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時の花を挿頭(かざし)にせよ(ことわざ)🌸

 私は、バスに乗っていた。

 もうすぐ3月。春も近い、寒いがよく晴れている午後の郊外の途上。

 退屈になってきて スマホでもいじろうか…と、思ったが「現代人の悪いクセ」と、思いとどめた。

 右側にバスの窓がある。

 住宅街の上の方を一匹のカラスが翔んでいる。

 よく見ると気持ちよさそうに旋回している。

 ひらひらと、

 ひらひらと、

 ああ、…カラスも気持ちよさそうだな。

 一瞬私は羨ましく思った。

 (カラスでも 自由に気持ちよさそうにできるこんな晴れた温かい日があるんだね……)

 私は、雨の日にカラスがごみ捨て場のごみをずぶ塗れになりながら突付いている姿を思い出した。

 寒い中、ああやって食べ物にありつかなければならない日や、こんな風に 気持ちよく大空を翔べる日も来る……

 おそらく、カラス達は雨の日ーーずぶ濡れになった一昨日あたりの羽根を こうやって陽に晒し、乾燥させているのだろう…。

 雨で濡れた羽根はさぞ冷たくて、凍えそうで、悲しかっただろう…

 あんな日もあればこんな日もある。



 つと、思い出した。

 鳥たちの羽根って、脂が表面にあって 中まで濡れないんだっけ……?

 じゃあ、そんなに心配することもないか……

 私は、物思いを続けた。


 またふと、気が付いた。


 周りにいる乗客が、私が物思いに耽ってぼーっとしてるのを、おもしろく(interestingに)関心を持って観察している……(もちろんこちらの方は見ないで☆)

 

 私は、恥ずかしくなって、物思いを諦めようとしたが、勿体なくてしがみついた。


 坂道の下の住居の屋根がきらきら輝いている…

 私は、思考と住宅街の光景にしがみつく…


 落ち着いたところで、


 次のバス停に着いた。


 一瞬、異様な緊張が走った。


 以前(四十年くらい前の)のような天然パーマか何かのような髪型をした 歌手か 芸術家のような若い男性が乗ってくる。


 (「延命悟」に似てる……)


 「延命悟」は、昔 私が 漫画でつくったキャラクターだ。


 あの頃は、世間からずっと離れていて私の世界がズレていた。


 (思い出したくなかったのに…!☆)


 私の休日の空想タイムはストップした。


 私自身だけでなく作品も、時代遅れで世間からズレていた。


 更にぼーっと思い出した「時の花を挿頭(かざし)にせよ」
 ーーーことわざだ。


 意味は、その時代、時代の波に乗って栄えて暮らすのが何より、時期の花をかんざしに飾るように……


 というものだ。


 あ〜〜、昔に戻りたくない。


 あの頃はズレていたな〜〜💔


 と、思いつつ、いろいろ考察できた午後だった☆☆☆


 いや、おにーさんゴメンね💦あなたの趣味を悪く言う権利はないけど…、私の黒歴史に引っ掛かるから……💧


 必ずしも、ことわざや「正しい」と言われているヒトの意見にまっしぐらに従わなくても良いわけだしね……ふふ。



          おわり( ╹▽╹ )🌱

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