぜん知らない人の投稿とか、そもそも「良い」とまず思えないし、知らないものに責任もてないから、広めませんよね。

良いものを広めるには、自分がそれを「良い」と知る必要があります。そしてそのためには、人と仲良くなって、その人がどんな人なのか、どんな想いでそれをやっているのかに触れるのが一番はやい。

というわけで、この交流ZOOM夜の部には、日本小児はり学会会長の井上悦子先生にも登場していただきましたw
結果、井上先生のお人柄もあいまって、終始和やかな雰囲気で進行し、皆さんおそらく「日本小児はり学会ってこんなところなんだ~、こんな人がやってるんだ~」ってわかっていただけたと思います。

ZOOM終了後には、さっそくひとりの学生さんが「日本小児はり学会、入ります。あと講習会参加します」と言ってくださり、もうわたし、ガッツポーズしましたよね笑


③参加者との交流を密にして、不安要素を少なくする

5月25日、井上会長より、「参加者限定のオープンチャットを開設しようと思う」という旨の提案をいただき、それは!ものすごく!イイ!!というお返事をしました(もうちょい丁寧に返しました)。

~~~ここからわたし個人のおはなし~~~~

というのも、わたし、自分が小児はりセミナーをする際は必ず、参加者限定オープンチャットを用意しているのです。

わたしが考えているオープンチャット運用は、セミナー開始前1か月~セミナー終了後1か月の2カ月間。それが終わったらグループを削除しています。

セミナー開始前の1か月は、とにかく「仲良くなること」を念頭に置いています。わたしと参加者さんが仲良くなるのは当然で、参加者さん同士も仲良くなっていてほしいと思っています。

そうすると、セミナー当日、「はじめまして」なんだけど、まったく知らない人たちばかりではない気がして、場の雰囲気がつくりやすくなります。そして勉強は、仲良し同士でやったほうが楽しいし、盛り上がるのです(持論)。

セミナー終了後の1か月は、アフターフォローの場として使っています。セミナーでわからなかったことや、これ聞きたかった!という個別の質問、そして、セミナーで得た知識を臨床で使ってみた際に出てきた新たなお悩み(これがいちばん大事!)に対して、全員で考える。

セミナーって、その日で終わりじゃないんですよね。
学んだことをどう活かすか、そしてちゃんと実践できているかどうかを講師が見届けて初めて成立すると勝手に思ってます。

だから、終わったあとのこともちゃんと考えられている設計なら、参加者さんも安心かなって思って、わたしはそうしています。

~~~わたし個人のおはなし終わり~~~~

で、結果、この「講習会参加者限定オープンチャット」が運用されたのは、6月15日からでした。ここについてはちょっと思うところがあるので後述します。


④入念なテストを3回実施する

なんせ、講師の方々もZOOMは不慣れかもしれません。
ということで、岡野インフラ研究所の岡野浩人先生の提案により、講師用のリハーサル、そして参加者の接続テストを2回、合計3回のZOOMリハーサルを行うことに。

わたしも、2回リハに出席しましたが、講師側は特に問題なく、スライド送りも画面共有も音声(ミュートの切り替えなど)も順調でした。参加者リハは、やはり数名「うまく接続できない」「名前の変更の仕方がわからない」などのトラブルがありましたが、その都度、岡野さんが丁寧に対応してくださったおかげで、リハに参加してくださった方はなんとか問題を解決できたのではと思います。

やはり今回は運営も参加者も初めてのことをしているので、テストやチェックは入念にしておいたほうがいいですよね。オンラインセミナーでは、まずは参加者がきちんと接続できるか、音声が聞こえるかどうか、という最低限のラインがそろって初めて、意味を成します。
そこからさらに、資料の見やすさとか、チャットで質問するとか、そういうプラスアルファの要素が出てくるんですよね。

当日は、運営の皆様は現地での設営や進行にあたっていただいていたので、岡野さんは東京から、わたしは大阪の自宅から、それぞれサポートさせてもらっていました。現地にいなくても、むしろいないからこそ、できることもたくさんあります。

改めて、オンラインセミナー運営というのは、講師、現地進行スタッフ、そして全体を見るスタッフがそれぞれ独立していたほうがやりやすいなあと感じた次第です。


⑤参加者比率はどうだったか?

5月12日に34名だったお申し込みは、
6月8日で70名程度
6月9日で83名
6月12日で100名突破…!と、どんどん増えていきました。

もちろんこの期間、わたしだけではなく、本当にたくさんの方々が拡散してくださっています。ネットの強いところはほんと、こういうとこだなーと。
ターゲットがきちんと決まっていて、そこに届けば、良いものは自然とひろがっていくんですね。

6月14日の締め切りを受けての最終申し込み数は150名超え。
伸びる勢いがやばいw
で、佐藤先生に、「例年と比較すると、うちわけはどうですか?」と聞いてみて、その結果を勝手にグラフにしてみました。

2020小児はり学会特別講習会参加者うちわけ

なんと半数近くが非会員。これは、当初のわたしたちの願いが達成されたことを意味しています。しかも学生さんが会員より多いんかいっ!ていう嬉しいツッコミもいれておきましょう。すごいすごい!!

小児はりは、養成校ではなかなか学べません。授業数がないからです。

だからこそ、学生さんはもっと小児はりのことを知りたい。小児はり学会さんには、ぜひこれからも、有益な情報をどんどん出していってほしいです。


⑥まとめ

わたしが主に請け負ったサポートは、
・参加者を増やす
・オープンチャットや当日ZOOMにて、参加者の質問に答える
・質問を講師につなぐ
・音声チェック
・講師への質問をまとめて現地運営に伝える

などなどでした。

講習会当日は念のため12時からZOOMに接続していましたが(講習会は13時半から)、目立った大きなトラブルもなく(把握していないだけだったら教えてくださいすみません)、参加者さんの高い満足度のもと、無事に終われたのではないでしょうか。

Twitterなどでは、「#日本小児はり学会」というハッシュタグで、皆様の感想ツイートがご覧いただけます。

今回の特別講習会で、日本小児はり学会に興味もったぞっていう方は、ぜひ、今年11月1日に大阪で開催される学術集会にもご参加ください^^

これはオンラインじゃないと思うけど・・・w


というわけで、長い文章を読んでくださり、ありがとうございました。

本編はここで終わりです。
この先は、わたし個人が感じた、反省点と、ほんまにほんまに個人的な感想です。見たい人だけ読んでください笑


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