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12ヶ月未満児向け:ネントレはしたくないけど赤ちゃんに長く寝て欲しい方へ③

シリーズ①では短期的なリズムの整え方、②では長期的な概日リズムの整え方についてご紹介しました。

最後となる③では、①と②で整えようとしているリズムを乱してしまいがちな行動についての注意点をまとめました。

夜泣きに瞬時に対応しない

特に低月齢のうちは、心配しすぎて構い過ぎてしまうのが親心…わたしも少しでも鳴き声がすれば即対応!してました…
これはかなりの悪手です。4ヶ月までに最低限の介入で済ませることが、その後の睡眠にかなり影響します。

実は赤ちゃんの寝言泣き、相当です。
ほんっとに寝てるのか?!というくらい凄まじく目を瞑りながら5〜15分くらい余裕で泣きます。
夜だと暗くて判断つかず、明かりをつけて確認するとそれで起きてしまうので、母子同室だろうがなんだろうが是非是非はじめからベビーモニター導入することを強く強くおすすめします。絶対後悔させません。(←誰?w)

下の引用にある通り、はじめから本当に必要な時以外は構わないようにすることが肝要。

生後1~3カ月の睡眠の基本は、複数回の短い覚醒を挟みつつ、夜間の睡眠時間が10時間程度、複数回の昼寝が3~4時間で、合計13~15時間です。すべての生体リズムが整ってくるので、養育者が早寝・早起きの規則正しい習慣を実践する形で教えてあげましょう。この時期は、夜8時までの入眠習慣や、覚醒しても自然に自分で再入眠する習慣(self-soothing=自己なだめ。Öztürk DR, 2019 および Adams EL, 2020)を身につけてもらうこと、さらに夜間の授乳回数を減らすなど、構いすぎない保護者の対応が、子どもの持続した睡眠に結びつき心身の発達によい影響を与えると報告されています(Paul IM, 2016)。

『赤ちゃんと体内時計 胎児期から始まる生活習慣病 (集英社新書)』三池輝久著

この辺については、原田先生のツイートをぜひ読んでください。


また、モロー反射で起きてしまうケースもかなりあります。以下の情報を参考に、適切なおくるみを購入するか、適切な方法でくるみましょう。

個人的にはスワドルアップがおすすめです。


夜中起きた時の最終ゴールは"寝ついてもらうこと"や"泣き止んでもらう"ではありません。赤ちゃんに"ママ、パパはここにいるよ。安心してね"と伝えることです。この時期にミルクとオムツチェックしても1〜2時間泣いちゃっても焦らないでください。(もちろん健診で問題ないと言われてる場合に限る)

お昼寝の環境

生後2ヶ月までは明るく、そこそこ雑音がある環境でお昼寝した方がいいです。
イメージとしては木陰くらいの薄暗さ、閑静な住宅街くらいの雑音です。

生後0〜2カ月頃のお昼寝の場所は、寝室にせず、リビングに敷いたお布団やベビーベッドで寝かせるのがおすすめです。 お昼寝中は、夜と違い、部屋を暗くする必要はありません。とはいえ、強いライトや直射日光が当たる場所は避けてください。 この時期の赤ちゃんは周りの環境から昼夜の区別を学ぶので、お昼寝も明るい部屋でさせてあげましょう。 生後3カ月頃には昼夜の区別がついて、夜にまとまって眠るようになります。 昼夜の区別がついたら、夜と同じように、暗い寝室で寝かせるようにしましょう。

『家族そろってぐっすり眠れる 医者が教える赤ちゃん快眠メソッド』森田 麻里子著

これはお昼寝だけの話です。夜はきちっと遮光したお部屋でぐっすり寝てもらいましょう。また、だいたい生後2ヶ月くらいで昼夜の区別がつくようになるので、そこからはお昼寝も真っ暗なお部屋でしてもらいましょう。

蛇足ですが、赤ちゃんが寝てる間に音で起きてしまうのを避けるために適切な音量でホワイトノイズをかけるのもとても有効です。適切な音量でないと耳へのダメージもあるので、そこは注意しましょう。

意外な落とし穴:疲れすぎ

これは直感と矛盾するので本当に本当に知っておいて欲しいのですが「赤ちゃんは疲れすぎるとまとまって眠れなくなる」
いや疲れてるなら寝てよ!ほんとに!私がネントレをはじめて最も衝撃的だった事実です。きちんと寝て疲れがしっかりとれてるほど、よく寝てくれます。
適切な睡眠時間はこちら。

論文:https://www.jstage.jst.go.jp/article/sjpr/60/3/60_216/_pdf
下の本から翻訳しました

すでに疲れが溜まってしまっている場合は、まず疲れを取り除く必要があるので、①に書いてあるNAPSメソッドで寝るだけ寝かせてあげてください。

おわりに

ネントレをしたくない方向けに書きましたが、それでも心に留めておいて欲しいことがあります。
それは、もし7ヶ月をすぎても赤ちゃんが夜通し寝てくれない(少なくとも夜の7時間以上の連続睡眠)ようなら、なんらかの対策を講じるべき、ということです。
なぜなら、その時期に睡眠トラブルがあるようなら、8割方4〜5歳までその睡眠トラブルは多かれ少なかれ続くからです。
また、睡眠はすべての人間に必要不可欠なことです。なぜ7ヶ月としたかというと、ちょうどその頃から赤ちゃんの必要摂取カロリーは授乳だけでは補えなくなります。この辺の話はぜひ下の本を読んでください。いわゆる日本の離乳食の弊害もわかりますし、良書です。


つまり離乳食が本格化する時期です。そんな時期にまだまとまって眠ってくれてないと、離乳食の準備もしないといけないのにしんどすぎるというのがひとつ。またもう一つは、概日リズム形成の話でも少ししましたが、赤ちゃんが「夜のあいだ腸をやすめる」ができていないと離乳食自体の進みも悪くなってしまう可能性があるからです。

産後うつによる自殺の最多数も、7ヶ月から増加傾向に転じ、9ヶ月にピークとなります。原因は諸説ありますが、私は個人的にただでさえ寝れてないのに赤ちゃんの食事の用意が加わることも一因だと思ってます。

しかも私だけかもしれませんが、市の職員さんとか子育て支援センターのひと、実効的な案を提供してくれることがほぼありません。なんならクソバイスを投げかけられることもしばしば。もちろん彼らなりに限られた予算内でできる限りのことをしてくれてます。職員さんを責めるつもりは毛頭ありません。国のシステムがカスなんです。

共感とかいらないからすぐに私を寝かせてくれたのむ、というのが当時の心境でした。

なので、ぜひ自分で調べるか、パートナーに調べてもらうか、コンサルさんに頼ってください。保護者がちゃんと寝ることが子育ての第一歩です。

皆様に快眠が訪れますように。


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