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「NFTアートはストリート文化?」 作家×美術手帖編集部 対談 #NFT怖くないよ ✏️@NftPinuts
日本の作家コミュニティをもりあげるべく @takawoさん せきぐちあいみさんをはじめとするNFTを主戦場に活動するアーティストのみなさんと、たびたびTwitter Spaceを開いておりまして、今日はこの記録をnoteに公開したいと思います。(執筆協力 by NFT 情報コレクター miin さま)
Zombie Zoo is on the most famous art magazine in japan🔥🔥probably I’m the youngest contributor✨ @BIJUTSUTECHO
— Zombie Zoo.eth🧟8 yo Artist (@ZombieZooArt) November 5, 2021
明日発売の美術手帖はNFT特集。ゾンビズーの作品が9作品ほど載ってます〜!✨たぶん8歳は特集されるアーティストとして最年少? https://t.co/AcMWJNagED pic.twitter.com/pNZZgSXAoW
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先週末 11月6日(土) 美術手帖12月号『「NFTアート」ってなんなんだ?』の発売日。美術手帖の編集部をはじめ、ゲストに招いてのTwitter Spaceが開かれました。
■NFT作家座談会 #NFTこわくないよ
草野絵美(ZombieZoo Mom)
たかくらかずき(アーティスト/アニメーション作家)
高尾俊介(@takawo / Generativemasks)
■ゲスト
泰平 (スタートバーン株式会社代表)
美術手帖 総編集長 岩渕貞哉
美術手帖 NFT特集担当 牧信太郎
■美術手帖 12月号について
Emi:はじめまして、息子のページ多くてびっくりしました!
私にとっても、あこがれの美術手帖。おそらく載ったのも最年少では?
今回のNFT特集はどのようにはじまったのですか?
牧(美術手帖):半年くらい前に企画たちあがりました。最初はNFT特集ではなかったんです。「アートマーケットの現在」みたいな企画でした。でも、マーケットというのも言葉が広いので、わかりやすいキーワードがほしいなと思ってた時にでてきたのがNFT。これだ!と思って特集になりました。
泰平:美術手帖は2018年にも「ブロックチェーン」特集をしていましたよね。まだ、仮想通貨もでてきたばかりだったのに。かなり先進的な雑誌ですよね。
2018年冬の美術手帖"アートxブロックチェーン"の時には"分散所有でき所有者が増えると解像度が下がっていく画像マスターピース"について描いた。この時はまだNFTという言葉は一般的ではなかったけど今もこの構想の方向を目指してやってるよ。おれはやってるよ美術!そして手帳!みてろ! pic.twitter.com/gzCu9RHdzc
— 堕禍愚羅迦頭氣 (@_takakurakazuki) November 5, 2021
牧(美術手帖):ブロックチェーン特集のときは、具体的なサービスがあるというより、まだ抽象度が高い感じでしたね。自律分散の価値を問うような企画で、その分あいまいな部分が多かった。今回のNFTアートの出現で思ったけど、これだけアート業界の中でも意見が二分することはなかったから、久しぶりに嫌われ者が現れて(笑)とてもよい感じの状況だと思います。
takawo:「あんなのアートじゃない!」みたいに嫌ってる方もいますね(笑)。前はメディアアートが「アートじゃない!」って言われて爪弾きにされていたのが、NFTがでてきて逆にメディアアートの人が活動しやすくなってる状況も面白いです。
■NFTの仕組みを理解しなきゃいけないの?
牧(美術手帖):美術に興味がない人にとって美術の価値って説明がとても難しいんですよ。NFTも仕組みを理解しなくてもいいんじゃないですかと思います。例えばitunesで音楽を買うときに「現代音楽の勉強してから買え」いわないですよね。単純に「好きなものを買う」って価値基準もあっていいのでは。
Emi :たかくらさんの「NFTの仕組みわかんねぇよ!」みたいなツイート思い出しました。あれすごく共感した(笑)
"NFTの仕組みを全て理解しないで触るのは問題"みたいな言説はそれこそ美のことを理解できていないなと思ってしまうというか、俺はphotoshopの仕組みもPCの仕組みも絵の具の仕組みもこの世界の仕組みも理解してねぇんだよ!!!!!?
— 堕禍愚羅迦頭氣 (@_takakurakazuki) November 1, 2021
たかくら:プログラマーさんとかはNFTの仕組みを理解しているかもだけど、僕らはわからないんですよ。とりあえず手をだせばいいじゃん?ただ、セカンダリー(二次流通)の仕組みにも作家が介入できるのは新しいよね。これまでは売れたら終わりだったけど、NFTなら売上もはいってくる、買った人と一緒にそこに加担していくのがおもしろい。
Emi:コミュニティつくったり、そこでの生態系をみてるだけでもとても面白いです。先日はZombie Zoo のオフ会がNYで開催されたりしてたり。
#NFTNYC にてゾンビズーのオフ会があったようです…!🥲
— Emi (Zombie Zoo Mom) (@emikusano) November 4, 2021
めっちゃ嬉しい!朝起きて親子で歓喜!
GM!
Just woke up and seeing the photo of #zombiezoo meetup in NYC,
we mom & son were literally yalling out of happiness🧟🧟♀️💕💕
Thanks for making it happened 🕷🐝🍊🕊 pic.twitter.com/2Onyv51YR9
泰平:Emiさんがしていることって、かなり次世代のマネジメントをしていると思うんですよね。
Emi:この動きってミュージシャンに似ているんですよね。ぜんぶ自分でやるから....バンドでやっていた体験が活用できた感じがあります。
牧(美術手帖):音楽業界とNFTアート界はやっぱり似てますよね。
takawo:それでいうと、今の状況はアメリカのヒップホップのシーンでトラップが登場したときの状況に似ている感じがします。ストリートカルチャー的に、リミックスしたりトラックつくったり、ある意味野蛮に成長していく文化。同時にアーティストとしての対応力というか、即時的にリアクションしたり状況に応じてメッセージを発信する能力も必要になっている実感はあります。
たかくら:たしかに、いろいろ鍛えられそう。
Emi:基本一人で動いてないですしね、MVの監督や、リミックスするトラックメイカーなど様々な人を巻き込みます。ライブでは集客、MVは多くの人にリーチしなきゃいけないからマーケティングもしっかりします。
takawo:Generativemasksも一時流通で完売して終わりじゃなくで、そのあとずっと続くっていうのが、完売後一ヶ月後くらいで徐々にわかってきて....美術手帖のインタビューはそのプレッシャーをモロに感じていた時期で、正直一番しんどく感じてた頃かもしれません(笑)。
Emi:私たちなんて自由研究ではじめてるから、こんなことになるなんて 笑
でも、彼は描くの大好きでNFTにしていないものあわせると1000作品くらいあるんですよ。
泰平:作家さんの生きていく歴史がみえるのもいいですよね!ZombieZooKeeperくんがこの先何年も作品つくっていって、「ああ、この作品つくった時は恋をしていたんだな」とかわかるの面白い。好きな子ができたら作品タダであげちゃったりするのかな。それがブロックチェーンでわかっちゃうんだろうね。
Emi:もう私だけじゃマネジメントできないから、チームアップしたいなとは思ってる。metaaniのMekkezoさんとゾンビメタバースつくろうよとか話してます。母親としては、彼がたくさん稼働しなくてもうまくいけるようにしてあげたい。
たかくら:芸能事務所の社長みたいw これはもうUUUMみたいな会社つくるしかないね。
Emi:再現性あるかわからないですが、令和のステージママです(笑)
■NFTはバズらなくても食っていけるかもしれない
たかくら:いまはすごい金額で売れた!みたいなのが注目されてるけど、ちょっと陶芸家みたいなところもあるとおもうんですよね。陶芸みたいに、「今日は1つ作ったよ!売れたよ!」みたいな感じで、マイペースに作品をつくって食っていくことができるなぁみたいな感覚もあります。
泰平:いまNFTって「挑戦する人たちを応援している」文化になっているとおもうんですよね。あとは、takawoくんがやっているジェネラティブアートの活動も、NFTがなかったらお金にはなりずらかったし、beepleも、5,000日間毎日デジタルアート描いてたけど、もしNFTがなかったら高値で売れることもなかったし、どうなっちゃっていったんだと。
突っ込んでいく人や実験している人が報われる世界になっているんですよ。
でも、それをみて後からやる人がやってもダメだったりするし、パクリもバレる。
クリプトパンクスのパクリ作品の乱立も、最初はおもしろかったけど、いまや、いい加減にしろよと(笑)
こうなると、だんだんアイデアがでなくなってきて...これが増えていくと、トップの人たちはよりスターにになっていく。逆にさっき話にあがった「陶芸」みたいに、それはそれで食べていけるみたいな、グラデーション(ピラミッド後続)が広くなっていくという懐の深さがあるよね。
「NFTをできない」言い訳がいっぱいおもいついてしまう。だから参入しない人が多いけど、とりあえずやればいいじゃんって思っていますね。
■日本の文化とNFT
Emi:MekaVerseとか、今度出る村上隆さんとのRTFKTのコラボのシリーズも、今は名前変えたけど当初の名前はAkira?だった気がする…。日本テイストがあるものが成功しているのは少し悔しいですね。
泰平:元々、日本はNFTへの参入はやくてマイクリとかDJT(doublejump.tokyo)のゲームプロジェクトがOpenSeaの売上を大きく占めていたんですよ。OpenSeaの人たちも、凄く感謝しているはず。
takawo:でも、日本発でMekaVerseみたいなプロジェクトをやっていたら炎上していたんじゃないかと思うんですよね。
Emi:まぁそうですけど、日本人はもっと怒ったほうがいいと思います。いろんなエッセンスが混ざってるからこそ新しいものは生まれているとは思いますが、ちゃんと日本のアニメーターたちともコラボして欲しかったな・・・。
たかくら:僕がやっている"NFT BUDDHA"のシリーズは今後、住職で編集者の稲田ズイキくんと"メタバース上に寺や浄土を作る"プロジェクトに発展する予定で、せきぐちあいみさんもcryptozinjaってプロジェクトとかやっていますよね。この方向性は、ありだとおもいます。
takawo:宗教とNFTって似ていて、ブロックチェーンに対しても「信じる」っていう気持ちが近いから、寺社仏閣みたいなものは相性がいいと思うんですよね。僕のGenerativemasksにも似た部分があって、振り返るとマンガの「火の鳥」に登場する我王みたいに「NFTシーンにはびこる邪気を払う!」みたいな気分で作っていたの思い出しました(笑)。
Emi: コレクティブっていわばアミニズム的な価値だし、日本的な感性が活かされていくのはおもしろいですね。
泰平:中国とかは、逆に自分たちの国のアートを積極的に買うんですよね。子供のアートもよく買われるらしいし。逆に、日本って自国のアート全然買われなくて、当時から村上隆さんとか草間弥生さんの作品買っておけば、いま価値あがったのに。
いまの段階で、日本人が安値でいいからNFTで自国のアートを買うっていうのはよいことだと思うんだよね。作家と買う人が一緒に成長していく必要がある。これから世界って変わっていくと思うし、それをインターネットがあれば体験できる。
takawo: 僕は死んでいるアーティストより、存命のアーティストの作品を買うほうがいいと思ってます。作品を買うことによって現実世界の未来に関与することになるから。そういう価値観が広まってくれたらアートシーン全体の活性化という意味でも良いですよね。
Emi: 私も現代美術を買うより、NFTのほうが買いやすかった。買った後もコミュニティにはいって盛り上げたりとか、いろんなかたちでアーティストの支援をできるのが楽しい。
牧:NFTを売っているアーティストって、他のアーティストのものも買うよね。それがコミュニティ全体への貢献になる感覚もある。「価値の生態系」が生まれているスリリングな場所だなと思う。
泰平:「NFT怖くないよ!」ではじめて、スリリングでまとまるのおもしろい(笑)
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