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Emilie Floge History vol4

<昭和50年4月26日 クリムトオープン>
昭和50年4月26日大安、コーヒーショップ「クリムト」のオープン日です。
1階の外壁はレンガ、2階は駅側ロータリーに面した大きな硝子窓にパリのカフェをイメージした 赤いテント。1階の入口からエントランスにかけて外壁のレンガが廻り込み、螺旋風の階段で2階 へ続き、吹き抜けの階段を登りきると明るい空間の店内が現れます。
カウンター席は7席で、席の前には5連のサイフォンが並ぶ、まさにコーヒー専門店の様相です。
右側のホールに10席の丸テーブルを配置し、天井から地球と月をモチーフにした照明をテーブル ルの中心に配置しました。照明を中心に置くことで、当時としては画期的な相席が可能な大テーブルになりました。IDPチーム照明デザイナー永原浄先生の提案の作品です。地球と月の球体は 上下に移動でき、光源を下から当てる間接照明で、当時は斬新な照明デザインでした。
この間接照明も喫茶店の新しい空間作りとして、建築雑誌等で度々紹介されました。
2階の喫茶空間は、壁面に沿ってベンチシートを設置し、45㎝角の小さ目の稼働テーブルを14卓 配置しました。2人用のテーブルは1人客も気楽に利用でき、稼働テーブルは複数客にも対応できるようにしました。
さあ、いざ開店です。2階の店舗は入りにくい、更に入口は重い扉で中が見えない! 
「大丈夫だろうか」の不安な思いのスタッフ。
開店と同時に45席の店内はお客様で一杯になり、3日分用意した記念の粗品が無くなる程の来客、不安な思いが一瞬で吹き飛んだ瞬間でした。
1階入口の小さなロゴ袖看板に照明を入れて、オープンのプレートをレンガ壁に出し、モーニングの看板と本日のサービスコーヒーの縦看板を店頭に出して1日の営業がスタートしました。
立川駅はまだ駅ビルも無く、カウンター席から立川駅構内の青梅線の発着が見え、電車の到着を確認し、急いで駅に向かうお客様もいらっしゃいました。

昭和50年4月 商店建築に掲載された写真

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