98%の人はマルチタスクができない:生産性の悪化だけではない弊害
「マルチタスクが苦手でどうしてもできない。あの人みたいにテキパキいくつもの仕事ができるようになりたい!」
「マルチタスクをすると生産性が下がるっていうけど、実際は時間の節約になって結果的に効率が上がる気がする。」
そんな方に向けて書いています。
この記事で、次のことがわかります。
・98%の人はマルチタスクができない
・マルチタスクのデメリット
・マルチタスクができるケース(こちら)
この記事の結論を言えば、「人間はマルチタスクが苦手で、デメリットが大きいのでやめた方がいい」ということです。
かくいう私は、実はマルチタスクをしょっちゅうやっているタイプです。
しかし、この度ベストセラー本「Think Like a Monk」のなかで、改めて上記のようなマルチタスクのことを学び、マルチタスクをやめました。
自分への戒めも含め、マルチタスクをしてしまう人のお役に立てば幸いです。
※引用は、特にことわりのない場合Think Like a Monk: Train Your Mind for Peace and Purpose Every Day (English Edition)より行っています。
マルチタスク・シングルタスクとは
そもそも、マルチタスクとはどういう意味なのか確認しておきましょう。
マルチタスク (multitasking) は、複数の作業を同時にもしくは短期間に並行して切り替えながら実行することをいう。
マルチ(multi-)とは「複数」の意味であり、タスクは作業のことです。
マルチタスクの対義語は、シングルタスクです。
シングルタスクの意味は、辞書上ではコンピューターが同時に一つのタスクしか実行できない方式のことを指します。
ここでは、その名の通り1つの作業だけを行うことを指してシングルタスクといいます。
98%の人はマルチタスクができないという事実
マルチタスクができない、苦手だと悩んでいる人に朗報です。
本書「Think Like a Monk」の中で、著者は以下の研究結果を引用しています。
研究によると、マルチタスクを効果的に実行できるのは人間のうち2パーセントだけです。人間のほとんどは、特にそれらのタスクの1つに集中力を要する場合、マルチタスクをひどく苦手としています。
つまり、マルチタスクができないと悩んでいる人は、マルチタスクはできなくて当然だということがわかります。
むしろ、できないのが当たり前なので、無理してマルチタスクをする必要はありません。
よかったですね。
マルチタスクとは、タスクの切り替えである
マルチタスクと聞くと、複数のタスクを同時に並行してやっているような印象を受けます。
実際には、私たちの脳にはそれができません。
私たちがやっているのは、複数のタスクを瞬時に切り替える作業です。
マルチタスクは、「セベラルタスキング」「タスクスイッチング」といった方が正確と言えます。
マルチタスクのデメリット
人間の構造は、マルチタスクには向いていないことがわかりました。
では、マルチタスクをすることのデメリットには、何があるのでしょうか。
どうして、マルチタスクをしないほうがいいと言われるのでしょうか。
本書「Think Like a Monk」の中で、理由は主に2つ書かれています。
研究による裏付けもあります。
効率・生産性が低下する【マルチタスクのデメリット①】
マルチタスクをすると、いくつもの作業が同時に進められ効率が良いように思われますが、実際には反対の効果があります。
マルチタスクをすると、効率・生産性が低下します。
さらに、複数の作業を瞬時に切り替え、細切れの作業をすることで、1つのことに集中する力が損なわれてしまいます。
スタンフォード大学の研究者は、学生のグループを2つのグループ:メディアの複数のストリームを頻繁に切り替える人(メール、SNS、ニュースの見出しなどをチェックする人)とそうでない人に分けました。
彼らは、一続きの文字を覚えたり、特定の色をした形に焦点を合わせて他の文字を無視したりするなど、一連の注意力と記憶力を要するタスクをグループに課しました。
(結果)メディアの複数のストリームを頻繁に切り替える人は一貫してパフォーマンスが悪かったのです。さらに、タスク切り替え能力のテストではもっと悪い結果でした。
歯磨きをしながらLINEをチェックしたり、料理をしながら電話をしたり。
わかりやすい例では、歩きスマホやスマホを見ながらの運転です。
処理能力を必要とする作業は、他の動作(人にぶつからないように歩く、安全に運転する)とマルチタスクできません。
「二兎を追う者は一兎をも得ず」で、時短のつもりが逆に作業能力を落としているのです。
〇〇を感じにくくなる【マルチタスクのデメリット②】
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