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北斎漫画舞踏ワークショップ3日目。現代社会的リミッターを振り切って体を運転中、太古の記憶からの叫びが聞こえてくる。 #北斎漫画舞踏 創作過程 15

北斎漫画舞踏ワークショップ を毎週水曜日、墨田区曳舟のすみだ生涯学習センターで開催しています。

HOKUSAI MANGA BUTOH Workshop is held every Wednesday on at Sumida Lifelong Learning Center in Hikifune, Sumida-ku, Tokyo.

北斎漫画舞踏ワークショップ DAY 3

本日のテーマは「動かされる袋としての体。感情によって内側から変化する袋。環境に影響される袋。」

まず、初回の方と復習も兼ねて基本的な体の捉え方、空っぽの体、水の入った袋としての体の復習。また袋の中に小石を入れてみたり、ボールを入れてみたり、雷を落としてみたり。影響される袋としての体を試します。

Today's theme is "The body as an empty bag that is moved by images. It is changed from the inside by emotions. Environment also affecs the empty bag."

First, we will review with the new participants the basic training of the Butoh body, the empty body, and the body filled with water. We will also change the water image into pebbles, a ball, and a thunder. The empty bag is affected differntly by them.

次に感情のワーク。前回は般若を紹介し特に嫉妬に焦点を当てましたが、今回は喜怒哀楽、他の感情を体に入れていきます。

Next, we put emotions inside our bag. In the previous workshop, I introduced Noh mask "Han-nya (般若)" and focused specifically on jealousy. This time we put joy, anger, sorrow, happy etc. into the bag.

例えば「怒り」。顔だけでなく、指先、背中、足先、そして体の周りの空間も怒りで満たされているイメージ。そのとき体の反応として何が起こってしまうのか、の実験。

Take anger, for example. Not only your face, but also your fingertips, back, toes, and the space around your body are filled with anger. The experiment is to see what happens as a reaction of the body at that time.

結果を観ている人にわかりやすく示そうとせずに、変化の過程、体が指先が足先が背中の後ろの空気がどのように変わっていくかを重視。

Instead of showing the results in a way that is easy for the audience to understand, the important point is on the process of change, how the body is changed, how the fingertips, the toes, and the air behind the back of the back are changed by the emotion.

また、人前で行う時に自分の中で「ここまででいいだろう」と制限をかけてしまうリミッターがある。その箍を外す挑戦。

In addition, we tend to set the limitation ourselves when we perform, saying, "It may be enough to show this expression". The challenge in this practice is to beyond the limitation.

感情のワークの気づきとして、怒り等のネガティブな感情で袋を満たすよりも喜び等のポジティブな感情で袋を満たし続けることが難しく感じる。

As an awareness of the emotional work, we fond it more difficult to keep filling our bag with positive emotions such as joy than to fill it with negative emotions such as anger.

人間が進化の歴史の過程で得た経験。ネガティブな感情によって生存の危機を乗り越えてきた記憶が、現代の私達の体の奥底でも「忘れるな!」と叫んでいるのかもしれない。幸せは軽やかに霧散し、怒りや悲しみは蓄積する。

Experiences that humans have gained over the evolutionary history. Memories of overcoming the crisis of survival through negative emotions may still be deep within our bodies even now, screaming "Don't forget!".  Happiness lightly fades away, while anger and sadness accumulate.

最後に『北斎漫画』の一部を使用したデモンストレーション。今までに単体で袋に入れてきたものが複合的に組み合わされる。それによって影響を受ける袋、影響を受けている姿が踊りになっていく。

Finally, a demonstration using one character in the "Hokusai Manga". This time, it becomes a combination, not only one image what come into the empty bag. It influences the empty bag and the process could be a dance movement.

最後にフィードバックを聞いていて、楽しいが袋に入ってくる姿を見ていて、見ている自分も楽しくなったというご感想がありました。それこそまさに、自分の体の中心から発芽した「楽しい」が自分という袋の皮を通り越して、周りの空間も楽しい!!に変えていってしまった良い例だと思いました。

Listening to the feedback at the end of the session, one of the participants commented that by watching the happiness come into their bag, it made her happy as well. I thought this was a good example of how the "happiness" that sprouted from the core of one's own body passed through the skin, transformed the surrounding space and moreover other people's mind into full of happiness!

お互いに見合えることもたくさんの気づきがあります。皆さんと一緒でとても楽しい時間でした。ありがとうございました。

There are many treasures we can find by watching each oter. It was a great time with you all. Thank you very much.

次回は最終回、9/27(水) 18:30~20:30
ご予約受付中↓

参加者のご感想

昨年とは違うことが出来て、面白かった。前の人の動く姿を意識してしまっていて、エムプティバッグになるのも難しいんだなと思った。全ての体験、また人のを観たり感想を聴くのもいい時間。楽しかったし、感情を膨らますとどこに行くのか、また地球の中心からもぶら下がる、という感覚が、重力を感じる、というのとはまた違って面白いと思いました。

youtubeで拝見したときからこれは!と思っていたので、1回だけですが参加できて良かったです。 いまの舞踏が失いつつあるイメージの喚起やケレンミに触れられて、嬉しかったです。 どうもありがとうございました。

日常から解放され、じっくり身体を味わうのは、とても面白いです。 前もやりましたが、遠くから身体を動かされるのは、狭いところに縮こまっていた身体が解放されてゆくような気がしました。 怒りや悲しみの感情が入ってきてマックスになるのは、日常だとそこまでにはならないところを越えてゆくので、不思議な感覚です。怒りと悲しみは、違う感情なのに、マックスになると、違うけど、どこか似ているような気がしました。

身体から水を出し入れしたり、8方向に身体からボールを飛ばしたりは楽しかったですが、スパイラルや電撃はムズカシイ!感情を身体に入れるのも慣れてきたようでやはりムズカシイ!一瞬で急激に感情を身体に出し入れするのもムズカシイ。毎回リミッター超えられなくて悔しいですしうまくはできないからこそトライし甲斐があり面白いです。

去年より海外の方の参加が多く、感情や表現方法の幅が少ない私には刺激になりました。 また、自分が踊る時はいつも硬い殻の内側だけで踊ってるなと再確認しました。 入ってきたものは自分の意思ではない、それが出た後には記憶が無くなると言う我妻さんの言葉に、何度も救われ「なるほど」という思いが去年より染み入っています。
参加された方々の表現を見れることもありがたいですし、作品になってしまうとゆきすぎてしまう我妻さん塩谷さんの表現を間近でじっくり見れる事が毎回大変楽しみです。 どの様に気を入れるかや演っている時にどんなイメージかなど聞けたので、今回も大変ためになりました。 ありがとうございます!

It was a pleasure , I didn’t see the time pass ! looking forward for next week !

Thanks again for the workshop, I really enjoy the way you teach.

メディア掲載情報

東京新聞 さま

2023年9月10日朝刊都内版(したまち版)に情報を掲載していただきました。
ありがとうございます!

すみだ経済新聞 さま

2023年9月4日に情報を掲載していただきました。
ありがとうございます!

スポーツ報知 コミュニティ季刊誌 さま

2023年9月1日発行号にの情報を掲載していただきました。
ありがとうございます!

東都よみうり新聞 さま

2023年9月1日発行号にの情報を掲載していただきました。
ありがとうございます!

すみだノート さま

掲載ありがとうございます!

すみどこ さま

掲載ありがとうございます!

北斎漫画舞踏「おどる湯」

我妻恵美子(舞踏家・演出家)が代表を務めるAGAXARTはアートプロジェクト「隅田川 森羅万象 墨に夢」にて、北斎漫画舞踏「おどる湯」を開催します。

【WEBサイト】

『北斎漫画』を踊りで楽しもう!

「北斎漫画舞踏ワークショップ」とは?

ちょっと体を動かしてみたいという方でも楽しめる初心者歓迎のワークショップです。簡単な舞踏の基本トレーニングを紹介し、『北斎漫画』をモチーフとした踊りへと少しずつ発展させていきます。ダンスが苦手と思っている方でも自分のペースで参加できます。

9月6日(水)から毎週水曜日、すみだ生涯学習センター(ユートリヤ)にて開催します。毎回違う内容です。4回連続の参加をおすすめしますが、1回のみでも可能です。運動不足を解消したい、舞踏を体験してみたい等、お気軽にご参加いただけます。

開催概要

イベント名称 :「北斎漫画舞踏ワークショップ」
日程 : 2023年9月6日(水)、13日(水)、20日(水)、27日(水) 各回 18:30~20:30
会場 : すみだ生涯学習センター(ユートリヤ) 東京都墨田区東向島2-38-7
料金 : 全納 11,000円(税込)/ 4回、各回 3,000円(税込)/ 1回 ※墨田区民は500円割引
講師 : 我妻恵美子、塩谷智司

申込フォーム :

舞踏とは?

1960年に日本で生まれたコンテンポラリーダンスで、土方巽と大野一雄が有名な創設者です。舞踏では既成の価値観を疑い、自身の体や内面、日本の風土、そしてダンスを問い直し、独自の視点で再構築します。この独特な身体表現は西洋のダンスとは異なる考え方を持っており、世界から関心を集めています。

『北斎漫画』とは?

『北斎漫画』は浮世絵画家葛飾北斎による絵手本。葛飾北斎は代表作として『富嶽三十六景』があり、その名は世界に広く知られている。この『北斎漫画』は彼自身「事物をとりとめもなく気の向くまま漫ろに描いた画」と表現している。一般的な漫画とは異なり作品は連続性を持たず、無秩序なままに描かれた。この作品は1812年、葛飾北斎が52歳の時に描き始められ、初版は名古屋の永楽屋東四郎から出版された。その後も1878年まで出版が続いた。

実施体制

主催 :AGAXART、「隅田川 森羅万象 墨に夢」実行委員会
共催 :墨田区
協賛 : 株式会社東京鋲兼、東武鉄道株式会社
※「隅田川 森羅万象 墨に夢」実行委員会 事務局は(公財)墨田区文化振興財団が担っています。

舞踏の基本トレーニングを初心者でも楽しめるように紹介

20代から60代まで幅広い年齢層と、ダンサー、役者、アーティスト、学生、医者などバックグラウンドも異なる方にご参加頂きました。基本トレーニングから始まり、『北斎漫画』をモチーフとした踊りへ発展させていきました。のべ56名が参加し、公演には10名が参加しました。

AGAXART(アガックスアート)とは

AGAXARTは、身体、精神、魂の探求を通じて人々の創造性を高めることを目的としたアート集団です。ワークショップ、公演、イベントを企画運営しています。舞踏の身体操法を主軸にして言語では表現しづらい内面と向き合い、多様な表現を発掘する場を提供しています。異なる文化との交流を積極的に行い、地域資源の関心を高める取り組みを行っています。
【WEBサイト】


我妻恵美子 AGAXART代表

舞踏・振付・演出
宮城県出身。1999年早稲田大学文学部を卒業と同時に舞踏集団・大駱駝艦に所属。2020年に独立し舞踏を中心とした舞台・イベントの企画制作を手掛けるAGAXARTを設立。
2015年に自らの震災経験を元に振付・演出した作品「肉のうた」を発表。パリ日本文化会館(フランス)より招聘され、同年第46回舞踊批評家協会新人賞を受賞。2020年台北国際芸術村の滞在芸術家として選出、舞踏ソロ作品「Future Temple」を発表し第39回 Battery Dance Festival(ニューヨーク)よりアジア代表として招聘される。2022年すみだの町工場と職人さんをテーマとした舞踏作品「北斎漫画の墨の囁き、街の響き」演出。

北斎漫画舞踏「おどる湯」北斎漫画舞踏ワークショップ後の企画

第二弾:「おどる湯」創作過程一般公開

「おどる湯」舞台裏を見学できます。美術制作や振付稽古など、すみだの銭湯と北斎漫画をモチーフにした舞踏作品が出来るまでを無料で公開します。

期間 :2023年11月1日(水)~7日(火)の13:00~18:00
会場 :北條工務店となり 東京都墨田区東向島3-22-10

第三弾:舞踏公演「おどる湯」 HOKUSAI MANGA BUTOH "Dancing SENTO”

『北斎漫画』をモチーフとし、すみだの銭湯をリサーチして創り上げる舞踏作品。舞踏ワークショップ生有志も参加。

演出・舞踏 :我妻恵美子
音楽・演奏 :大野慎矢(KiMiMi)
作中オリジナル江州音頭「隅田川」 唄:宇宙軒明星、演奏:プリンス王子(ミックスナッツハウス)
舞台美術 :大漁舟隆之 

日時 :2023年11月10日(金)~12日(日)
会場 :北條工務店となり 東京都墨田区東向島3-22-10
料金 :2,500円(税込)※墨田区民の方は500円割引

「隅田川 森羅万象 墨に夢」(通称:すみゆめ)とは

すみゆめ2023プロジェクト
葛飾北斎が 90 年の生涯を過ごした隅田川流域で、墨で描いた小さな夢をさまざまな人たちの手で 色付けしていくように、芸術文化に限らず、森羅万象あらゆる表現を行っている人たちがつながり ながら、この地を賑やかに彩っていくことを目指していくアートプロジェクトです。「北斎」と「隅田川」を主なテーマに、すみだの地域資源を活用する多彩な企画を約 4 カ月にわたって展開していきます。  

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