見出し画像

460.【財布を落とす】(2024.1.20)

財布を落とすとはどういう暗示なのか? 
落とした財布が、また戻ってくるとは、どういう暗示なのか?
財布を拾って、届けた人は、どういう暗示を受け取ったのか?
 
(本文より)
 
**************

 
尾道で活動されているイラストレーターの高垣真理さんが、お仲間たちとグループ展をされている天王寺のギャラリーに向かう。
 
JR天王寺駅北口から6分と書いてあり、迷わなければ10分以内に到着できるはずで、しかも、私は、このギャラリーで開催されている、真理さんたちのグループ展に2回、もしくは3回、足を運んでいるのだけど、ここ数年は、開催がなかったか、真理さんが来阪しなかったので、観に行ってなくて、場所がうろ覚え。
 
それにしても、案内ハガキに印刷されているギャラリーの所在地は、どうして、どれもこれも、デザイン化されていてわかりくいのだろう?
 
さらに、どうして、ギャラリーは、どれもこれも、通りから横道に入った、一見、わかりにくい場所にあるのだろう?
 
というわけで、事前に、グーグルマップで確認し、ギャラリーを超えたところに「神社」があり、「神社まで行ったら行き過ぎ」という警告を頭に入れ、
 
(きっと、近くまで行けば覚えているはず)
 
と、意気揚々と駅から坂を登っていく。
その時点で、(こんな坂やったかな?)と、すでに記憶があいまいなのだけど、地図を信じて。
 
そして、やっぱり、曲がり角を通り過ぎていて、気づけば、神社。
 
せっかくなので、お詣りしていくことに。
 
事前にも少し調べていて、帰りにお詣りする予定だった神社は、「堀越神社」

聖徳太子が四天王寺ともに建立されたという、由緒ある神社で、一生に一度の願いを叶えてくれる「ひと夢祈願」の御祈祷をしていただけるとのこと。
 
御祭神をお祀りした本殿のほか、いくつかのお社があり、こじんまりしたご神域に、たくさんの人がお詣りされている。
 
私も、本殿からお詣りをはじめる。
 
いくつかのお社のうち、そこだけ列をなしているお社があり、女子3人のグループなのだけど、祈願の時間がとても長く、(このお社が、ひと夢祈願?)と思ってしまうほど。→ ちがいます。
 
並んでいると、天王寺駅を出るときに、「もうすぐ着きます」とメッセージを入れた時間を大幅に過ぎそうだったので、いったん、ギャラリーに向かおうと、鳥居をくぐりかけたところで、案内の札に書かれている「黒龍社」の場所がわからないことに気づき、もう一度戻って、境内をさがしたのだけど、みつけられない。
そこで、ふと、みると、さきほどまで並んでいたお社が、ぽっかりあいている。
 
(お詣りしていこう!)
 
と思い、どうして、女子3人が、本殿ではなく(本殿でもそうだったのかもしれないけれど)、このお社で、あんなに長いあいだ手をあわせていたのかはわからないけれど、祈願させていただくことに。
 
で、お賽銭を入れようと、背負っていたリュックをあけると、
 
(ない!)
 
手提げのカバンに入れたのかもと思い、そちらもみるけど、
 
(ない!)
 
まっさおになりながら、境内のすみで、リュックやカバンの中身をとりだし、底までみたけど、
 
(ない!)
 
出し入れしたのは、お賽銭のときだけで、どこかに置いた記憶もなく、落とすことも考えられず、手をあわせているときは、地面に置いていたけれど、誰かが近寄ってきた気配も感じなかった……
 
(しかし、ない!)
 
ないのだから、ないと腹をくくり、財布の中に入っているものを冷静に思い出し、まず思ったのは、
 
(カードを止めなきゃ)
 
なぜか、見つかるという発想がなく、社務所の人に伝えても仕方ないので申し訳ないけど…… と、恐縮しながら、社務所で、
 
「財布が見当たらなくて……」
 
と伝えると、あきらかに空気が変わったことがわかり、(もしかしたら、届いているのかも!)という期待に胸がふくらむ。

だけど、さすがに向こうからは、詳細は伝えてくれず、届いているかどうかもハッキリ言ってくれず、もどかしいのだけど、なんとなく、希望の光が感じられたので、急に元気になり、財布の形状と、中に入っているものを、並べたてる。
 
財布には保険証も入っているし、かばんの中に残っている定期券や職員証で、身分証明もできる。
 
お賽銭を入れるときに小銭を何度もとりだしたので、カメラのように焼き付いていて、どんな硬貨が入っているか、いくら残っているかも伝えることができる。
 
というわけで、お財布、届いていました!
 
(もしも、「黒龍社」を探しに戻らなかったら)
(「太上神仙鎮宅霊符神」……「ちんたくさん」と呼ばれているという神様にお詣りしようと思わなかったら)
(お賽銭を入れようと思わなかったら)

 
財布がないことに気づいたのは、もっとずっとあとで、こんなに早く、手元に戻ってくることはなかったと思う。
 
ご神域ってすごい。
 
(財布を落とすとはどういう暗示なのか?) 
(落とした財布が、また戻ってくるとは、どういう暗示なのか?)
(財布を拾って、届けた人は、どういう暗示を受け取ったのか?)

 
どこに落ちていたのかはわからないけれど、ご神域に財布が落ちているのを見つけ、それを拾い、届けてくれた人も、きっと、大きなご加護の予感を感じていらっしゃることと思う。
 
守られていることのありがたさ、人の心の美しさ、汚れない心の尊さを感じ、ものすごくうれしくて、ふくらむ思いで、一度は失ったと思ったお金なので、あらためて大枚を賽銭箱に納めて、祈願。
 
ご本殿にもお礼に伺い、足取りも軽く、鳥居をくぐると……
 
お宮参りのご家族がいて、若いパパさんが、赤ちゃんを抱いたママと、2歳~3歳くらいのお姉ちゃんの写真を撮っている。
 
受けとった幸せが大きく、あふれだしてしかたがない私は、「撮りましょうか?」と声をかけ、写真を撮らせてもらう。
 
パパは、めっちゃイケメンで、ママも美人で、お姉ちゃんもかわいくて、雑誌のモデルみたいな家族で、ビジュアル最高。
私のカメラでも撮らせてほしいくらいだ。
 
赤ちゃんの名前を尋ねたかったし、名前のことだま®の山下弘司先生から教えていただいた、お宮参りの由来もお話したかったし、いっぱい、口からあふれだしそうだったけれど、話し出すと止まらないとわかったので自粛して、近々、私も、お宮参りの神様にご挨拶に行くと決める。
 
堀越神社様に深々と一礼をして、勢いよく、階段を駆け下り、どのくらい遅刻しているのかわからないけど、ギャラリーに向かってダッシュ!
 
グーグルマップでみても、ほんとうにこの道なのかわからなかったけど、半信半疑で曲がったら、記憶とはちがう、通りの反対側に、グループ展の看板が出ていて、自分の記憶の不確かさに倒れそうになりながら、ようやく到着。

真理さんとの再会と、ギャラリーでのことは、次の投稿につづく。
 
 浜田えみな

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?