見出し画像

オール・ドビュッシー・プログラムコンサートを終えて

4/10(土)に開催されたオール・ドビュッシープログラム・コンサート、おかげさまで無事に終演いたしました。

このような状況下でしたが、大変有難いことに満席となり、たくさんの方にお聴きいただけたことを嬉しく思います。

公演を終えて気付いた課題はたくさんあるのですが、以前からずっと挑戦してみたかったオールドビュッシープログラムで演奏会の機会をいただけたこと、また、企画をはじめ、たくさんのサポートをしてくださった松井クラシックのスタッフ皆さまに、心から感謝いたします。

画像1

画像2

画像2

当日のリハーサルでは、調律師の高橋さんと一緒に、納得のいくまで響きを追求しました。
ピアノの位置やヴァイオリニストの立ち位置によって変化する音の響き。高橋さんの心強いサポート、そしてアドバイスにより、安心して本番を迎えることができました。


オール·ドビュッシー·プログラム Claude Debussy ( 1862-1918 )

第1部
牧神の午後への前奏曲(J.ハイフェッツによるヴァイオリンとピアノ編曲版/1984)
Prélude à l'après-midi d'un faune (arr. J. Heifetz for violin and piano)

2つのアラベスク(1888) Deux Arabesques
1 Andantino con moto
2 Allegretto scherzando

ベルガマスク組曲より「月の光」(1905)  Suite bergamasque "Clair de lune"

喜びの島(1905 )  L'Isle joyeuse

>>> intermission

第2部
映像第1集(1904-1905 ) Images I
1 水の反映 Reflets dans l'eau
2 ラモーを讃えて  Hommage à Rameau
3 動き Mouvement

映像第2集(1907) Images II
1 葉ずえを渡る鐘の音 Cloches à travers les feuilles
2 そして月は廃寺に落ちる Et la lune descend sur le temple qui fut
3 金色の魚 

>>> intermission

第3部
ヴァイオリンソナタ ( 1916-1917 ) Sonate pour violon et piano violin
I Allegro vivo
II Intermède. Fantasque et léger
III Finale. Très animé
 ヴァイオリン 富山 宏基  TOMIYAMA Hiroki

(感染予防対策により、公演中に2度換気の時間を取りました。そのため3部構成になっております。)

プログラムは、主に作曲の年代順で並べました。
ドビュッシーの作曲技法は、時代を追うごとに常に発展していて、今回のプログラムでは第2部に進むにつれて、ドビュッシー独自の響き、世界観が深まっていきます。

個人的に特に好きな作品は、映像第2集です。ドビュッシーは、1988年のパリ万国博覧会で、ジャワのガムラン音楽に接して以来、東洋の音楽に魅了され、東洋風の五音音階などを作曲にも取り込みました。また、日本の絵画や工芸品のコレクターでもあり、葛飾北斎の浮世絵から多くのインスピレーションを得たといわれています。

映像第2集は、特にジャポニズムの影響が濃い作品集であると感じます。全音音階を用い、静寂の中に遠くの鐘の音がしみ込んでいく第1曲。異国的とも中世風とも感じ取れるような、独特な趣を出している第2曲。そして、第3曲「金色の魚」は、2匹の鯉があちこちで身を踊らせたり、身を潜める動きが、流れるようなパッセージで表現されます。これは、ドビュッシーのコレクションの一つであった、日本の漆器盆に描かれていた、柳の下を泳ぐ2匹の鯉から着想を得たといわれています。

画像3

コンサートの締めくくりは、最晩年の作品 ヴァイオリン・ソナタ を選びました。おおよそ15分間の中に、ドビュッシーの全ての要素が詰め込まれています。

今回、ゲストとして共演して下さったヴァイオリニストの富山さんとは、何度も合わせを重ね、丁寧に一つずつ音楽を作り重ねていく楽しさを教えてもらいました。これからも共に、さまざまな曲に挑戦していきたいと思います。


最後に、上手な人がたくさんいる中で、自分が演奏をさせていただく意味は何だろう?と考え自信がなくなりそうになる時もあるのですが、演奏を喜んでくれた生徒さんの笑顔や、応援してくださっている方々を今回特に間近で感じ、今後も自分に出来ることにしっかりと取り組んでいこうと気付くきっかけにもなりました。

画像4

↑ ドビュッシーをイメージして作ってもらったよ!と友人が用意してくれた花束💙いまにも音が溢れてきそうで、しかも今回のプログラムにピッタリな色合いで感激しました!

ひとつのポイントとなった、今回の演奏会。経験させていただいたことを、次の公演、また今後の指導に繋げていきたいと思っております。
ご来場いただいた方、そして応援してくださった方に御礼を申し上げます。

今後ともどうぞよろしくお願いいたします。​


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?