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299.白澤裕子ちゃんとのてんけん隊復活! at 室生山上公園芸術の森(7) ~翼の冒険~

(どこに向かって、どこを飛んでいるのだろう?)

舞い降りていく先にいるのは、よく見ると、自分。

その瞬間、体幹を貫く、

(私が私を助けにいく)
(私を助けにいくための翼)

という衝動。

***

裕子ちゃんの絵筆と、浜田えみなの文筆。
2本の筆が生み出すアルケミー。

(本文より)

◆翼の冒険
◆着床した種とは
◆羽黒山
◆出羽三山
◆翼の変容
◆次の物語が始まる

******************

◆翼の冒険

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裕子ちゃんに創ってもらった「翼のお絵描きフォト」を受け取ってから、さっそく、デスクトップPCの壁紙にした。
部屋に入ると、どこからでも見え、目にするたびに、背中に翼の根を感じることができる。

数日後、〈PCのモニターいっぱいに広がる翼と、鳥人間のような自分〉が、突然、画面から浮き上がったような気がした。

身体は部屋の中にいて、机の上のPCの壁紙を見ているのに、脳内には、画面から浮き上がった私が、翼を羽ばたかせて飛翔して、飛んでいくイメージが、同時に進行している。

(どこに向かって、どこを飛んでいるのだろう?)

舞い降りていく先にいるのは、よく見ると、自分。

その瞬間、体幹を貫く、

(私が私を助けにいく)
(私を助けにいくための翼)

という衝動。

NLPのタイムラインセラピーで、過去のブロックを解放するように、私は、いつでも必要なときに、私のそばに行ける。

(そのための翼)

山が二つ連なる大きな振動を、背中に感じる。
時空を駆ける疾風を、頬に、髪に、首筋に、翼に、感じる。

(置き去りになっている私を、すくうための翼)

突然、動き出したイメージの世界の翼と、現実の世界で静止しているPC画面の翼が、同期する。

イメージの世界には、いつの自分なのかもわからない、たたずんでいる自分がいて。
PC画面のままの表情で、翼をはためかせ、そのそばに舞い降りようとしている自分がいて。

ふたりの自分を俯瞰している私。
どちらの自分も、体感している私。

◆着床した種とは

大橋和さんのメタモルフォーシスのワークショップで、イメージワークを体験したとき、

「何か自分を目覚めさせるもの、命を吹き込むものがやってきます」

という誘導の言葉を聴いて、「鳥」の顔が視えた。

次に、

〈鳥は森の向こうからやってきて、別の世界からの種を落とす〉と感じ、
〈その種が自分の中に着床したことを体感〉した。

そのときのことを、室生山上公園芸術の森で、裕子ちゃんに話しながら、この翼を描いてもらった。

……私は、自分を助けてくれる「誰か」や「何か」が、外からやってきてくれると思っていたけれど、

(ちがう)
(私なんだ)

あのときに、着床したのは、その「私」だった。

(鳥は、私)
(私が、私を助けに行く)

裕子ちゃんが、描いてくれたのは、「その翼」

(私は、どんな私も、助けることができる)

◆羽黒山

てんけん隊のあと、図書館に行く機会があり、何冊か小説を借りた。

直木賞を受賞し、映画化された「鉄道員」の著者 浅田次郎氏の『神坐す山の物語』という短編集を、先に読みはじめた。

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通勤電車の中で、少しずつ読んでいると、その中の「聖」という作品に、「羽黒山で修行を積んだ山伏」が出てきた。
どこにある山なのか、どのような山なのかが書かれていなかったので、気になって調べると、山形県にある出羽三山の修験の山だとわかった。

三つの山の名は、羽黒山(414m)・月山(1984m)・湯殿山(1500m)

羽黒修験道では、

羽黒山は、「人々の現世利益を叶える現在の山」、
月山は、「祖霊が鎮まる過去の山」、
湯殿山は「新しい生命いのちの誕生を表す未来の山」

とされ、この三山を巡ることは、死と再生を辿る「生まれかわりの旅」といわれているとのこと。

***

その本を読み終わったあと、千早 茜氏の『神様の暇つぶし』という本を読み始めたら、この小説にも「羽黒山」が登場した。

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こちらの小説では、訳あって鶴岡市を訪れた二人が、バスに乗って羽黒山を参拝するシーンが描かれている。

登場人物の視点を通して、インターネットで見ていた画像が結ばれ、まるで映画を観ているようにイメージができ、いつのまにか、訪れたこともない羽黒山のバス停から、2466段あるという石段を登り切り、赤い鳥居をくぐって、山頂の神社をお参りしたような体感がある。

***

そんな中で、裕子ちゃんに描いてもらった翼の元になるイメージワークをしていただいた大橋和さんのタイムラインに、山形の「鳥海山」を訪れているという投稿があがり、「鳥」「海」「山」という文字に、翼に秘められたキーワードのリンクを感じた。

(鳥海山って、どんな山なのだろう?)

と気になり、画像を検索すると、想像を超える美しさ。

残雪が残る写真が多かったが、角度によっては、裕子ちゃんが描いてくれた翼に見えなくもない写真があり、ますます、翼が神格化されていく。

そして、数日後、和さんが、「現在・過去・未来」を表すという出羽三山の、月山の八合目にいらっしゃるという投稿が、タイムラインに飛び込んでくる。

(羽黒山・鳥海山・出羽三山)
(これは、何かのメッセージだろうか?)
(メッセージは、いつから始まっているのだろう?)

(奇岩や洞穴が多く、古くから竜神の住み家として信仰を集め、祈雨や止雨の霊地とみなされた室生の地を訪れたときから?)
(図書館で本を手にとったときから?)
(「羽黒山」という文字に、目が留まったときから?)

(何を伝えたくて、シンクロが続いているのだろう?)

◆出羽三山

三つの山がどのように位置しているのかが知りたくなり、アクセスを調べると、羽黒山は三つの中では小さい標高414mの山で、そこから、月山8合目まではバスで1時間ほどの距離。
月山と湯殿山は、〈標高1500Mのあたりで連なっている〉ことがわかった。

そんなある日、裕子ちゃんから、翼を加工したzoomの背景画像が届いた。

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翼というより、もはや美しい山並みにしか見えず、裾野のピンクは、山里に桜が咲いているかのよう。

しかも……

(山が3つになっている!!)

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(原画の画像 向かって左側に注目)

いったいどういうことなのだろう? と思い、裕子ちゃんに、

・図書館で借りた本のうちの2冊に「羽黒山」が書かれていること
・「羽黒山」は出羽三山の一つだということ
・イメージワークの先生が「出羽三山」に旅行されている投稿を目にしたこと
・裕子ちゃんの画像が山にしか見えないこと
・山が、3つに増えていること

を伝えると、速攻で

「羽黒山伏の星野さんって人の本をもってるよ。山は、ちょうど合成するときに下の画像と重なって、こんな風になったの。連なってるのもいいなと思って、わたしがあえてそうしたんだよ⛰️ 笑えるーすごい!」

という返信が届いた。

(羽黒山伏!)

父方の祖父は、高野山で修行をした僧侶で、剣山で修行をした修験者だ。
徳島県神山町の父の実家で、祖父に、山伏の装束と、ほら貝を見せてもらったことを覚えている。

裕子ちゃんは、「修行願望が昔からあって、山伏に憧れてたの」とのこと。
私も、修行系。

メッセージは、いつから始まっているのだろう?

(裕子ちゃんと私が出会ったときから?)
(誰からの、どんなメッセージが届こうとしているのか)
(私に? それとも二人に?)

◆翼の変容

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届いた画像をzoomに取り込んで、その前に座ってみる。
バランスを調整してくれるとのことで、画像を送る。
結果的に、画面をはみだす、大きな翼になった。

画像5

「あ、なんか。羽だか山だかわからないかんじ。こっちの方がわたしは好きだけど、どうだろう? ピンクの部分が、山の花畑みたいに見えるねー」

という裕子ちゃんのコメントに、

「翼というか、もはや、私の目には、山にしか見えないんだけど(笑)」

と答えると、

「翼だと思ってたら山だった🤣 どっしり大地に根ざしているからこそ、空を高く飛べる❤️」

と返ってきた。

〈翼を描いてもらったら、山になった〉

たしかに、最初は、翼だったと思う。

(裕子ちゃんに描いてもらったとき)
(お絵描きフォトをもらったとき)

なぜなら、あの朝、ふいに始まったイメージの中で、私は、私のそばに舞い降りたから。
私を救いに行った翼のはばたきを、今も背中に思い出せるから。

(翼の変容?)
(翼の冒険?)

いったい、どこまでが、裕子ちゃんの魔法なのだろう?

「わたしのただの思いつき、いきあたりバッタリの、計り知れなさを感じてるよ🤣
わたしだけでは、意識でききらない部分も、えみなさんは細かく拾ってくれるから、
面白くなってるんだよ~」(裕子ちゃんの言葉)

裕子ちゃんの絵筆と、浜田えみなの文筆。
2本の筆が生み出すアルケミー。

(誰にでも起こることなのか)
(ふたりだから起こるのか)
(翼は、さらに進化していくのか?)

◆次の物語が始まる

翼の変容を目の当たりにして、感じることがある。

翼には、その人の本質である「生涯変わらないもの」のほかに、「そのとき」、「いまいる場所から飛翔するために必要」な、「出世魚みたいに形を変えていく翼」があるのではないか。

さらに、裕子ちゃんが描いてくれる翼は、理性で考えている望みではなく、もっと奥の、その人の本質から湧きだしてくる、ほんとうにやりたいことが現れ、具現化され、その人をいざなうこともあるのではないか。

(私が私をすくいに行ったように)

……そんなことを感じている。

翼を羽ばたかせた体感や、行動は、その人の中から生まれた宝物だ。

今回、描いてくれた翼が、どちらなのかはわからない。
だとしたら、次のてんけん隊の場所でも、二人でおしゃべりしながら、描いてもらうのはどうだろう?
そうしたら、翼の冒険と変容を観察することができる。
起こったことを言語化することができる。

裕子ちゃんに提案すると、

「すごい!そうだね、どんどん変わるね✨ わたしたちが、実験台。また、そのときに翼描こう~🕊️」

という言葉が返ってきた。

裕子ちゃんと私の「次の物語」が始まる。

画像8

浜田えみな

次回のてんけん隊は、8月19日。
どこに行くのかは、秘密です。

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