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434.【イニシエーション ~屋久杉玉を磨いています~(後編)】

3次元まで磨いた屋久杉玉は、とてもいとおしい。
手のひらにつつむと、カーブのなめらかさが、てのひらになじむ。その軽さも。その重さも。
おまもりみたいに、安心する。
見ているだけで、癒される。
小さな袋に入れて、朝、一緒に家を出る。
職場のデスクのすみっこに置いて、ちらちら見ながら仕事をする。
まだ、仕上がっていないのにね。
 
帰宅して、4次元のやすりをあてていく。
佐藤なーやさんは、「むく」とおっしゃっていた。
 
(屋久杉玉をむく)

どんどん、おおわれたものをむいて、自分の核にちかづいていく。
この次元になると、もうやすりの粉は出ない。
ここから、磨いていくのだと、気持ちがあらたまる。


今、手にしている屋久杉玉は、以前、ワークショップで磨いたものより、樹脂が少ないのか、色が白っぽいように感じる。
でも、磨いているうちに、だんだん、しみだしてきて、とてもいい香りがする。
 
ふと、端っこに見えていた年輪が、同心円状になっていることに気がつく。

 

(太陽みたい!)
 
年輪について調べていると、黒いところは、夏から秋に成長したところで、白いところは、春に成長したところ、冬は成長しないと書かれたものを見つけた。黒く見える理由も書かれていた。
 
「1年に1本」ということは知っていたけれど、季節が特定されているなんて、考えもしなかった。
比較の写真が並べてあり、屋久杉は、ほかの樹木とくらべて、年輪の幅が圧倒的に狭いことに驚く。
屋久杉は、とても過酷な状況で成長するので、年輪が密で、樹脂を多く含んでいるそうだ。
だから、強い。腐らない。香がよい。
 
私が磨いている屋久杉玉も、こんなに小さいのに、年輪の線が数えきれないほど密で、繊細で、美しい音楽のように刻まれている。
 
1年間で1ミリも生育していない箇所もある。広がっているところもある。
 
4次元のやすりを使いきり、5次元のやすりに変えて、しばらく磨いていると、もう一つ、中心が見つかる。


先の部分も、そうだとわかる。


(3つ!)

こんなに小さな木片に、中心が3つもある。

 (枝にも、年輪ができるのだろうか?)
(3方向に枝別れしている箇所?)

最初は、イメージできなかったのだけど、先のほうの細い部分なら、いくつも小さな枝を伸ばしているところもあるのかもしれない。

(3つの同心円)

それぞれ、趣のちがう3つの輪をみていると、「名前」のことを思う。

「ゆきえ」
「えみな」
「みわ」

今、「ことだまこうしえん」というイベントに、「エントリー者」の幸枝さんと、「サブパートナーの美和さんと、3人で参加している。

やまとことばは、1音で意味と働きを持つ。
小さな屋久杉玉の中に、3人の名前のことだま®があることに気がつく。
 
「ゆきえ」さんの「き」は木(屋久杉)、「え」は枝。
「えみな」の「え」は枝、「み」は、水。
「みわ」さんの「み」は水。「わ」は「和・輪・環」

 
そして、「み」は、古代数詞ひふみの「み」
 
「3」の持つエネルギーに、ずっと救われている。
2人だと、極を作るので、お互いが両端を持った糸は拮抗状態になり、動きが生れない時でも、3人が糸の両端を持って、輪を作ると、ピンと張り合うことのほうが難しく、ゆるみがあって、動きがあって、風通しがよい。
 
(枝には木が必要で、木には枝が必要)
(木の成長には水が必要)
(水は、天と地を巡り、循環している)

 
それから、いざなみ、いざなぎの神様の名前にあるように、「き」は男性性、「み」は女性性を表している。
 
男性性と女性性のバランスは、1:2が、ちょうどいいのかも。
 
5次元のやすりを半分まで使ったところで、立ち止まる。
 
(使い方はあっているのだろうか?)
(どのくらい磨けばよいのだろう?)

 
対面のワークショップでは、佐藤なーやさんがチェックをしてくださり、合格したら次のやすりに進むので安心なのだけど、自分でやっていると、できているのかどうか微妙~。


 ここからは、対話するのだ、と思う。
 
「水で鏡を磨く」ワークでは、水を介して鏡と対話した。
 
「き」は「気」 気配。空気。
「屋久杉玉」は、気を介して、対話が生れる。
 
(私は何を話すのだろう)
(私は誰と話すのだろう)

 
そうだ、名前をつけよう!
 
にも。屋久杉玉にも。
 
***
 
私を、屋久杉玉磨きのワークショップに誘ってくれた友人は、屋久杉玉を手に持った瞬間、その意味するところがわかって、びびって逃げ出しそうになった私とちがって、何度もワークショップに参加して磨いている人なのだけど、大切すぎて、すぐには磨かず、少しずつ時間をかけて磨くと言っていた。
 
そのときは、どういうことなのかわからなかったけど、今はわかる。
わたしも、時間をかけて、ふれたい気持ちになっているから。
 
未完成のままでも愛おしくて、いつでもどこでも、連れて歩きたくなっているから。
 
お迎えしてから、1年間。
送られたきたときのレターパックのまま、ラックに立てかけたままで、たまに、香をかいだりしたものの、どうしても磨き始めることができなかった心境は、なんだったのか。
 
(先に鏡を磨いた体験が、起爆剤になったのかも)
 
そして、その前には、「志明院」の「水の産声」の体験がある。
 
「水の産声」は、「マザーオーシャン」の映画につながり、「屋久島」につながる。
 
屋久島は、日本でいちばん雨量が多いと言われている。
 
(「雨」は、天からの手紙)
(「雨音」は、「受け取りました」という返事)

 
ひとしずくは、どんなふうに旅を終え、循環し、生まれゆくのだろう。
今は、旅の途上。
 
浜田えみな
 
最後まで磨いたら、披露します!
 
(前編) 

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