合理的配慮について-ともにアップデートする時代へ-

4/1より合理的配慮の提供が義務化された。
障害者から配慮の相談などがあれば話し合いの場を設け、障害を理由に差別的な扱いをしてはいけないという旨の法律。

障害を持つ当事者としてはこの法律が施行されたことはありがたい。
だけど、介助出来る範囲や店や施設の規模によってハード面のバリアフリーを整備できる範囲は限りがある。

飲食店を例に上げると、
・介助用スロープを用意して段差を解消
・車いすユーザーが着席する際に椅子を移動させる
・身体障害者の場合は店員がセルフサービスの水を入れて席に運ぶ
などは、専門的な介助技術は必要なく配慮の一環として対応が出来る。

一方で、
・急角度や狭い階段での車いすを持ち上げる介助
・抱きかかえての席移乗
・古いビルにテナントに入ってる店や狭い面積で経営してる個人店で広い通路や入口を確保する
などは、物理的な問題や危険が伴い専門的な技術と対応する人数も必要になることなので事業者側で対応するのは難しい。

対応出来るラインを健常者と障害者の双方がお互いに理解しておく必要がある。
これをお互いに見誤ってしまうと、大ケガなどのトラブルや先日のイオンシネマのような問題に繋がる。

近年、エレベーターやスロープの設置等のハード面での設置は進んだ。それによって、障害者が外出することが珍しくなくなり街で見かけることも増えた。
これから先は、ソフト面でのバリアフリーの推進が課題となる。
健常者と障害者双方が対話を行い、ともに妥協点を探る努力が重要になってくる。
障害者の正当な意見には耳を傾けてもらえる時代になりつつある今、ゼロからバリアフリーを作らないといけなかった約半世紀前の障害者運動のような手段を選ばない訴え方では賛同を得ることは出来ない。
障害者も相手の話に耳を傾け事情を汲み、感情的にならず当事者の立場から主張し建設的な話し合う姿勢を取ることがこれからの時代は求められる。
従来のバリアフリーや配慮を「する」側・「される」側の概念から健常者と障害者双方が抜け出し、互いに妥協点を見つけて築き上げる意識にアップデートしていくことが大切。





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