見出し画像

がん発症原因の大半はDNAの複製エラー「がん対策」のトリセツを調べてみた!

【 あしたが変わるトリセツショー】

10/17のNHK「あしたが変わるトリセツショー」で
「がん対策」のトリセツと称して『がんは運』という内容の
放送がありました その概要は・・・

■がんの原因は、誰にも起きる細胞分裂のコピーミス!
「うちはがん家系じゃないから大丈夫!」「タバコも吸わないし」
「食生活も気をつけているし」と思っていませんか?
がんの原因は遺伝や生活習慣などさまざまあります
しかし最近、意外な原因が大きな要因となっている可能性が示されました
それが遺伝子のコピーミスです
私たちの体はおよそ60兆個の細胞からできていて、毎日およそ1兆回の
細胞分裂を行っています
しかし、細胞分裂の際に、細胞の設計図である遺伝子のコピーミスが起きてしまうことがあります。これががんの始まりです…

番組で示していたがん化の要因グラフ

※この番組の結論としてはガンは初期症状がほとんどなく
 ガン家系ではなく生活習慣に気をつけていたとしても
 ガンにかかるリスクは誰しも大きな割合であるので
「がん検診を受けましょう!」というものでした

【 この内容のエビデンスを調べてみた 】

この放送内容のエビデンスとなる情報を調べてみたところ
次の記事が見つかりました
Nature ダイジェスト Vol. 14 No. 6
DOI: 10.1038/ndigest.2017.170606
上記のグラフの出典と同じなので間違いないと思います
以下、その記事からの抜粋です

環境要因や遺伝要因が、がんリスクに及ぼす影響は、研究者が考えているほど大きくないかもしれない
がんを引き起こす変異の3分の2近くは、細胞がDNAをコピーする際に起きたエラーが原因であることが数学モデルから示唆された
この知見は、ジョンズホプキンス大学シドニーキンメルがんセンター(米国メリーランド州ボルチモア)の数学者Cristian Tomasettiおよび遺伝学者Bert Vogelsteinらにより2017年3月23日にScienceに発表された
Tomasettiらは、がんを引き起こす変異への環境、遺伝、ランダムなDNA複製エラーの相対的な寄与について計算した
すると、がんによってこれらの要因が寄与する割合が異なっていることが分かった。例えば、肺がんの一種である肺腺がんでは、がんを引き起こす全ての変異のうち65%が環境要因(または遺伝要因)で、複製エラーは35%を占めるのみであったのに対し、前立腺、脳、骨のがんでは、がんのドライバー変異の95%以上が、DNAをコピーする際に生じるランダムなエラーによって
生じていた
総合的に32種類のがんについての計算から、がんを引き起こす変異の約66%
がDNA複製の際のランダムなエラーによって生じており環境要因による変異
は29%のみで、遺伝的変異は5%であることが示された

【 この記事の結論は次のようなものでした】
「全体として、このような議論は、がんの原因のより良いモデル開発を目指す分野を活性化するのに役立ちました。議論を通してたくさんのことが明らかになり、それが非常に役立っているのです」とNobleは言う。
Vogelsteinは、この結果により、患者とその家族、特にがんの子どもを持つ親が、がんの罹患で感じる罪の意識を少しでも軽減できたらと思っている。
多くの人が利用するインターネットを用いてがんの原因を検索すると、
ある生活様式あるいは遺伝子によって引き起こされるという答えが得られることが多い。
「がんは何をしていたとしても発症したのだと理解する必要があります。
がんというすでに困難な状況に、罪の意識を加える必要はありません」
とVogelsteinは言う。

※ガンに罹ってしまったことに罪悪感を覚える必要はない

ガンに罹ってしまったことの不運を嘆くのは仕方ないと思います
ただ、ガンに罹ってしまったことで罪悪感を覚える必要はないと
この研究者たちは言っています
いまや日本人の2人に1人はガンに罹ると言われています
ガンの検診体制や治療技術も日進月歩で進んでいます
不必要な後ろめたさや悲観的な感情をできるだけ排除して
前向きに対処していくことが大切なのでしょうね
そしてなにより『がん検診』を定期的に受けることが大切!
“自分事”としてとらえて多少の費用と時間を融通して
ぜひ検診を受けてもらいたいとガン罹患経験者としては
切に思います

がん検診を受けましょう!

ではまた!


いいなと思ったら応援しよう!