種相不定の論
人類の文明を構築する処数千有年之相経過ぎ世界各地に目を致さば則ち種々なる文明社会を茲に見ゆるを得
茲に吾所見として、種相の相不定なるものどもに就て於く
先ず文明を有したる人類の集屯せる団体に於て必ず幾層たる種相と表するべきが如き人間の集団を造形す、是を以て人は集団を総体なりと看做さしめ、社会と謂う語を賜う
則ち社会中に在りて、更に小集団を以て種相と謂わしめんとす、種相なるは則ち或る特質たるを享有し囲饒して人を集団に属せしめ、其集団毎に云わしめるものなり
然らば集団不属なるものは如何なるものか
則ち非属種相たる人は明瞭たる信ずる所不持、流動安きと相成る
社会に於ては必ず何かの附標の貼付せらるものにて、彼ら不属種相人はその附標を相持たず、即ち一貫せる姿勢の相不求に、概して一貫せざるものと解す
又公なるものも持たざる間種相人に比して身に其行いを束ね縛りたるを持たざるものなり
然し乍ら不属種相人との接触は時に牽制なりと見做さるることも在り、又不属種相人は種相の不属にて、自らの行いは則ち総て自らの責を負う間則ち不属種相人の行動たるや行動の自由有之と雖も向行動後の自由の有らざるなりと謂う、公に不属と雖も社会に影響を与うることも慮るべし
則ち、不束縛の性に依り不属種相人の種相人と結べば即ち隠密然に、結ばざれば則ち些末なり
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