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Night Table vol.002

昨年の秋、キャンプ場で体験した美味しい思い出話を、すこし。

あの人とあの場所へ

「あの曽爾村のキャンプ場、連れてってくださいよ」と繰り返し言ってくる後輩がいる。彼女は曽爾村にあるプライベートキャンプ場・TOPOSに行きたいのだ。TOPOSとは…、1日1組限定のプライベートキャンプ場であり、さらに不定期ながらもイベント開催も行われている、何かと理由をつけて行きたくなるキャンプ場だ。

基本的に家で過ごすのが好きなわたしが、車を走らせてわざわざ行きたくなる場所はそう多くない。しかしTOPOSは、それにノミネートする数少ない場所の一つだ。それほどにTOPOSには独特の何かがある。ハンモックやピザ窯といった充実した設備はもちろんなのだが、それとは別にもっと温度感のある、なにか。

とにかく、後輩が連れて行けとうるさいからというコトにしてTOPOSに行くことになった。お目当ては、"Night Table vol.002"だ。


洗礼とおもてなし

Night Tableは、キャンプ場・TOPOSを会場として現れる、不定期開催のコース料理レストランだ。不定期開催につき、今回が3年ぶり2回目の開催。この日は"曽爾村産"がテーマのコース料理だ。

TOPOS でコース料理をいただくということは、外で食事をするということだ。季節は秋。暑くもなく寒くもない。虫に刺された数自慢大会が開かれることもない。みんなが大好きなちょうどいい季節。
…と思っていたが、ここは曽爾村。事前に"暖かい服装で"と案内されていたが、それでも…寒い。しかしそこは主催者が用意してくれていたカイロや、屋外用のストーブ(小型機のエンジンかと思った)の活躍で難を逃れた。

またそれに加えて、曽爾村在住メンバーの特別バンドによって音楽が提供された。生歌・生演奏での食事とは、なんと贅沢なことか。優しく夜に溶け込むような選曲にも心奪われた。

寒さは曽爾村の洗礼だったが、全員分用意されたブランケットと生演奏のおもてなしが私たちを優しく温めてくれた。




曽爾村産シェフと曽爾村産食材

この日のシェフは、曽爾村のトマト農家研修生の鬼ちゃん&タイ料理研究家のオングさん。2人のシェフによって曽爾村産にこだわった料理が振る舞われた。曽爾在住の2人だから&曽爾出身じゃない2人だから。どちらも曽爾の魅力を引き出すにはうってつけだ。

そしてこだわりの曽爾村産食材は…
ベビーリーフ
法蓮草
トマト
玉ねぎ
レモングラス
大和当帰
菊芋
柚子
パプリカ
バナナリーフ
バタフライピー
紅はるか

さまざまな食材が二人のシェフの手によって変化していく。「これはなんだろう?」「このいい香りはどこから?」と宝探しをするようにおいしさの秘密を探ったり、食べたことのない食材に出会ったり。またそれをお隣の席の方が教えてくれたりして、会話にも花が咲く。少しばかりの灯りに照らされたナイトテーブルは、見事に華やかに彩られていった。


みんなとBBQとキャンプ場

メインのお肉料理はBBQスタイル。特設コンロでシェフが焼き上げていく。みながそこに集う。あるものは写真をとり、あるものは暖をとり、みなが語り笑い合う。席を立ち思い思いに過ごしながらも、漂う美味しい香りで頬が緩む。みんな実に楽しそうに言葉を交わす。そしてふと、ここはキャンプ場だということを思い出す。ここに集う人々は、自ら楽しむことが得意な人たちなのかも。そしてここは、居合わせた人々が一つになって楽しむことができる、そんな場所なのかもしれない。



あとがき

心も胃袋も満たされたあと、主催の方々と話ができた。とてもいい夜だったと話したら、「次いつになるかわからないけど、また来てください」と。今回のNight Table、第2回を示すvol.002にという表記に気がついただろうか?これは「たくさん開催したい」という気持ちの現れだという。主催者は「100回まで行けますかね?」なんて笑って話していたが、どうやら3桁の数字の使い方を見誤っているようだ。ぜひvol.999を目指していただきたいと願っている。


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